いつまでも続けられない立憲と共産の選挙協力

小川敏夫・参院副議長
小川敏夫氏=川田雅浩撮影
小川敏夫氏=川田雅浩撮影

 立憲民主党では共産党との選挙協力をどうするかが、ずっと課題になってきた。私は共産とは政権を組めないことを前提にして、与党を利するよりは選挙戦術として協力すればいいという考え方だ。

 与党は立憲民主と共産の選挙協力を壊したいから攻撃してくる。しかし、先の衆院選での東京の小選挙区を見ても野党が一本化したことで勝利したところは多い。

限界がある

 ただし長期的に見ると立憲民主にとっても共産にとってもこの選挙協力には限界がある。

 接戦の選挙区で共産が候補を擁立しないことは立憲民主にはプラスになる。しかし共産はそれに値する十分な見返りを得ていると言えるか。

 勝てそうにない選挙区で候補を擁立しないならば、立憲民主はその選挙区ではいつまでも勝てない。勝てる選挙区でだけ勝てばいいとなれば政権を狙う選挙はできない。同じ事は共産にも言えるだろう。

 東京では都議会選挙などでも立憲民主と共産が実質的な選挙協力をしている場合がある。都議選は(1選挙区で複数の候補が当選する)中選挙区があるので、この場合は共産にもメリットがある。

 しかし小選挙区では無理だ。メリットがはっきりしない共産がいつまで我慢してくれるか。立憲民主の議員も結局は自分の議席を守るために共産が候補を擁立しないでほしいぐらいの気持ちしか持ってはいないのではないか。それでは政党同士の関係として長続きするとは思えない。

自立がそがれている

 私自身も安保法制などでは共産と手を握って反対した。しかし個別のテーマを離れ、連立政権を組むことはできない。それは立憲民主の議員はみなそうではないか。ただあからさまにそう言って次回の選挙で応援してもらえないと困るから明確には言わないだけだ。

 小選挙区で勝つか負けるかだけの問題ではない。小選挙区で勝てない場合、比例復活がある。惜敗率が問題になるので、この場合は、実質的には同じ党内の他候補と競争することになる。そこで共産の1万、2万票があるかないかは非常に大きい。

 共産から見れば勝手な話だろう。しかし、立憲民主の他の議員が共産票をもらっているなかで、自分だけもらえないとなることは議員にとっては一見するよりずっと大きな影響がある。

 こうしたことには全体として非常に無理がある。共産に頼らざるを得なくなっていることは立憲民主が自立する力を失っていることで…

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参院副議長

 1948年生まれ。裁判官、検事、弁護士を経て、98年参院初当選。法相、民進党参院議員会長などを歴任。2022年参院選に出馬せず引退する。参院東京、当選4回。