-
首相のウクライナ訪問、異例ずくめ ダミーの日程、不自然な「余白」
2023/3/22 21:20 1442文字岸田文雄首相のウクライナへの電撃訪問は、最小限の人数のみの移動となった。安全確保が理由とはいえ、「ダミー」の日程まで用意して情報を管理する異例ずくめの極秘行動となった。 首相官邸は22日朝、インドから帰国予定としていた首相の同日朝から夕方にかけての、日本での日程をすべて取り消した。この時点で首相は
-
徹底した極秘準備 首相、広島サミット成功へ執念のキーウ訪問
2023/3/21 21:36深掘り 2960文字岸田文雄首相は21日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)への「電撃訪問」に踏み切った。今回の訪問に向け、首相は安全確保を理由に情報管理を徹底し、政府内でもごく少人数で準備を進めてきた。ロシアの侵攻を受けているウクライナに寄り添う姿勢をアピールし、ウクライナ情勢を主要な議題として5月に首相の地元・広島
-
日韓首脳会談で進み出した「雪解け」 経済関係改善に残る課題も
2023/3/17 10:00深掘り 1666文字16日に首相官邸で行われた岸田文雄首相と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の日韓首脳会談を機に、冷え込んだ経済関係の雪解けが進み出した。 「韓国側の取り組みや実効性の改善が認められた。輸出管理の運用見直しを行う」。首脳会談直前の16日午後、経済産業省は2019年7月から実施してきた半導体関連3
-
関係改善へ新たな一歩 背後に北朝鮮の脅威 日韓の足並みそろうか
2023/3/17 05:30深掘り 1766文字岸田文雄首相と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は16日の会談で、日韓関係の改善に向け、新たな一歩を踏み出した。厳しい安全保障環境が両首脳を引き寄せた形だが、両国間の懸案が解消したわけではない。今後も順調に足並みをそろえられるかが焦点だ。【竹内望、坂口裕彦、日下部元美、川口峻】 ◇対中国でも連
-
懸案山積みでも関係改善にかじ切る日本 「韓国と連携できないのは損」
2023/3/15 19:16深掘り 921文字韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領(62)が16日、日韓首脳会談のために来日する。 日本政府は安全保障分野などで韓国との連携の重要性が増していることを踏まえ、16日の日韓首脳会談を契機に関係改善を進めたい考えだ。 「韓国は重要な隣国だ。現下の戦略環境に鑑み、安全保障面を含め、日韓、日韓米の戦略
-
-
声をつないで
「ジェンダーの視点が災害被害を小さく」 池田恵子静岡大教授
2023/3/8 07:00 2468文字2011年の東日本大震災では避難所で女性が直面する課題や、復興を巡る男女の経済格差などが注目された。だが、地方自治体や地域の防災組織で危機管理や防災を担うのは今も多くが男性で、女性の視点からの対策が不十分な自治体も少なくない。ジェンダーと災害・防災に詳しい池田恵子・静岡大教授は「ジェンダーの観点が
-
政府の圧力巡り平行線 放送法「政治的公平」文書、正確性に焦点
2023/3/7 21:35深掘り 1707文字放送法の「政治的公平」の解釈を巡る第2次安倍政権と総務省のやりとりを記したとされる文書について、総務省は全て行政文書だと認めた。具体的かつ大量の文書が流出したことで認めざるを得なくなったのが実態で、黒塗りの処理も行わずに公開に応じた。だが政府は、放送事業者に対する圧力だと主張する野党側に対して「介
-
徴用工問題、「不可逆的」解決となるか 関係改善へ前進も、残る懸念
2023/3/6 21:32深掘り 3607文字日韓の最大の懸案となっている徴用工問題は、解決に向けて一歩前進した。両政府は歩調を合わせて「国交正常化以降で最悪」と言われてきた日韓関係を改善し、厳しさを増す安全保障環境への対応や、経済面での連携強化につなげたい考えだ。ただ、解決策が「不可逆的」となり得るのかは不透明で、日本側には懸念が残っている
-
林芳正外相が奏でた二つのイマジン
2023/3/6 05:30 1060文字2月23日の国連総会緊急特別会合であった林芳正外相の演説に、ツイッター上で安全保障などの専門家から「踏み込んだ」「出色」などと評価する声が上がった。専門家以外からも「分かりやすい」などと好意的に受け止める投稿が相次ぐ。演説の背景を探った。 林氏は演説で、ウクライナが提案したロシア軍の即時撤退などを
-
声をつないで
女性巡る「語り」の変容 女性の姿見えにくいウクライナの実態
2023/2/24 10:00 2259文字ロシアによるウクライナ侵攻直後、祖国防衛に参加する女性をはじめウクライナの女性の姿が、日本を含む海外メディアに注目された。ウクライナ侵攻から1年。戦争下の女性の情報を巡る現状について、戦争史に詳しい東京女子大の柳原伸洋准教授に聞いた。ウクライナ侵攻を巡る語りは「女の顔」をしているのだろうか。【日下
-
-
安倍氏「時計の針戻すの大変」北方領土返還、描けぬ道筋
2023/2/23 05:00深掘り 1455文字「北方領土の日」の2月7日、政府と各種団体が東京都内で恒例の北方領土返還要求全国大会を開いた。「北方領土が77年前、ソ連によって不法占拠されたまま今日に至っていることは、決して許されるものではありません」。採択されたアピールに「不法占拠」の表現が2018年2月以来5年ぶりに復活した。 18年のアピ
-
「全部持っていかれた」バイデン氏ウクライナ電撃訪問に焦る日本政府
2023/2/21 17:40 966文字バイデン米大統領が20日、ロシアからの侵攻が続くウクライナを電撃訪問し、主要7カ国(G7)で首脳が未訪問なのは日本のみとなった。日本は今年のG7議長国として5月に広島で首脳会議(サミット)を開き、ウクライナ侵攻を巡る議論をリードする立場。政府は表面上、平静を保っているが、焦りの声も漏れる。 「米国
-
首相、LGBT法案成立に及び腰 強硬派の動き見極められず
2023/2/8 20:25深掘り 2215文字岸田文雄首相は8日の衆院予算委員会で、LGBTQなど性的少数者や同性婚に対する元首相秘書官の差別発言について改めて陳謝し、「多様性を尊重」するとの政府方針に変わりはないと強調した。差別発言を機に当事者団体には同性婚などの法制化を求める署名が続々と集まり、野党も性的少数者の権利擁護に向けた法制化要求
-
首相、キーウ訪問の意思固く 立ちはだかる課題に身構える霞が関
2023/1/29 05:00 1684文字岸田文雄首相が模索しているウクライナの首都キーウ(キエフ)訪問案に、関係省庁が身構えている。ロシアの侵攻を受けているウクライナに政府要人を派遣していないのは主要7カ国(G7)では日本のみ。首相は5月に広島で開かれるG7首脳会議(サミット)までに訪問し、G7議長国としてウクライナと連帯する姿勢をアピ
-
試される抑止力 中露にらむ日米、結束アピール 日米首脳会談
2023/1/14 20:24深掘り 2519文字13日(日本時間14日未明)の日米首脳会談は、中国やロシアなどをにらみ、日米が結束をアピールする場となった。両国は価値観を共有する国々と連携を強める方針だが、国際社会の分断が深まる副作用も懸念される。 ◇対立激化招く可能性も 「バイデン米大統領との個人的な信頼関係も一層深められ、日米同盟も一層連携
-
-
怒号と罵声の徴用工討論会 問題解決急ぐ韓国政府 反発強く平行線
2023/1/13 05:00 2451文字韓国外務省などが12日に開いた元徴用工訴訟の解決策を巡る公開討論会は、出席者の怒号と罵声の中で開かれた。日韓関係の改善に前向きな尹錫悦(ユンソンニョル)政権は、外交摩擦を避けて韓国国内で解決する具体案を初めて公式の場で説明。議論の過程が見えるように、討論会を公開した。ただ、支援団体の反発が強く、最
-
ゼロコロナから転換直後…日本の水際強化で潰された中国のメンツ
2023/1/11 20:48深掘り 3104文字在日本の中国大使館は10日、中国を訪問するための日本でのビザ(査証)発給手続きを一時的に停止したと発表した。中国での新型コロナウイルス感染拡大を受けて日本が水際対策を強化したことに対抗措置を取った形だ。日本政府は同日、中国側に抗議し、措置の撤回を求めたが、発給手続きの再開時期は見通せていない。 ◇
-
設置から半世紀以上 国会に謎の「酸素ボックス」 居眠り防止
2022/12/29 08:00 1969文字国会に行くたびに気になってしかたがないものがあった。衆院の本会議場の横に設置されている電話ボックスのような木箱だ。レトロな字体で「酸素ボックス」と記されている。といっても、スポーツ選手などが使用している今時のカプセル型とは全く異なる。なぜ、こんなところにあるのか。 ◇「頭すっきり」?設置は1966
-
「絞り込みよりスピード優先」Jアラート、より広域の荒業に
2022/12/28 19:30 1223文字絞り込みよりスピード優先――。北朝鮮の弾道ミサイルが着弾したり上空を通過したりする可能性がある地域に警報を出す全国瞬時警報システム(Jアラート)の見直しを検討してきた政府は28日、こうした結論を発表した。少しでも早く警報を出せるよう対象地域を絞り込む時間を削り、より広域に警報を出すという荒業だ。北
-
モンゴルとの関係を重視する日本政府 背景にある地政学的な事情
2022/12/13 05:00 1711文字日本政府がモンゴルとの関係強化に力を入れている。今年5月の外相会談に続き、11月には岸田文雄首相がモンゴルのフレルスフ大統領と会談し、両首脳は両国関係を「戦略的なパートナー」から「特別な戦略的パートナー」に格上げすることで合意した。今年は両国の外交関係樹立50周年の節目だが、日本政府がモンゴルを重
-