見ないふりで問題をやり過ごす政治 「ゆでガエル」になる日本

松田公太・タリーズコーヒージャパン創業者 元参院議員
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松田公太氏=宮本明登撮影
松田公太氏=宮本明登撮影

先送りはやめてほしい

 参院選では日本が短期的にも長期的にも抱える問題を先送りせず、真正面から向き合った論戦を繰り広げてほしい。

 例えば短期的にはコロナの水際対策だ。政府は参院選の期間中に感染が再拡大し、その追及を受けることを恐れて緩和を先送りしているのだろう。欧米ではほとんどの国が入国規制を緩めている。しかし日本は1日あたりの入国者上限は2万人で、コロナ以前のピークに比べて10分の1以下だ。

 これは経済にとってマイナスだ。コロナでダメージを受けた旅行業や飲食業にも大きな影響がある。円安などの問題で原材料費が高騰している業種にとって、政治が決断を先送りしてインバウンド(訪日外国人客)が減少したままだと存続が危ぶまれてしまう。小さいことだと思われるかもしれないが、こういう所に経済よりも自分たちの選挙が大切だと考えている真意が表れてしまう。

「大企業」の弊害

 エネルギー政策も先送りだ。電力不足が問題になっている。与党は原発再稼働をどんどん推進したいと考えているのにそれを明確に言わない。無党派層で原発に疑問を持っている有権者の票を失うのが嫌だからだ。

 そして国民には「節電のお願い」を連発している。コロナ関連での飲食店への営業自粛や時短営業の「お願い」と同じだ。法的に対応せずに「お願いベース」で物事を進めようとしている。あやふやな形で国民に負担を強いることはもうやめるべきだ。中長期的な政策面では脱炭素やエネルギーミックスが絵に描いた餅になってしまっていることを正直に話して、正々堂々と議論しなくてはならない。

 政府も自民党も会社で言えば「大企業」だ。組織が大きくなると、問題があるのに見ないふりをしてやり過ごそうとする。いざ、改革しようとすると、利権に絡む反対派から足を引っ張られる。その反対勢力が自分の出世の妨げになる。結果、やり過ごした方が自分にとっては得なので、改革の勢いは小さくなる。

 このままでは日本は(気がつかないまま死んでしまう)「ゆでガエル」になってしまう。そのことを国民は自覚して、この参院選に臨むべきだ。

1党支配状態は国を弱くする

 野党は力を結集できず、ボロボロだ。…

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松田公太

タリーズコーヒージャパン創業者 元参院議員

 1968年生まれ。筑波大卒業後、銀行員を経て、97年にタリーズコーヒー日本1号店を創業。2010年参院比例代表にみんなの党から立候補し初当選。16年に議員引退。現在はレストラン「Eggs 'n Things(エッグスンシングス)」などを展開する会社代表。