組織に頼らず「マンガの自由」を守る 比例候補最多得票の重み

赤松健・参院議員
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赤松健氏=須藤孝撮影
赤松健氏=須藤孝撮影

 参院比例代表といえば普通は全国規模の団体・組織票の選挙だが、私は特定の団体の支援を受けずに戦った。派閥の支援もない。52万8029票という今回の比例代表候補のなかで最多得票だったが、投開票日の7月10日まではどれぐらいの票がとれるのかまったく分からず、ずっと不安だった。

 52万8029票の重みを感じ、ツイートなど、発言に気をつけようと思った。

 選挙戦では多くの政策を訴えたが、一番はやはり表現の自由だった。マンガ好きの人が自分の好きなものを描きたい、読みたいと団結した。ツイッターにも、若者から今回初めて投票する、赤松先生の名前を書くので初めて選挙に行ったという声が来た。そういう人たちを掘り起こすことができた。

表現規制と海賊版

 著作権の問題を巡って長く活動してきたが、政治家になることを目指したのは、表現規制の問題と海賊版の問題からだ。

 2013年に国会提出された児童ポルノ禁止法改正案に、マンガを含めた創作物規制が盛り込まれた。現実の児童を守るためには必要な法律だが、創作物は関係がない。表現規制に反対する立場から活動していたが、連載をしながら活動することが次第に難しくなってきた。絵が荒れ、アンケートの結果が落ちる、ということが起きてはならないので、専業で取り組むしかないと考えるようになった。

 海賊版は漫画村が閉鎖されたが、その後も「漫画村セット」のようなデータファイルが共有されていて、次から次へ新しい海賊版サイトが簡単にできる状況がある。ただ最近はようやく海賊版サイトへのアクセス数が減少し、イタチごっこが終わる可能性も出てきた。そのためには、海外で新しく出てくる海賊版サイトを早め、早めに潰さなければならない。また正規版をより使いやすくしていく必要もある。

 参院選の街頭演説でもよく訴えたが、海賊版の問題は新人に打撃になることだ。新人の場合、作品の出版が紙ではなく電子版だけのことがある。海賊版の被害を100%受ける。すると辞めてしまうから新人が育たない。新人が育たないというのは業界全体の未来が先細ることになる。

政治家になって何をするか

 私にはマンガを描くという他の国会議員には絶対にできない特別な能力がある。

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赤松健

参院議員

 1968年生まれ。93年にマンガ家としてデビュー。代表作に「ラブひな」「魔法先生ネギま!」などがある。日本漫画家協会常務理事。2022年参院選で初当選。参院比例代表。自民党。