
岸田文雄首相によれば、防衛予算を倍増させ、攻撃される前に敵基地を攻撃できるようにするのだそうだ。
日本国憲法で定められた戦争放棄の原則を捨てることは、他国に日本を攻撃する大義名分を与え、危機を増幅する。
老朽化した原発が国土にちりばめられており、資源も食料も海外への依存度の高いこの国は、他国が致命的な打撃を与えることが容易であり、どれほど防衛予算をつぎ込んでもリスクは排除できない。
それだけでなく、急激に少子高齢化が進み、賃金の低迷と物価高、社会保障費の増大によって、人々の日々の暮らしそのものが成り立たなくなりつつある中で、さらなる増税によって軍備を購入することの不合理さについては、すでに数多くの指摘がある。
経済も科学技術も後れを取りつつあり、滅ぼしても何らうまみのない国に成り下がっていることが危機の軽減につながっているかもしれないと、皮肉な気持ちにもなる。
少なくなる担い手
そもそも、人が生まれて育ち、社会にとって必要な諸機能を支える役割に参入するサイクルが維持できない限り、軍事的な攻撃など一切なくとも国家は衰退してゆく。
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