日本外交の現場から

下火になった韓国の「NO JAPAN」 日本旅行が再ブーム

大貫智子・政治部記者
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在日韓国大使館の領事部前で、観光ビザを求めて列に並ぶ人々=東京都港区で2022年6月7日、国本愛撮影
在日韓国大使館の領事部前で、観光ビザを求めて列に並ぶ人々=東京都港区で2022年6月7日、国本愛撮影

 6月10日、訪日外国人の団体ツアー客受け入れが再開された。韓国でも、6月から外国人観光客への短期ビザが発給されるようになり、2年数カ月ぶりに日韓間の旅行が可能になった。

 東京・南麻布の韓国大使館領事部では最近、ビザ発給を求める人たちが列をなし、徹夜組まで現れた。新型コロナウイルス禍で韓国のドラマや食、文学に親しんだ日本人は多い。日韓外交関係者によると、1日の発給数は200人ほどが限界だという。ビザ免除措置が再開されるまで、当分、担当者は多忙を極めそうだ。

 では、韓国での日本旅行人気は復活するだろうか。韓国からの観光客はここ数年、激しく増減した。2018年の訪日客は過去最高の約750万人に達したが、翌19年、日本による対韓輸出規制を受けて日本製品の不買運動「NO JAPAN」が展開され、この年の訪日客は約560万人に急減した。

 コロナ禍を経て、この影響はどの程度残っているのか。それが日韓関係にどう影響するのか。5月末にあったオンライン学生交流の場で尋ねてみた。

不買運動元参加者も日本旅行を切望

 日韓の学生計約80人がパソコンの画面を通じて一堂に会した。次々に黄色い挙手のマークがつく。

 5月28日、公益財団法人「日韓文化交流基金」が実施したオンライン交流に参加した。コロナ禍が落ち着きつつある中、相手国を訪れる人がどの程度増えるか、学生たちに質問した。

 日本で韓国旅行の需要が高いことは想像がつき、実際、日本の学生からそうした答えが返ってきた。このため、ここでは韓国の学生の声を紹介したい。

 「輸出規制で不買運動がとても広がったのは事実です。私も参加していました。日本が嫌いだからというより、輸出規制が衝撃的な事件だったためです」

 韓国・祥明大4年の金芙容(キム・ブヨン)さんは3年前の出来事について率直に語った…

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大貫智子

政治部記者

神奈川県生まれ。2000年入社。前橋支局、政治部、外信部を経て13~18年ソウル特派員。12年と16年に訪朝し、元山や咸興、清津など地方も取材した。論説委員、外信部副部長を経て、21年4月から政治部で日本外交を取材。ソウル駐在中から取材を始めた日韓夫婦の物語「帰らざる河ー海峡の画家イ・ジュンソプとその愛」で小学館ノンフィクション大賞を受賞した。「愛を描いたひとーイ・ジュンソプと山本方子の百年」と改題し、刊行。