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街角から
浅川巧の墓を守る韓国人 ソウル支局・堀山明子
2021/4/14 02:01 608文字「韓国の山と民芸を愛し、韓国人の心の中に生きた日本人、ここ韓国の土となる」。朝鮮総督府の下で林業試験場に勤めながら、朝鮮陶磁器や膳の研究をした浅川巧(1891~1931年)の墓の横にある記念碑には、墓を守る韓国の人たちの思いが刻まれている。死去から90年を迎えた4月2日、ソウル郊外の共同墓地で追悼
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韓流パラダイム
50代以上の女性たちへ。韓国の「#MeToo」が求めるもの
2021/3/27 07:00政治プレミア 5198文字「手遅れになる前に、言いたいことを言わせてほしい」。ソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)前市長をセクハラ疑惑で刑事告発した20代の元秘書の女性が3月17日、カメラ撮影をしない条件で、初めて記者会見に臨んだ。 昨年7月の告発翌日に朴前市長は自ら命を絶ち、その空白を埋めるソウル市長選は4月7日投開票さ
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ソウル市長選、与党に逆風 女性候補伸び悩み 野党一本化が焦点
2021/3/22 20:09 1436文字来年3月の韓国大統領選の前哨戦となるソウル市長選(4月7日投開票)で、与党「共に民主党」に逆風が吹いている。同党の前市長がセクハラ疑惑で自殺したことに伴う補欠選挙に当たり、汚名返上へ女性候補が出馬したものの、セクハラ被害者が、反省が足りないとして党への不信を表明。文在寅(ムンジェイン)政権の支持率
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記者の目
慰安婦問題30年の日本外交 名誉回復の原点に返って=堀山明子(ソウル支局)
2021/3/17 02:00注目の連載 1902文字慰安婦問題は、日韓両政府が戦後補償を巡る法的解釈の違いを超えて、人権救済のために外交努力を続けた分野だ。元慰安婦が1991年に韓国内で初めて被害を告白してから今年で30年。これまで日本は「償い金」支給など元慰安婦支援策を2度行った。しかし、日韓関係がこじれた末、韓国の地裁は今年1月、日本政府に元慰
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韓流パラダイム
レームダック迎えた文政権 最後まで残る鉄板支持層は?
2021/2/27 07:00政治プレミア 3594文字韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率が、昨年12月以降、40%を割る状況が続いている。残る任期は1年余。政権終盤に求心力が低下する「レームダック(死に体化)」は、任期が5年1期に限定された韓国大統領の宿命とされる。だが実は、支持率30%台への突入時期は歴代大統領の中で文氏が最も遅く、青瓦台
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2度目の混乱避け沈黙 「橋本案」で世論見極め 五輪組織委新会長
2021/2/18 19:40深掘り 2986文字東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の新会長に橋本聖子氏(56)が就任した。女性蔑視発言で辞任した森喜朗前会長(83)の後任選考は混迷を深めたが、橋本氏が五輪担当相から転身することで決着した。新型コロナウイルスの感染拡大で大会までには難局が予想される。16日間に及ぶ混乱は「オールジャパン体制
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韓流パラダイム
日本が勝訴しても、慰安婦問題が解決しない訳
2021/1/30 07:00政治プレミア 6841文字「正直困惑している」と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に言わしめた判決が1月8日、ソウル中央地裁で下され、その後、確定した。元慰安婦ら12人が日本政府に損害賠償を求めた訴訟で、原告の請求通り1人あたり1億ウォン(約940万円)の支払いを命じた判決だ。 日本政府は基金や財団を通じて元慰安婦に一時
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検証
元慰安婦訴訟、賠償命令 「解決済み」前提ほご
2021/1/9 02:02 2294文字ソウル中央地裁は8日の判決で、主権国家は外国の訴訟で裁かれないとする国際法上の「主権免除」の原則を適用せず、日本政府に元慰安婦らへの賠償を命じた。戦後補償問題は1965年の日韓請求権協定で「解決済み」としてきた日韓関係の前提を根底から覆す判決。65年の国交正常化以降、徴用工問題などで最悪の状態にあ
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「解決済み」の前提ほご 元慰安婦訴訟で賠償命令 日韓はどう受け止めたか
2021/1/8 19:21 2374文字ソウル中央地裁は8日の判決で、主権国家は外国の訴訟で裁かれないとする国際法上の「主権免除」の原則を適用せず、日本政府に元慰安婦らへの賠償を命じた。戦後補償問題は1965年の日韓請求権協定で「解決済み」としてきた日韓関係の前提を根底から覆す判決。65年の国交正常化以降、徴用工問題などで最悪の状態にあ
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「最終的かつ不可逆的な解決」から5年 慰安婦問題、日韓合意は「白紙化」 1月に二つの焦点
2020/12/27 18:53 2643文字慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった日韓合意から12月28日で5年を迎える。文在寅(ムン・ジェイン)政権は、被害者の声を十分聞いていないとして2018年に事実上、合意を白紙化して今に至る。最近は合意について、日韓で別々の解釈を国際社会へアピールしている。【青木純、ソウル堀山明子】 独
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韓流パラダイム
尹検事総長を大統領候補に育てた「三つのブーメラン」
2020/12/26 07:00政治プレミア 5160文字韓国で検察トップの尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長が、2022年3月の次期大統領選候補として急上昇し、与党候補とトップ争いをする異常事態が起きている。出馬表明もしていないのに、待望論が広がっているのだ。 尹氏は12月中旬、政治的中立を損ねたなどとして停職2カ月の懲戒処分を受けたが、これを不服として
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韓国政府の不正追及する検事総長を法相がブレーキ 前代未聞の法廷闘争の背景
2020/11/30 20:15図解あり 1313文字韓国政府・与党の不正に切り込む捜査を続ける尹錫悦(ユンソクヨル)検事総長と、「政治的中立」を理由に捜査にブレーキをかける秋美愛(チュミエ)法相との対立が激化している。秋氏が尹氏に職務停止命令を下したのに対し、尹氏は命令の執行停止を行政裁判所に申請した。現職の法相と検事総長が法廷闘争を展開する前代未
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韓流パラダイム
東京五輪を機にビッグディール? 勝負に出た文政権の狙いは
2020/11/28 07:00政治プレミア 6992文字11月中旬以降、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権とその周辺から、日韓関係の改善を目指す動きが相次いでいる。情報機関トップが新たな日韓共同宣言による諸懸案の一括妥結方式を打診したのを皮切りに、韓日議員連盟会長は来年の東京オリンピック・パラリンピック(東京五輪)の成功に向けた日韓協力を土台に解決案を
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韓流パラダイム
BTSアーミーの視点で見た 株式上場巡る激動の1週間
2020/10/24 07:00政治プレミア 5528文字ジェットコースターのように市場の期待と失望が急速にアップダウンした。韓国男性7人の音楽グループ「BTS(防弾少年団)」の所属事務所「ビッグヒットエンターテインメント」が10月15日、韓国取引所に株式を上場した。初日は一時、ストップ高まで相場が過熱したが、その後は値下がりを続け、1週間後にはピーク時
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BTS所属事務所、一躍最大手に 韓国で上場、時価総額8000億円
2020/10/16 06:00 877文字韓国の人気グループ「BTS(防弾少年団)」の所属事務所「ビッグヒットエンターテインメント」が15日、日本の東証1部にあたる韓国取引所に上場し、公募価格の2倍に近い25万8000ウォン(約2万4000円)で取引を終えた。時価総額は8兆7323億ウォン(約8000億円)で、韓国総合株価指数(KOSPI
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韓流パラダイム
韓国の保守政党が消える? 第1野党が挑む「捨て身戦略」
2020/9/26 07:00政治プレミア 5548文字4月の総選挙で惨敗した韓国の保守系第1野党の「未来統合党」が9月2日、「国民とともに歩む政党に脱皮するため」として、党名を「国民の力」(英語名:People Power Party)に変更した。党の新綱領に大企業への優遇措置を見直す「経済民主化」が明記され、党改革を主導する金鍾仁(キム・ジョンイン
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日韓関係「非常に厳しい状況」 菅首相、強い言葉で厳しい姿勢堅持 初の電話協議
2020/9/24 21:40 714文字菅義偉首相は24日に行った韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領との電話協議で、日韓関係は「非常に厳しい状況」とあえて強い言葉を使って、韓国側に関係改善に向けた対応を求めた。官房長官時代から、元徴用工問題や慰安婦問題を巡って韓国側を強く批判しており、新政権でも引き続き厳しい姿勢で臨む構えだ。 「我が国
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韓国の慰安婦施設「ナヌムの家」はなぜ変質したのか 内部告発とビジネスの影
2020/8/30 17:40 1898文字韓国人元慰安婦が暮らす施設を運営する福祉法人「大韓仏教曹渓宗 ナヌムの家」(京畿道(キョンギド)広州(クァンジュ)市)が寄付金横領疑惑で揺れている。疑惑は5月に職員7人が内部告発。京畿道も調査に乗り出し、運営の根本的な見直しは避けられない状況だ。1992年に発足した元慰安婦のための施設の運営は、な
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韓流パラダイム
「ナヌムの家」はなぜ変質したか 元慰安婦施設の分岐点を探る
2020/8/22 07:00政治プレミア 8331文字韓国社会で元慰安婦のハルモニ(おばあさん)を支えてきた車の両輪が両方外れ、迷走する事態になっている。運動団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連、旧・挺対協<ていたいきょう>)の寄付金不正流用疑惑で5月から検察が捜査に入ったのに続き、今度はハルモニが暮らす施設「ナヌムの家」(京畿
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韓国・ソウル市長自殺 セクハラ認識、世代格差 20代女性「真相究明」8割 「民主化世代」調査消極的
2020/7/29 02:01 2134文字元秘書の女性にセクハラで刑事告訴された翌日(7月9日)に自殺した朴元淳(パクウォンスン)ソウル市長(当時64歳)を巡り、韓国内で世代間対立が鮮明になっている。市長とともに民主化運動に取り組んできた市や与党幹部が故人の名誉を守ろうと事態収拾を急ぐのに対し、若者は被害者の人権回復と真相究明を訴えている
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