-
「見た目が9割」で30キロ台に 回復のミス日本が伝えたいこと
2023/6/4 05:30 2250文字母娘で関係を見つめ直したり、母が治療に積極的に関わったり。拒食症克服に母娘で歩む取り組みが注目されている。模索する現場を追った。【飯田憲】 やせていたい。それが、自分のことを認められるたった一つの支えだから。そう思い詰め、気付けば体重は、171センチの長身に釣り合わない30キロ台に落ちていた。東京
-
養護教諭の6割、「摂食障害」の生徒・児童に対応 初の全国調査
2023/6/4 05:30 879文字全国の小中高校などに勤務する養護教諭の約6割が、拒食症や過食症など「摂食障害」の生徒・児童に対応した経験があることが、日本摂食障害協会のアンケート調査で判明した。養護教諭を対象にした全国規模の調査は初めて。調査に当たった研究者は「半数以上に経験があるというのは多い印象。摂食障害に悩む子の早期発見に
-
そして今
竹やぶから2億円 「大変な目に遭った」 拾った男性が負った傷
2023/5/5 12:00 2282文字元号が平成に変わり、バブルがピークを迎えようとしていた1989年4月。川崎市高津区の竹やぶから、約1億4500万円が入ったバッグが見つかった。5日後には、9000万円入りの紙袋も発見される。計2億円超が放置されたミステリーは「現代版竹取物語」と騒がれ、現場には「二度あることは三度ある」と見物人が押
-
「難民鎖国」日本、拭えぬ入管への不信感 改正案の焦点は
2023/4/28 19:32深掘り 2702文字強制送還の機能を強化した入管法改正案が28日、衆院法務委員会で可決された。出入国在留管理庁は外国人の長期収容問題を解決したい考えだが、入管行政への不信感から反発も少なくない。子どもへの配慮など、制度運用のあり方も一層問われそうだ。【山本将克、飯田憲】 ◇難民申請中も送還可能に 改正案を巡る与野党対
-
低賃金、未払い、暴言…技能実習生が見た「制度のひずみ」
2023/4/28 12:13 1093文字1993年にスタートし、30年にわたって日本経済を支えてきた技能実習の廃止方針。日本で働く実習生はどう受け止めたか。 「自由に仕事を選べて、給料も上がる仕組みをつくってほしい」。広島県三原市の建設会社で働くベトナム人のグエン・クァン・フィンさん(28)は8年前、実習生として来日し、制度のひずみを目
-
-
難民認定に第三者機関「設置検討」 入管法改正案に付則明記で調整
2023/4/25 17:27 819文字難民認定申請中でも強制送還を可能にする入管法改正案を巡り、与党側が、難民認定に関する第三者機関について「設置を検討する」との文言を盛り込む調整をしていることが判明した。改正案の付則に明記する方針。関係者によると、改正案の修正協議で与党側が示したという。立憲民主党の対案を一部取り込んだ形で、野党側の
-
そして今
コンスタンチンちゃん救出劇、関係者は今 日本中が注目した命のリレー
2023/3/17 16:00 2855文字東西冷戦が終結した翌年の1990年、1人の幼児が懸け橋になり、日本とソ連の間にも小さな友好の灯がともった。サハリン州で大やけどを負った3歳のコンスタンチン・スコロプイシュヌイちゃん。北海道に緊急搬送され、退院するまでの3カ月間、日本中が回復ぶりに一喜一憂した。あれから30年あまり。ロシアのウクライ
-
「母国で孤独な晩年を送らぬよう…」 中国語対応介護施設の願い
2023/1/20 08:00 1844文字海を渡り、日本に帰国してはや数十年。高齢化した中国残留邦人や家族が今、気がかりなのが介護だ。言葉や文化の壁を越えられず、日本の施設になじめないケースが出ている。近年、中国語で対応できる施設が各地に広がるが、「母国で孤独な晩年を送ることのないように」と、子や孫に当たる2世や3世もその担い手になってい
-
任意売却という選択 「住宅ローン払えない」コロナ禍で増加、利点は
2023/1/14 08:30 1677文字新型コロナウイルス禍が長引く中、失業や収入減でローンの返済に行き詰まり、マイホームを手放さなくてはならない――。そんな時、裁判所を通して強制的に売却される「競売」ではなく、「任意売却」を利用したいという相談が増えている。どんな制度なのか。 2021年1月、飲食店の雇われ店長だった50代の男性のもと
-
「長期的な財政安定のためのIR」 林前横浜市長が目指したもの
2023/1/5 07:01 2420文字「待機児童ゼロ」を公約に掲げ、経営者から政令市最多約370万人が暮らす横浜市のトップに転身した林文子氏(76)。3期12年にわたり市長職を全うする中、どのような都市ビジョンを目指したのか。林氏が毎日新聞のインタビューに応じ、政策決定の重責をはじめ、自らの進退をかけたカジノを含む統合型リゾート(IR
-
-
林前横浜市長、IR巡り初めて明かした菅前首相への「直訴」
2023/1/5 07:00 3020文字世間に広く知られた出来事、制度、慣習。その「裏面」には、私たちからは見えにくい事実や疑問、物語が潜んでいる。記者が足を運び、関係者の証言や記録に迫った。 この連載は全6回です。 このほかのラインアップは次の通りです。第1回 ドーハの悲劇、お守りに託した思い ゴール下に埋めた祈り第2回 中傷に手染め
-
そして今
耐震データ偽造 「黒幕」とされた元社長 転機になった孫の一言
2022/11/29 05:30 2148文字2005年に発覚した元1級建築士による耐震データ偽造問題。首都圏の完成済みマンション45件が対象となり、住民は退去や補強を余儀なくされた。発覚直後、国会で「何言ってんだ! ふざけんじゃないよ!」と叫び、「事件の黒幕か」と非難の的になった人がいる。不動産デベロッパー「ヒューザー」の社長だった小嶋(お
-
そして今
耐震データ偽造17年 マンションと平穏失った元住民が得たもの
2022/11/29 05:30 2802文字人生最大の買い物として購入したマイホームが、ある日突然「耐震強度不足の欠陥マンション」という烙印(らくいん)を押され、取り壊されることになったら――。2005年に発覚した元1級建築士による耐震データ偽造問題。首都圏の完成済みマンション45件が対象になり、住民は退去や補強を余儀なくされた。元1級建築
-
摂食障害の電話相談者、6割は受診済み 治療の困難さ浮き彫りに
2022/11/11 11:00 1376文字1月に開設された「摂食障害全国支援センター・相談ほっとライン」で9月末までに寄せられた593件の相談のうち、医療機関を受診した経験がある人の相談が約6割を占めたことがセンターのまとめで判明した。新型コロナウイルス禍以降に若年層の摂食障害が増えている中、医療機関とつながりながらも治療が進まない人たち
-
記者の目
中国残留邦人3世 二つのルーツで葛藤=飯田憲(東京社会部)
2022/10/19 02:00注目の連載 1937文字◇飯田憲(あきら)(東京社会部) 戦前・戦中に旧満州(現中国東北部)へ渡り、終戦の混乱で現地に取り残された中国残留邦人。私はこれまで当事者を取材するたび、「戦争被害の延長」という見方だけにとらわれすぎていた気がする。この半年間、孫に当たる3世たちの取材を重ねる中で、その文脈だけでは語りきれないと強
-
-
私と我のはざまで
「両国の橋渡しできたら」 中国残留邦人3世が小説に込めた思い
2022/10/4 04:45 1717文字日本と中国を往復し、二つの母国のことを理解するたびに、国同士が緊張を高めている現状が歯がゆかった。中国残留邦人3世の佐藤昇(のぼる)さん(33)=東京都=は、自分の経験をベースにした小説を中国語と日本語の両方で出版。両国の人たちの距離を縮められたらと考えている。 祖母の美和子さん(78)は、中国残
-
私と我のはざまで
一度変えた姓、私は「王」がいい 母、ルーツ…残留邦人3世の答え
2022/10/2 19:00 1563文字幼い頃に使わなくなった「王(ワン)」という名字を、自らの意思で再び名乗り始めた。「日本育ちの中国ルーツ。こんな日本人がいてもええやん」。中国残留邦人3世の女性の決断は、母との長年のわだかまりをとくきっかけにもなった。 王幸美さん(31)=東京都=は、中国・内モンゴル自治区で生まれた。3歳だった19
-
私と我のはざまで
日本人であり中国人 残留邦人の孫、ルーツ知り語り部に
2022/9/29 22:04 2016文字戦前や戦中に旧満州(現中国東北部)へ渡り、戦後の混乱で取り残された中国残留邦人。調査や帰国のきっかけが1972年の日中国交正常化だった。それから50年。日本で生まれ、ルーツに誇りを持てなかった3世は、祖母から体験を聞いたことを機に、「自分は何者なのか」という問いに答えを出した。 「富士山の標高は何
-
中国残留邦人 1世、2世、3世…と多様化 見えにくい境遇格差
2022/9/23 21:15 2117文字自らのルーツを周囲にどう伝えればいいか。中国残留邦人の孫世代にあたる3世の葛藤が、毎日新聞による114人へのアンケート調査で浮かび上がった。残留邦人の歴史を継承する努力や取り組みにも課題がある。【飯田憲】 毎日新聞によるアンケート調査はこちら 「中国残留邦人の孫 「ルーツ話せなかった」半数超 毎日
-
中国残留邦人の孫 「ルーツ話せなかった」半数超 毎日新聞調査
2022/9/23 21:00 1422文字日本に永住帰国した中国残留邦人の孫にあたる3世を対象に毎日新聞がアンケートを実施したところ、半数以上が「中国にルーツがあることを、話せなかったり隠したりした経験がある」と回答した。1世から直接、当時の体験を聞いたことがない割合は4割を超える一方、このうち「知りたい」と答えた人は8割に上った。3世が
-