マラソンは政治に生きた

松野明美・参院議員
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松野明美氏=内藤絵美撮影
松野明美氏=内藤絵美撮影

 熊本市議を2期、熊本県議を2期務めた。次男に障がいがあることもあり、特別支援教育の充実や障害者雇用の問題に取り組んできたが、いつも「それは国が決めることだから」と言われる壁にぶつかってきた。

人に流されない

 政治家になるならば国政を目指したいという気持ちは誰にもある。しかし私は元マラソンランナーだ。スポーツのなかで生きてきたので、何も分からずにいきなり国会に行ってもやりたいことはできないと思った。一つずつ、と思い、市議、県議とステップアップしてきた。それが私の生き方だ。

 そのうえでマラソンをやってきたことは政治の上で生きた。それは「人に流されない」ということだ。

 熊本は自民党が圧倒的に強い。市議になった時も県議になった時も、「自民党に入らないと何もできない」と言われた。しかし、果たしてそれで本当にいいのか、と考えた。

 議員を長くやっているとどうしてもまわりに流されるようになる。10年ぐらいすると、議員同士で「仲間」になってしまう。すると、自分だけ違う意見を言うのは難しくなる。反対意見を言えば、仲間から、なんだよ、と言われるのがわかって、自分が可愛くなって、だんだん反対意見を言わなくなる。

 しかし、それでは自分がやるべきことができなくなる。自分のやるべきことに突き進むためには、と思い、市議、県議は無所属で、一人で活動してきた。私は仲間に入ろうとしないから敵は多かった。人に嫌われてもいいと思えるかは簡単なようで難しいが、やはり嫌われてもいいから、自分の意見は言っていきたい。

 選挙で選ばれて議会に来た以上、自分がやりたいことを発言していくのが一番大事だ。そうしなければ何年議員をやっても変わらない。ただ国会議員になって歳費をもらって良かったね、というわけにはいかない。

マラソンも政治も最後は自分の判断

 マラソンも最終的には自分の判断だ。スタートに立つまでは、監督もコーチもマネジャーも背中を押してくれる。しかしスタートのピストルが鳴った後は自分一人だ。誰も手伝ってはくれない。自分がどれだけ自分のやるべきことを実現しようと思っているか、その強さが一番大切なことだ。「参院議員」はそれについてくることなのではないか。

 マラソンのレースをしている時でも、選挙でも、議会で質問をしている時も、自分がなぜこの道を選んだかを自分でしっかりと持っていなければ、作ってもらった文章をただ読むだけになってしまう。

 議会で発言するために選挙に勝ってその場にいる。ただ走るだけではいけない。ゴールをするまでにエネルギーをどれだけ使い切れるかどうか。それは政治も選挙も同じだ。

自民党を脅かす政党が…

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松野明美

参院議員

 1968年生まれ。88年ソウル・オリンピックの女子1万メートルに出場。現役引退後、熊本市議、熊本県議をへて、2022年参院初当選。参院比例代表。日本維新の会。