基礎からわかる参院選

参院選が生む「ねじれ国会」の致命傷

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参院選最後の日曜日に候補者らの演説を聞く人たち=神戸市中央区で2022年7月3日、久保玲撮影
参院選最後の日曜日に候補者らの演説を聞く人たち=神戸市中央区で2022年7月3日、久保玲撮影

 最近はあまり聞きませんが、参院選の結果生まれる「ねじれ国会」という言葉があります。参院で野党の議席が与党の議席を逆転する状態を言います。

参院の強い権限

 解散がある衆院と異なり、参院は3年ごとの改選のため、その時の民意によっては衆院の多数と参院の多数が食い違うことがありえます。

 この状況が深刻になるのは、参院が第2院としては比較的大きな権限を持っているためです。衆院で可決された法案が参院で否決された場合、衆院は再可決して法案を成立させることができますが、再可決の際は過半数ではなく3分の2以上の賛成が必要になります。

 与党が衆院で3分の2以上の議席を持っていない場合は、事実上、参院の多数、つまり「ねじれ国会」のもとでは野党が法案の成立の可否を握ることになります。与党が衆院で3分の2以上を持っていても、再可決は政治的にはそう簡単なことではありません。参院での否決も民意の表れなので、国民の批判をおそれなければならないからです。

 また、参院には衆院のような内閣不信任決議はありませんが、首相や閣僚に対する問責決議を可決することができます。内閣不信任決議と異なり、参院で問責決議が可決されたからといって、衆院を解散したり、内閣が総辞職したりする必要はありません。

 しかし、たとえばある閣僚について参院で問責決議が可決されれば、参院で多数を持つ野党がその閣僚が関係する法案審議に応じないなどの手段に出ることがあります。過去には、法案を人質にとられた政権が閣僚を辞任させることで切り抜けなければならなかったことが実際にありました。政権への打撃は小さくありません。

ねじれると政権交代に

 このようなことから「ねじれ国会」となると政権の政策実行力が著しく阻害されます。その結果、内閣支持率が低下し、首相辞任へ追い込まれる流れになることもあります。

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