安倍政治の功罪 分断と対立を生んだ唯我独尊

辻元清美・参院議員
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辻元清美氏=内藤絵美撮影
辻元清美氏=内藤絵美撮影

政治の評価は別

 私は歴代12人の首相と議論してきた。最初は橋本龍太郎氏だった。昔の自民党は違うものを取り入れていこうという感覚が今よりはあり、寛容なところもあった。安倍政権になって一切、それがなくなった。「この道しかない」という唯我独尊の政治だった。

 暴力で何かを解決しようとし、人を殺(あや)めることは許せないことだ。一方で、安倍政治の功罪を検証することは別だ。人の死を悼むことと、その人がやってきた政治の評価はしっかり分けて考えなければいけない。

進んだ政治の私物化

 アベノミクスで格差が広がり、貧困層が増えていることは数字でも証明されている。また森友学園、加計学園の問題に象徴される縁故政治、政治の私物化もはびこった。

 安倍氏は「こんな人たちに負けるわけにいかない」と言った。寛容さがないために、分断と対立を生んだ。トランプ前米大統領と同じ政治手法だ。リーダーのありようによって、時の権力のありようによって、社会は大きく変わる。ネット社会が進んだことも影響していると感じる。いろいろな意見ではなく、自分に都合のいい意見だけを取り入れて凝り固まることができる。そのような時代は決して良い時代ではない。

 安倍氏とは国会で何度もやりとりし、ヤジを飛ばされたこともある。2017年2月の衆院予算委員会では、北方領土交渉を巡って質疑をした。前年の16年12月の山口県での日露首脳会談の直前にロシアが択捉、国後両島に地対艦ミサイルを配備したことについて、「首相は人がいい」「甘い」と質問したところ、安倍氏が「私は確かに辻元さんよりも人はいいかもしれませんが、交渉力はしっかりある」と答弁したこともあった。

国葬には反対

 安倍氏の国葬には反対だ…

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辻元清美

参院議員

1960年生まれ。学生時代に国際交流NGO「ピースボート」を設立。96年衆院初当選。副国土交通相、首相補佐官、立憲民主党国対委員長などを歴任。2021年衆院選で落選し、22年参院初当選。衆院当選7回、参院当選1回。参院比例代表。立憲民主党。