日本を破綻させるバラマキと大衆迎合政治

渡邉美樹・ワタミ会長兼社長 元参院議員
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ワタミの渡邉美樹会長兼社長=内藤絵美撮影
ワタミの渡邉美樹会長兼社長=内藤絵美撮影

投票で変えられる「組織のための政治」

 参院選では投票率が上がることを期待している。国民の多くは「別に自分が投票に行かなくても」と思っているのかもしれない。だが日本は安全保障も経済も決して安泰ではない。

 軍事的脅威は日に日に強まり、経済が破綻する可能性も決して低くはない。国民に将来への危機意識を持ってもらうことが投票率を上げる一番の近道だ。

 投票率が上がることは無党派層が動くことだから、特定の業界団体の票の割合が小さくなる。参院議員を2019年まで1期6年務めた中で、組織票に動かされる政治を嫌というほど目にしてきた。国民のためではなく、組織のための政治になってしまっていた。投票率が上がれば、本当の意味で国民の総意に基づく政治に、より近づく。

 危機感を持つには世の中に関心を持たなければならない。そのためには有権者教育が必要だ。特に中学、高校の段階で、子どもたちに政治と自分たちの生活がどれほど密着し影響をしているかを知ってもらわなければならない。

 私が理事長・校長を務めている私立中高一貫校では、政治・経済に関するニュースについて考えてもらったり、普通選挙権が獲得されるまでの歴史を学んでもらったりする授業をしている。

大衆迎合はやめるべきだ

 その上で今の国政に求めたいのは「大衆迎合」をやめることだ。今の国民が望むことと、未来の国民が望むことは違う。政治の仕事とは、今の国民に耳の痛い話をしても、未来の人たちに思いを寄せることだ。

 特に政府が閣議決定した今後の経済財政運営の指針「骨太の方針」は誰にとっても都合よく読める表現で、何が言いたいのかさっぱり分からない。

 基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化の目標年限は外したが、昨年示した歳出抑制方針は踏襲すると書いてある。一方で歳出拡大の余地もほのめかしたりしている。あのようなものを国の方針にしてはいけない。

 与党が提案した年金受給者に対する一律5000円給付案は大衆迎合の表れだし、…

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渡邉美樹

ワタミ会長兼社長 元参院議員

 1959年生まれ。84年にワタミを創業。2013年参院選比例代表に自民党から立候補し初当選。参院外交防衛委員長など歴任。19年に議員を引退。学校法人郁文館夢学園理事長兼校長も務める。