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サウジ、単独追加減産でロシアとの対立回避 OPECプラス結束維持
2023/6/5 13:54 1253文字石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国でつくるOPECプラスの閣僚会合は4日、現状の減産態勢の2024年末までの延長と、サウジアラビアによる追加減産を発表した。サウジは追加減産に難色を示していたロシアに配慮し、自国単独での追加減産に踏み切ることで、対立を回避した。 「今回の協力関係と合意は
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「ゼロコロナ」後も戻らない中国の訪仏客 ロシア領空飛行が影響
2023/5/25 10:00 1837文字観光大国フランスにとって上客だった中国人観光客が、中国の「ゼロコロナ」政策の撤廃後も戻っていない。両国を結ぶ旅客機の直行便数が伸び悩んでいるのが一因とみられ、背景にはロシア領空を飛行する中国の航空会社と、迂回(うかい)する欧州の航空会社とのコスト差がある。 パリ中心部の百貨店「ギャラリー・ラファイ
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人々に深く残る戦争の傷 なくならない記憶 癒やすカギは/下
2023/5/11 05:00 2476文字戦争と和解について研究を続けるルーバンカトリック大のバレリー・ロズー教授(国際関係論)へのインタビュー。後編は「戦争の記憶」に焦点を当て、そこからウクライナ人のロシアに対する思いについて考えた。(第2回/全2回) 連載の上はこちらです。 ――戦争と歴史認識の問題でいうと、日韓関係は、改善に向かいか
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戦争をした国民同士は、いずれ和解できるのか 専門家に聞いた/上
2023/5/10 05:00 2596文字ロシアによるウクライナ侵攻の開始から1年以上が経過したが、戦闘は膠着(こうちゃく)化し、終戦の兆しはまだ見えない。この戦争にはどのような性質があり、過去の戦争と何が同じで、何が違うのか。戦後の和解について多数の著書があるルーバンカトリック大(ベルギー)のバレリー・ロズー教授(国際関係論)にインタビ
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フランス鉄道網にイタリア、スペイン国鉄が参入 自由化どこまで
2023/4/18 17:30 1507文字欧州連合(EU)の鉄道路線開放計画で、フランス国鉄(SNCF)が独占してきた仏国内の主要な鉄道路線に国内外の他社が参入する動きが進んでいる。イタリア国鉄が2021年に運行を始めたパリと仏東部リヨン間ではSNCFの料金値下げが進むなど、一定の効果が出ている。だが、EUが目指す高速鉄道網の統合実現まで
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脱原発のドイツ 課題山積、割れる世論 来冬のガス不足回避も不透明
2023/4/14 18:52 1849文字ドイツで稼働中の最後の原子力発電所3基が15日に停止する。ロシアによるウクライナ侵攻の影響で一時的に延期された「脱原発」が完了し、60年以上続いたドイツの原発の歴史に幕が下りる。ドイツ国民の52%が「間違っている」 脱原発を15日に完了するドイツだが、課題は山積している。暖房でエネルギー需要の高ま
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EU、天然ガス調達先のアゼルバイジャンと関係悪化 非難決議巡り
2023/4/11 11:15 1067文字アゼルバイジャンとアルメニアの衝突を巡り、欧州連合(EU)欧州議会がアゼルバイジャンを非難する決議を採択したところ、アゼルバイジャン側が激しく反発し、EUとの関係が悪化している。アゼルバイジャンはEUにとってロシア産天然ガスの代替調達先としての期待が高まっており、EUのエネルギー戦略への影響が懸念
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ウクライナの廃虚をデータ保存 有志の建築家、復興時に再建可能
2023/4/2 15:07 1088文字ロシアが侵攻するウクライナで、有志の建築家らが、戦争で破壊された建物を3Dデータで保存する活動を続けている。立体的なデータによって破壊状況の詳細がより明らかになるほか、建物の再建にも役立つため、戦後の復興への活用などにも期待が高まっている。 中心となっているのは、首都キーウ(キエフ)在住の建築家、
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「リーマンの再来」即応したスイス クレディS買収、わずか2日
2023/3/20 21:04深掘り 2872文字スイスの金融最大手UBSが、経営危機に陥っていた同大手クレディ・スイスを買収することを決めた。米銀破綻をきっかけとした信用不安が巨大金融機関同士の合併に発展した形で、交渉は2日あまりで決着するという異例の展開。信用不安の発端となった米国でも当局が特例措置を繰り出しており、各国は金融不安の抑え込みに
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EU内でぶつかり合う国益 代替エネルギー巡り駆け引き、日本にも影響
2023/3/3 17:29深掘り 1950文字ロシア産天然ガスの代替エネルギーを巡り、EU内で激しい駆け引きが展開されている。 スペイン北東部カタルーニャ州オスタリック市。州都バルセロナから北東に70キロの林の中にガスパイプラインの管理施設がある。12年の建設開始当初、隣国フランスに接続するはずだったが、工事はここで中断した。ニル・パピオル市
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ロシアへの依存度、着々低下 欧州で進むLNG基地建設 懸念材料も
2023/3/3 17:04深掘り 2350文字ドイツ北部ウィルヘルムスハーフェン市。北海から吹く潮風が冷たい。同市の約1・3キロ沖で2022年12月、国内初の液化天然ガス(LNG)受け入れ基地が、操業を開始した。 ドイツは天然ガス輸入の55%をパイプライン経由のロシア産に頼ってきた。ロシアによるウクライナ侵攻開始から3日後の2月27日、ショル
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GDPは3割減 戦争終結しても危機続く? ウクライナ経済の行方
2023/3/3 05:00 4012文字ロシアによるウクライナ侵攻から1年。ウクライナ経済は大きなダメージを受け、2022年の国内総生産(GDP)は前年比30・4%減と1991年の独立後、最も大きな落ち込みとなった。ウクライナは現在は、軍事面だけでなく経済面でも西側の支援に支えられている状況だが、今回の戦争を契機に経済構造が大きく変わる
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再び滞る穀物輸出 「ロシアが検査を遅らせている」批判も
2023/3/2 05:00 2308文字黒海の航行の安全を確保するための回廊の設置で、一時は回復したウクライナからの穀物輸出が、再び滞っている。何が起きているのか。 黒海に面したウクライナ南部オデッサ近郊チョルノモルスク。2月中旬、港から少し離れた幹線道路沿いの通関施設の前に、輸出用の小麦、トウモロコシなどを積んだトラックが長い列を作っ
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ウクライナ・オデッサ市長が横浜訪問へ 姉妹都市、支援に感謝
2023/2/23 20:24 876文字ロシアが侵攻するウクライナ南部オデッサ市のゲネディー・トゥルハノフ市長が現地で毎日新聞の取材に応じ、姉妹都市である横浜市民のこれまでの支援に感謝した。また戦争終結後の観光業再興に向けた関係強化を目指し、3月に横浜市を訪問する意向を示した。 トゥルハノフ市長はオデッサ市庁舎で13日、毎日新聞のインタ
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スマホが変えた戦争 市民から4000件の情報提供も…ウクライナの戦略
2023/2/23 18:36深掘り 3094文字ロシアのウクライナ侵攻開始から1年。兵力的に劣るウクライナ軍が予想以上に善戦し、ロシア軍が苦戦する構図となっている。その背景に、スマートフォンのアプリを使って露軍の巡航ミサイルや無人航空機(ドローン)の位置などを軍当局に通報するウクライナ市民の姿が垣間見える。市民が軍の「目」や「耳」の役割を担って
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所有者も行き先も不明 西側の対露制裁かいくぐる「影の船団」とは
2023/2/21 18:00 1364文字ロシアのウクライナ侵攻から1年。主要7カ国(G7)や欧州連合(EU)などはロシアの戦費を支える原油収入を絞ろうと制裁を強めている。だが、それを骨抜きにしかねないのが、「影の船団」と呼ばれる闇タンカーの存在だ。制裁をかいくぐって原油を運び、所有者も行き先も判然としないためそう呼ばれている。一体、どの
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にぎわう飲食店、目立つ空き店舗 対露経済制裁、果たして効果は?
2023/2/21 05:30深掘り 3438文字米欧日など西側諸国はこの1年、ウクライナに侵攻したロシアに対し経済制裁を強化してきた。ただ、ロシアが経済的に大きく追い込まれている様子は今のところ見えない。果たして、経済制裁は効果を上げているのか。実情を探った。 ◇侵攻後も「客の入り変わらず」 ロシアの首都モスクワ中心部にある日本食レストラン。3
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ウクライナに残る大量の地雷 過ち繰り返され、除去に数十年
2023/2/17 07:00 3126文字「私の後を正確についてきてください。右にも左にもずれないように」。ウクライナ国家緊急サービス地雷除去部隊のロマン・シュティロさん(43)と2人の隊員が先導する。半壊した2階建て住宅を右手に用水路を渡り、短い下草の生えた原野を、足跡をなぞるように進む。ウクライナ南部ヘルソン州プラブディネ村。ロシア軍
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ウクライナの電力支える原発 ロシアの攻撃、不安と強気の住民
2023/2/15 05:00 2043文字侵攻するロシア軍によるものとみられる砲撃で、ウクライナ南部ザポロジエ原発が危険にさらされる中、他の3カ所の原発が戦時下のウクライナ国内の電力供給を支えている。原発の周辺住民は、どんな思いで暮らしているのか。 雪に覆われた広大な平原を抜け、森の中を車で北上すると、曇り空の下、円筒形の構造物が並ぶのが
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ウクライナ侵攻、進み・放置される環境破壊 修復は遠い先か
2023/2/11 03:30 1405文字ロシアによる侵攻を受けるウクライナでは、戦闘による環境破壊が進む。だが兵士や市民の命が失われ、重要インフラや市街地が破壊される中、政府が環境保全にあてる時間や資源は限られている。長期にわたり、健康被害を含む深刻な影響が懸念される。 首都キーウ(キエフ)から西へ延びる高速道路の両脇の森は破壊され、枝
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