11月9日の参院倫理選挙特別委員会で、月刊誌への寄稿でLGBTなどの性的少数者について「生産性がない」と記した杉田水脈総務政務官に質問した。
杉田氏は謝罪も撤回もしなかった。「開き直っている」と感じた。
耳を疑った
質疑では杉田氏に対して、「生産性のないものは、行政の支援に値しないと断ずる発言に、私は重度障がいを持つ当事者として、恐怖を覚えました。今、あなたと対面することにすら恐怖を感じます」と問いかけた。
杉田氏の寄稿は直接、障がい者に触れてはいないが、問題は根底にある考え方だ。生産性で人間の価値を図っていることが問題だ。「生産性がない」とはっきりと書きながら、差別する意図はないと言う。
とぼけた、というと言葉が過ぎるかもしれないが、耳を疑うような答弁だった。(※)
必ず謝罪と撤回をすべきだ。でなければ、公人である杉田氏が謝罪も撤回もしなくてもいいものとして世の中に残り続け、正当化されてしまう。そのことを一般の人がどう感じるか。
障がい者が殺傷された「やまゆり園事件」は氷山の一角だ。謝罪・撤回されない事実が、優生思想を勢いづけてしまうと危惧する。
質問でやまゆり園事件の植松聖死刑囚に言及したことに、杉田氏が反応したのが印象的だった。杉田氏の「生産性がない」という発言は、植松死刑囚が発した生産性についての発言と同根ではないか。だから私は杉田氏に対面することにすら恐怖を感じる。
岸田文雄首相は謝罪・撤回をしない杉田氏を更迭せず、杉田氏に謝罪・撤回を求めることもしていない。杉田氏が書いたことを野放しにしている。責任は重い。首相はあの答弁を認めるのか。…
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