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グローバルサウス取り込みに躍起の日本 懸け橋インドへの期待と思惑
2023/3/21 06:30深掘り 2257文字岸田文雄首相は20日の日印首脳会談で、インドとの連携を重視する姿勢を鮮明にした。インドは、南半球を中心とする新興国・途上国「グローバルサウス」の盟主を目指す立場。岸田首相はロシアのウクライナ侵攻への対応を巡り、グローバルサウスの取り込みに躍起だ。G7サミット成功へ連携呼びかけ 「日本がG7(主要7
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秘密の女子教室がタリバンに露見、拘束 教師が語る日本への期待
2023/3/12 05:00 1786文字アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権が女子教育を制限する中、ひそかに少女たち向けの教室を開いたとして当局に一時拘束された20代の女性が毎日新聞の取材に応じた。女性は「(タリバンの)指示に逆らわないことを約束し、教室を閉鎖した」と語った。民家などで勉強を教える女性たちの存在は、公の学校に
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タリバンで深まる内部対立 強硬派が異例の苦言、不安定化の懸念
2023/3/4 22:01 2036文字アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権の強硬派、シラジュディン・ハッカーニ内相が最高指導者アクンザダ師を暗に批判した演説が波紋を呼んでいる。タリバンの閣僚が公の場で身内に苦言を呈するのは異例で、アクンザダ師の独断的な姿勢に不満を抱いているとみられている。タリバン内で同調する声もあり、政治
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声をつないで
「彼女たちに教育を」 抑圧続くアフガンから出た女性が抱く夢
2023/2/28 16:00 2556文字イスラム主義組織タリバンが支配するアフガニスタンで、女性の権利を抑圧する政策が国際社会の批判を浴びている。一方、「女性たちの人生はいつの時代も困難に満ちていた」と語るのは、旧民主政権時代の2016年にアフガンからインドに渡ったアフガン人女性のパキザ・シャハブザイさん(37)だ。シャハブザイさんの半
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インドで加速する兵器の国産化 ロシア依存から脱却、輸出国へ
2023/2/18 05:30 1720文字長年、ロシアからの武器輸入に依存してきたインドが防衛装備品の国産化を加速させている。13~17日に南部ベンガルールで開催された航空ショーでは、モディ首相が2024年度までに防衛装備品の輸出額を21年度の15億ドル(約1986億円)から3倍以上の50億ドルに増やす目標を掲げた。ロシアによるウクライナ
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記者の目
アフガン、強まる抑圧 「女性教育必要」市民に浸透=川上珠実(ニューデリー支局)
2023/2/9 02:00注目の連載 1873文字アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権が昨年12月、全国の大学に女性への教育を停止するよう命じた。既に中等教育も停止され、このままでは女性は小学校までしか学校教育を受けられなくなる。前回のタリバン政権時代(1996~2001年)でも女性への教育は制限されたが、その後の約20年間にわたり国
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タリバンの女子教育制限に広がる抗議 「アフガン市民変わった」
2023/1/12 18:17 1782文字アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンが、女性の大学教育停止や非政府組織(NGO)で働く女性職員の出勤停止をはじめとするイスラム法の極端な解釈に基づく強硬政策を相次いで発表している。国際社会から孤立した前回政権(1996~2001年)をほうふつとさせ、国内外で懸念が高まる。 ◇タリバンと民衆の間
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干ばつで危機のアフガン かつて米軍など攻撃の地、不発弾も追い打ち
2022/12/2 06:31 1545文字アフガニスタンが長年の干ばつ被害で危機的な状況に陥っている。国連機関は今冬に人口の半数近くが激しい食料不安に直面すると警告。長年にわたる内戦の後遺症にも苦しめられる農村は未来を描けないままだ。 ◇人口の7割が農村も干ばつ厳しく 「もうたくさんだ。水不足で生活は苦しくなるばかりだ」。首都カブールから
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中村哲さん石碑に異例の写真掲示「タリバン、なぜ」 現地の人の思い
2022/12/2 06:30 2019文字澄んだ青空の下、乗用車やオート三輪車がせわしなく行き交う音が響く。アフガニスタン東部ナンガルハル州ジャララバードの一角に今年10月、ある日本人をたたえる石碑が完成した。碑の真ん中にあしらわれたのは現地で農業・医療支援に尽力し、2019年12月に凶弾に倒れた医師の中村哲さん(当時73歳)の写真だ。偶
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銃撃され、失明も 死を覚悟し、顔覆わずに歩く女性たちの闘い
2022/11/5 16:00 5364文字点字器をしっかりと両手で支え、1文字ずつ英語の点字でアルファベットを打ち込んでいく。「もうできたの?」。講師が声を掛けると笑みがこぼれた。インドの首都ニューデリーの盲学校の一室。「私にはできることがたくさんある。ここに来るとそう思うんです」。カテーラ・ハシュミさん(33)は取材中に初めて屈託のない
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気候革命
気候変動による「損失と被害」 パキスタンの大洪水から考える
2022/10/30 05:00 2883文字異常気象や海面上昇など気候変動による「損失と被害」を補償するための仕組み作りをめぐって、先進国と途上国の対立が続いている。問題の根本には何があるのか。この夏、人口の15%にあたる3300万人が被災したパキスタンの大洪水から考える。 ◇相次ぐ被害、生活再建難しく 「洪水があった時のことは忘れたくても
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着用反対だけじゃない ムスリム女性にとってへジャブとは?
2022/10/16 09:00 1800文字イランで髪を覆う「ヘジャブ(スカーフ)」を適切に着用していなかったとして拘束されたマフサ・アミニさん(当時22歳)が死亡した事件を受け、抗議の声が他の国々にも広がっている。ムスリムの女性たちにとって、ヘジャブとはどのようなものか。イスラム主義組織タリバン暫定政権が着用を義務付けているアフガニスタン
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アフガンに眠る100兆円の地下資源 ライバル不在の中国の目算
2022/9/26 05:00 1914文字イスラム主義組織タリバンが暫定政権を握ったアフガニスタンで、国土に眠る膨大な地下資源開発の行方が注目を集めている。電気自動車のバッテリー製造に欠かせない希少金属リチウムなどその総額は100兆円を超えるともされる。 人権問題を理由に米欧の経済制裁が続く中、タリバン側と一定の関係を維持する中国が世界有
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パキスタン、洪水で1290人死亡 「国土の3分の1」が浸水
2022/9/4 17:32動画あり 971文字パキスタンで洪水被害が深刻化している。災害当局は3日までに全国で1290人が亡くなったと発表。ロイター通信によると、シャリフ政権は少なくとも3300万人が被災し、被害総額が100億ドル(約1兆4000億円)に上ると試算している。経済危機に苦しむ同国と国民にとって大きな痛手だ。 パキスタンでは6月中
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アフガンで続く秘密の教室 タリバン復権1年 少女が描く未来
2022/8/11 19:20深掘り 3779文字タリバン暫定政権が実権を掌握してから15日で1年となるアフガン市民の生活を報告する。 その教室はアフガニスタン東部の都市郊外にある小さな集落の一角にあった。「私たちの名前は伏せて、写真は顔が写らないように後ろから撮ってください」 教師を務めるシドラさん(仮名、28歳)に案内され、小さな庭を備えた民
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苦境のチキンライスと視界良好カオマンガイ 食糧囲い込みの行方
2022/6/26 17:00 1958文字「チキンライスのないシンガポールは、ピザのないイタリア、フィッシュ・アンド・チップスのないイギリスも同然だ」――。シンガポール人たちがネット交流サービス(SNS)で嘆きの声を上げている。国民が愛してやまないソウルフードは、遠く離れたウクライナで続く戦火の影響で手が届きにくくなりつつある。一方で、同
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G7と中国・ロシアが綱引き 「眠れる巨象」インドの進路は
2022/6/25 17:30 1818文字26日からドイツ南部エルマウで開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)では、ウクライナへの侵攻を続けるロシアや、台頭する中国に、G7がどう対抗するかが議論の焦点となる。米欧対中露の構図が強まる中、そのはざまで双方から秋波を送られているのがインドだ。G7サミットには招待国として参加する。「眠れる巨
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世界に忍び寄るスタグフレーションの足音 世界銀行局長に聞く
2022/6/23 05:00 1808文字ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、物価上昇と景気後退が同時に進行する「スタグフレーション」が世界各地で起きる懸念が出ている。1970年代の石油危機時には米国などの先進国でスタグフレーションが広がり、中米やアフリカでも金融危機を引き起こした。世界銀行で最新の経済見通しを取りまとめたアイハン・コーゼ
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世界の屋根で中国とにらみ合うインド 高まる不信、米国重視に
2022/6/15 16:30 2059文字ヒマラヤ山脈近くの中印国境地帯で、インドと中国両軍がにらみ合いを続けている。2020年6月にはインド北部のラダック地方で両軍が衝突し、45年ぶりに死者が発生。ともに決定的な対立は避けたいのが本音だが、周辺では中国側が進める橋の建設をめぐってさや当てが起きるなど、衝突から15日で2年になる今も両軍の
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ウクライナ紛争からの食糧危機 広がる負の連鎖 インドへ波及
2022/5/26 11:30 2273文字ロシアがウクライナ南部の主要港を制圧したことにより、穀物の生産大国ウクライナからの輸出が滞っている。連鎖反応を受け、小麦の生産量世界2位のインドが輸出の一時禁止に踏み切るなど、世界的な食料不足への懸念も高まるが、打開策はまだ見えない。 ウクライナは小麦、トウモロコシなどの輸出大国で、通常ならば発展
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