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21万人の民間人犠牲か 開戦から20年、イラク戦争は何を生んだか
2023/3/19 19:51 2449文字米国主導の有志連合がイラクのサダム・フセイン政権を倒した2003年のイラク戦争開始から20日で丸20年となる。「大量破壊兵器を隠している」との米側の情報を根拠に始まった侵攻だったが、その後誤情報だったことが判明。米国の権威を揺るがし、中東における長引く混乱とイランや過激派組織「イスラム国」(IS)
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イランとサウジ関係正常化 物語る米中勢力図の変化
2023/3/12 06:30深掘り 2655文字イランとサウジアラビアは10日、中国の仲介で7年ぶりに外交関係を正常化させることで合意した。イスラム教シーア派大国のイランと、スンニ派の「盟主」を自任するサウジの電撃的な和解は、中東地域の緊張緩和につながるとみられる。一方で、これまで中東で影響力を行使してきた米国の退潮ぶりと、中国の台頭を強く印象
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シリア・アサド政権、対アラブの「震災外交」活発化 孤立解消進むか
2023/3/6 15:36 846文字2月6日発生のトルコ・シリア地震で6700人以上の死者が出たシリアでは、支援の手を差し伸べるアラブ同胞の国々に対し、アサド政権が「震災外交」を活発化させている。2011年のシリア内戦勃発で対立してきた近隣諸国との関係改善が加速するか注目される。 「訪問の目的はシリア市民に私たちの連帯を伝えることだ
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ロシアもう一つの戦争 150万人のシリア難民住む経済危機のレバノン
2023/2/28 06:00深掘り 3180文字政治・経済の両面で危機的状況が続く中東の小国レバノンはシリアとイスラエルに隣接し、人口比で世界最多となる150万人もの難民を抱える。その大半を占めるシリア難民は、ロシアの「もう一つの戦争」であるシリア内戦から逃れた人々だ。昨年2月からはロシアのウクライナ侵攻による穀物や燃料の価格高騰が加わり、苦境
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声をつないで
「絶対にばれてはいけない」性的少数者への差別深刻な中東 逮捕も
2023/2/23 06:00 1485文字イスラム教に基づく伝統的価値観が支配的な中東・北アフリカ諸国は、ジェンダーを巡る状況が主要先進国とは大きく異なる。特に同性愛者ら性的少数者(LGBTQなど)は差別や迫害の対象だ。地域大国エジプトで当事者の声を聞いた。 「アラブ世界とエジプトの状況は悲しい。この地域での同性愛嫌悪を克服するには、多く
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任務は「戦争の炎をあおれ」 元傭兵が語る軍事会社ワグネルの内実
2023/2/3 16:31深掘り 2622文字ウクライナ侵攻を続けるロシアが用いる非正規の戦闘集団、民間軍事会社「ワグネル」。同社の一員としてウクライナ東部とシリアに派遣された経験を持つロシア人男性、マラート・ガビドゥリン氏(56)は毎日新聞の取材に、自身の体験を赤裸々に証言した。 ◇ドクロが刻まれたメダル ワグネルの元傭兵(ようへい)として
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暗躍するロシア“民間”軍事会社「運営は国家予算で」 元傭兵が証言
2023/2/3 16:30 1163文字ロシアによるウクライナ侵攻では、戦果をアピールする露民間軍事会社「ワグネル」の存在が注目されている。同社の傭兵(ようへい)だったと明かすロシア人男性、マラート・ガビドゥリン氏(56)が1月下旬、長期滞在先のフランスで毎日新聞の取材に応じた。謎が多いワグネルについてガビドゥリン氏は、純然たる民間会社
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プーチン氏、米供与パトリオット「非常に古い。対抗手段見つかる」
2022/12/23 05:13 630文字ロシアのプーチン大統領は22日、米国がウクライナへの初供与を決めた地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」について「非常に古い。対抗手段は必ず見つかる」と記者団に述べ、動じない姿勢を強調した。ウクライナ侵攻については「終結へ向けて我々は努力する。早ければ早いほど良い」と語り、広大な占領地域を「ロシア
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「ワンピース」ファンの皇太子が進める改革 サウジアラビアの光と影
2022/11/25 06:00 2926文字米露や中国など多極化する国際社会の中でバランス外交を展開し、「石油依存脱却」を掲げて巨大開発を進めるサウジアラビア。変化する石油大国の現状を2回で報告する。 <前編(https://mainichi.jp/articles/20221123/k00/00m/030/074000c)は「砂漠に現れる
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砂漠に現れる異形の未来都市 サウジアラビア、石油依存脱却の開発
2022/11/24 06:00 3010文字米露や中国など多極化する国際社会の中でバランス外交を展開し、「石油依存脱却」を掲げて巨大開発を進めるサウジアラビア。変化する石油大国の現状を2回で報告する。 <後編(https://mainichi.jp/articles/20221123/k00/00m/030/076000c)は「『ワンピース
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途上国と先進国で埋まらぬ溝 気温上昇では進展なく COP27
2022/11/21 05:00深掘り 3040文字エジプトで開催された国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)は、地球温暖化の被害支援の基金設立に合意し、20日閉幕した。温暖化の悪影響が世界中で顕在化する中で「歴史的」な成果とも評価されるが、気温上昇を「1・5度」に抑えるための対策に関する議論では大きな進展はみられず、各国の政府関係
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COP27、延長視野に交渉続く 「損失と被害」資金支援で難航
2022/11/18 19:32 931文字エジプト・シャルムエルシェイクで開催中の国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)は18日、最終日を迎えた。地球温暖化対策強化の方向性を示す包括的な決定文書案や、気候変動に伴う「損失と被害」への資金支援のあり方を巡って協議は難航し、会期延長を視野に交渉が続いた。 18日に公表された決定
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ウクライナ国内の避難民660万人超、失業問題が深刻化
2022/8/4 04:59 493文字国際移住機関(IOM)は3日、ロシアの侵攻が続くウクライナ国内の避難民が660万人を超えているとする最新の調査結果を公表した。全人口の約15%に相当し、6月末の約630万人から増加した。一方で、国内外の避難先から故郷の自宅へ戻った人も550万人いるという。IOMは、避難先での深刻な失業問題が帰還を
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報復攻撃や活性化の口実に? ザワヒリ容疑者殺害で懸念される影響
2022/8/2 21:35深掘り 1106文字バイデン米大統領が国際テロ組織「アルカイダ」の最高指導者ザワヒリ容疑者の殺害を1日に発表し、中東やアフリカのイスラム過激派に与える影響が注目される。各地の関連組織の活発化につながると警戒する見方も出ている。 アルカイダの関連組織やそこから派生した過激派組織「イスラム国」(IS)は、2014年ごろに
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欧米への「新対抗軸」でトルコ重視か 3カ国首脳会合 ロシアの思惑
2022/7/19 19:10深掘り 2569文字19日にイランの首都テヘランで開催するロシア、イラン、トルコの3カ国首脳会合。主要議題はシリア問題の協議だが、ウクライナ侵攻で欧米と対立するロシア、中東での「イラン包囲網」形成を警戒するイランには、欧米とロシアの間でバランスを取るトルコを取り込み、米国主導の国際秩序に対抗する思惑もある。 ◇西側の
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バイデン氏の中東歴訪 実利重視へ転換 際立ったサウジの存在感
2022/7/17 19:48深掘り 3770文字バイデン米大統領は16日、就任後初となる中東地域の歴訪を終えた。11月の中間選挙を控え、燃料費高騰への対策を迫られたバイデン氏は、冷遇してきた産油大国サウジアラビアとの関係改善にかじを切った。人権重視を掲げる「価値観外交」から実利重視姿勢に転換した格好だが、訪問が原油増産につながるかは不透明で、サ
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海辺保養地にミサイル攻撃 少年ら21人死亡 ウクライナ南部
2022/7/2 05:11 658文字ウクライナ南部オデッサ州セルヒイフカ村の共同住宅などに対し、1日未明にロシア軍のミサイル攻撃があった。ロイター通信が伝えた。地元当局によると、少なくとも市民21人が死亡した。露軍は4日前の6月27日に中部クレメンチュクの商業施設をミサイル攻撃し、20人以上を殺害したばかり。前線から離れた地域の市民
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ゼレンスキー氏「全占領地の解放を」 欧米諸国の温度差にくぎ
2022/6/8 05:23 596文字ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、ロシア軍の侵攻に対して「私たちは全ての占領地域の解放を達成しなければならない」と改めて強調し、欧米に対して更なる武器支援や対露制裁の継続を求めた。英紙フィナンシャル・タイムズのオンラインイベントに出演して語った。徹底抗戦を支持する国内世論を背景に、ロシアに融和
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「プーチンの戦争」展望は 攻められたウクライナ識者が読み解く
2022/6/1 11:30 1817文字ロシアのプーチン政権によるウクライナ侵攻は開始から3カ月を過ぎ、東部と南部での戦闘が中心になっている。共に東部ドネツク州出身で首都キーウ(キエフ)在住の識者2人にオンラインインタビューし、現状と展望について見立てを聞いた。【ウクライナ西部リビウで真野森作】 ◇ジャーナリストのセルゲイ・ガルマシュ氏
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東部ルガンスク州でロシア側優勢、ウクライナ軍高官認める
2022/5/27 05:41 392文字ウクライナ軍高官は26日、ロシアによる侵攻が続く東部ルガンスク州の戦線でロシア側が優勢にあることを認めた。クレバ外相も同日、東部での戦況悪化について言及しており、ウクライナ側が苦戦を強いられている模様だ。 ロイター通信によると、ウクライナ軍のグロモフ大将は26日の戦況解説で、ルガンスク州の情勢につ
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