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日銀・植田総裁「物価上昇率は年度半ばにかけ低下、その後反転」
2023/5/25 21:00 1645文字日銀の植田和男総裁は25日、毎日新聞など報道機関のインタビューに応じた。歴史的な高水準となっている物価上昇率について「年度半ばにかけて高い確率で低下する。ただ、その後、反転していく」と見通した。日銀が目指す年2%の物価安定目標の実現性については、2023年度後半以降の物価動向を「丁寧に見たい」と述
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日銀・植田総裁のみせた「らしさ」 長期緩和の検証に二つの懸念
2023/4/28 21:18深掘り 2337文字日銀は28日まで2日間の日程で、植田和男総裁の就任後初めてとなる金融政策決定会合を開いた。「異次元」と称される大規模な金融緩和を維持する一方で、1990年代後半以降、約25年間にわたって続く金融緩和策のレビュー(検証)に着手することを決めた。戦後初の学者出身の総裁として、まずは過去の金融政策の点検
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異次元の10年
緩和路線10年、見えぬ出口 植田・日銀が直面する「副作用」
2023/4/10 20:20深掘り 2363文字「植田・日銀」が本格始動した。日銀の植田和男新総裁は10日の就任記者会見で、前任の黒田東彦氏が主導した大規模な金融緩和路線を当面維持する考えを示した。ただ、大規模緩和の長期化による「副作用」は拡大しており、顔ぶれが一新した正副総裁には「待ったなし」の対応が求められる。植田・日銀が直面することになる
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異次元の10年
異次元緩和「コストに見合うメリットなかった」 河野龍太郎さん
2023/4/9 05:30 1889文字10年にわたって「異次元」と称された大規模な金融緩和を進めてきた日銀の黒田東彦総裁が8日、任期満了に伴い退任した。新総裁には9日付で経済学者の植田和男氏が就任した。日銀の金融政策を長年追ってきたBNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストに異次元緩和に対する評価と、植田新総裁への注文を聞いた。
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記者の目
黒田日銀10年の教訓 金融政策は万能ではない=岡大介(東京経済部)
2023/4/7 02:00注目の連載 1839文字日銀の黒田東彦総裁が8日に退任する。歴代最長となる10年の任期の間、「異次元」とも称された大規模な金融緩和政策を続けたものの、日本経済を成長軌道に乗せるには至らなかった。黒田氏が示したのは金融政策は万能の「魔法」ではないという現実だ。そして、政治情勢などによっては国の将来を危機に導きかねないという
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異次元の10年
「行くも戻るも地獄」“禁じ手”で死んだ債券市場 失われたノウハウ
2023/4/5 07:00 2798文字東京・丸の内にあるSMBC日興証券の債券ディーリングルーム。柳沼宏和・金融市場部長は最近、後輩のディーラーから相談を持ちかけられることが増えてきた。内容は大抵、日本が「金利のある世界」に戻った場合、どう対応すればいいのかということだ。 シリーズ「検証・異次元の10年」は計5回です。 ラインアップは
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異次元の10年
拡大する金融緩和の「副作用」 出口見えず、問われる植田氏の手腕
2023/3/10 21:34深掘り 2296文字10日の金融政策決定会合は黒田東彦総裁(78)にとって最後の舞台となった。記者会見では10年間に及ぶ大規模緩和策を「成功だった」と総括したが、前例のない緩和策は功罪両面が指摘される。新総裁就任が決まった元日銀審議委員の植田和男氏(71)は“異次元”の政策をどう検証し、次の一手に踏み出すのか。【杉山
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異次元の10年
「サプライズ」はある日、不信に 日銀・黒田総裁、失った発信力
2023/3/10 11:37 3113文字歴代最長の10年にわたって日銀を率いてきた黒田東彦総裁にとって最後となる金融政策決定会合が10日、終わった。自ら「異次元」と称した大規模な金融緩和を導入し、脱デフレ(物価下落)の実現に向け好スタートを切った黒田・日銀だったが、期待通りの効果を上げることができず、得意としていた発信力は色あせていった
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“植田節”具体策の言及避ける 日銀総裁候補「緩和を大筋継続」
2023/2/24 20:58深掘り 3056文字政府が日銀総裁候補として国会に示した元日銀審議委員の植田和男・共立女子大教授は、24日の所信聴取で大規模な金融緩和を大筋では続ける方針を示した。具体策については言及を避け、余計な言質を与えない安全運転に終始。市場はこの「植田節」をひとまず歓迎し、株価は上昇した。だが、金融政策のかじ取りが難しい局面
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異次元の10年
首相、アベノミクス修正を企図か 日銀総裁人事に透ける本音
2023/2/17 05:30深掘り 3783文字「日銀の大規模金融緩和はいずれ修正する必要がある。このままではいけない」。岸田文雄首相と会食などを通じ定期的に意見交換をしている男性に、首相は今冬、こう打ち明けた。 首相が懸念しているのは、日銀が黒田東彦総裁の下で、2013年から10年にわたり続けてきた異次元の金融緩和の「副作用」が日本経済や財政
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花形の日銀総裁「今回は貧乏くじ」 初の学識者起用へ導いた異変
2023/2/15 06:00深掘り 4777文字岸田文雄首相は14日、日銀の次期総裁に経済学者の植田和男氏を起用する人事案を国会に提示した。学識者の総裁就任は戦後、初めてだ。市場も予測していなかったサプライズの背景を探ると、日銀総裁人事に起きていた大きな「異変」が見えてきた。 ◇首相が決めた「意中の人物」 10日夕、公明党の山口那津男代表の電話
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日銀の正副総裁人事、初の女性登用「空振り」 世界潮流に遅れる日本
2023/2/14 11:16 1202文字日銀総裁人事をめぐる政府・与党内のパワーバランスが大きく変化する中、変わらないものもあった。今回も正副総裁に女性の起用が見送られたことだ。女性が重責を担うことが珍しくない世界の潮流に乗り遅れた形だ。 世界の中央銀行や国際機関では女性の活躍が目立っている。米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(F
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10年続いた異次元緩和、課せられた後始末 日銀総裁に植田氏
2023/2/10 20:18 1464文字岸田文雄首相は4月に任期満了となる日銀の黒田東彦総裁(78)の後任に、元日銀審議委員の植田和男氏(71)を起用する方針を固めた。黒田・日銀の下で約10年にわたって続いてきた異次元の金融緩和の修正が最大の焦点となる。 植田氏は東京大学経済学部教授を経て、1998年から2005年まで日銀の最高意思決定
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北極海LNG開発が大ピンチ ロシア側が計画大幅修正、日本に逆風
2023/1/23 06:00スクープ 2884文字ロシア企業が主導し、日本企業も参画する北極海での液化天然ガス(LNG)生産プロジェクト「アークティックLNG2」について、ロシア側が作成した事業見直し案が判明した。ロシアのウクライナ侵攻を受け重要機器を提供する米企業が撤退したため、調達先を中国企業に変更する。事業費の上振れなど当初計画が大きく修正
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日銀、市場圧力に動かず「現状維持」 続く政策変更への警戒
2023/1/18 21:07深掘り 2384文字日銀が選んだのは金融政策の「現状維持」だった。18日に開いた金融政策決定会合で、長期金利の変動幅の上限を「0・5%程度」に維持し、2022年12月の前回会合に続く引き上げは見送った。金融市場では、日銀が上限引き上げに追い込まれるとの観測が強く、金利に上昇圧力がかかっていたが、日銀は大規模な金融緩和
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異次元の10年
日銀に起きた「異変」 サプライズ修正の真相に迫る
2022/12/31 06:00 3059文字日銀は12月に開いた金融政策決定会合で、大規模な金融緩和政策の修正を決めた。「異次元」とも称された大規模な金融緩和に10年近く突き進んできた日銀内で一体、何が起きたのか。市場も驚いたサプライズ修正の裏側を追った。 ◇「日銀の望んだ修正ではない」 「長期金利の変動幅を従来の0・25%程度から0・5%
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異次元の10年
専門家を「失望」させた日銀の政策修正 戦前・戦中の教訓は生きたのか
2022/12/28 06:00 3117文字日銀が黒田東彦総裁のもとで取り組む異次元金融緩和は、株高などの効果をもたらしたと評価される一方で、「金利を低く抑えつけ、市場機能を失わせている」との批判も根強い。日銀が国債市場を強力に統制する姿が「戦前、戦中と共通する」と指摘するのは、「戦前・戦時期の金融市場」などの著書がある東京海上アセットマネ
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「事実上の利上げか」動揺した市場 追い込まれた日銀の「小幅」修正
2022/12/21 05:00深掘り 3483文字日銀が20日開いた金融政策決定会合で金融緩和政策の一部修正を迫られた背景には、歴史的な円安や物価高、債券市場の機能低下など10年近くに及ぶ金融緩和の弊害が顕在化し、日銀に対する批判を無視できなくなった側面がある。黒田東彦総裁は金融緩和路線を変更するわけではないと強調したが、市場が事実上の利上げと受
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異次元の10年
日銀審議委員から連日の「金融緩和見直し」発言 さらなるサイン?
2022/12/20 12:37 2304文字日銀が20日の金融政策決定会合で、金融政策の一部修正を迫られた。決定会合で議決権を持つ審議委員からは今月に入り、現在の金融緩和策の見直しを示唆する発言が相次いで飛び出し、関係者の注目を集めていた。「異次元」とも称される大規模な金融緩和策を主導してきた黒田東彦総裁の任期満了が2023年4月に迫る中、
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課題山積、正念場のNHK 新会長に求められる絶妙なバランス
2022/12/6 05:30深掘り 3259文字NHKの前田晃伸会長(77)が来年1月の任期満了で退任し、新会長には日本銀行元理事でリコー経済社会研究所参与の稲葉延雄氏(72)が決まった。前田会長は組織のスリム化や経費削減を進め、受信料の過去最大の大幅値下げを決断した。さらに現在検討中のインターネット業務の位置づけや、視聴者サービスの維持など、
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