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ベラルーシを対NATOの前線化 戦術核配備、揺さぶるプーチン氏
2023/3/26 20:44 815文字ロシアのプーチン大統領は初めて国外での戦術核配備にかじを切ったことで、ウクライナへの軍事支援を続ける欧米諸国に対抗する姿勢を一層鮮明にした。ウクライナ侵攻の拠点としてきた同盟国ベラルーシを、北大西洋条約機構(NATO)と対峙(たいじ)する前線としたい思惑ものぞかせている。 ベラルーシはウクライナの
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ロシア、断ち切った対日交渉 「プーチン後の世界」到来予兆なく
2023/3/25 05:30深掘り 3189文字ウクライナ侵攻を受けてロシアに経済制裁を科した日本に対し、ロシアは2022年3月、平和条約交渉の事実上の打ち切りを通告した。一方、通告から1年となった21日、岸田文雄首相はウクライナを電撃的に訪問。短期的な日露関係の改善は一層困難になっている。また、日米欧との対立が深まるロシア側の「脱・西側依存」
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戦時下のロシアで踊り続ける 千野円句さんの決断と苦悩/下
2023/3/22 06:30 1575文字千野円句(まるく)さん(24)が世界最高峰の一つとされるロシア国立ボリショイ劇場のバレエ団で活躍するなか、ロシアがウクライナで始めた「特別軍事作戦」は、両国の舞台芸術の世界にも暗い影を投げかけている。芸術は政治と無縁でいられないのだろうか。 連載の上では、千野円句さんの半生やこの先の夢についてまと
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ロシア最高峰で踊る日本人ダンサー・千野円句さんが抱く野心/上
2023/3/22 06:00 2048文字世界的なバレエの殿堂と呼ばれるロシア国立ボリショイ劇場のバレエ団。2月に日本国籍の男性ダンサーが一流の証しとされるソリストに昇格し、日本人として2人目の栄誉を手にした。この踊り手の過去と今に触れながら、視線の先に見据える未来も探ってみた。 連載の下では、戦時下のロシアで踊り続けることを決断した千野
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習近平氏、ロシアを公式訪問 対米結束の中露、思惑にズレも
2023/3/21 20:56深掘り 2294文字ロシアによるウクライナへの侵攻が続く中、中国の習近平国家主席がロシアを公式訪問している。中国はウクライナ情勢の解決に向けた提案を前面に出すなど、国際社会で存在感をアピールする構えだ。共に米国との対立を深める中露両国だが、結束の裏には思惑の違いもある。 ◇包囲網に対抗 習氏にとって今回の訪露は、国家
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政権批判に転じたプーチン氏“生みの親” その真意を読み解く
2023/3/16 06:30 2122文字2月末、あるロシア人の政治学者が静かに生涯を終えた。2000年代初頭にプーチン露大統領の権力掌握を手助けしたが、後にたもとを分かった。「プーチン大統領の生みの親」とも呼ばれたこの人物は、隣国ウクライナへの侵攻をどう思っていたのか。4年前に記者が取材した当時の発言を紹介しながら、考えてみる。 グレブ
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露正教会、ローマ教皇に異例の嘆願 「ウクライナが信者弾圧」
2023/3/13 17:49 764文字ロシア正教会が、ウクライナに残る傘下の信者らをウクライナ政府が弾圧しているとして反発を強めている。11日にはフランシスコ・ローマ教皇など世界の宗教指導者らに対し、ウクライナ政府に弾圧中止の働き掛けをするよう要請した。ロシア正教会などが所属する東方正教会は、ローマ教皇を頂点とするカトリック教会と対立
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銃後のロシアで「進化」するラーメン 戦争と切り離された市民の味
2023/3/13 11:00 2150文字ウクライナ侵攻を受け、国際社会から相次いで制裁を科されたロシアだが、以前とあまり変わらないような市民の暮らしもある。モスクワの日本料理店に足を運んでみると、焼き魚を乗せたラーメンや和牛を使ったギョーザといった独創的なメニューが供され、好評を博しているようだ。隣国との戦闘の銃後で「進化」を遂げるロシ
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かつて嫌った「友情のパイプ」 中国依存、進めるしかないロシア
2023/3/1 21:00深掘り 4161文字ロシアによるウクライナ侵攻は、中露関係にも大きな影響を与えた。中国は建前の上ではロシアとウクライナの間で「中立」を装うが、実際には原油や天然ガスなどロシアの資源を大量に輸入し、米国などによる先端兵器の対ウクライナ供与を激しく非難するなど、政治、経済の両面でロシアを下支えする。中露国境の街を訪ねると
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ベラルーシ大統領訪中、ロシア支援か 武器供与で「貸し」作る?
2023/2/27 16:52 1004文字旧ソ連ベラルーシのルカシェンコ大統領は28日から中国を訪れる。ルカシェンコ氏は習近平国家主席と会談して対中関係の強化に取り組むほか、ウクライナ侵攻で苦戦を続けるロシアを側面支援する狙いとみられる。米国は中国がロシアに兵器を供与しないように圧力を強めており、この時期に訪中するルカシェンコ氏の動向も警
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「我々はまだ全体主義下にある」 侵攻1年、声潜めるモスクワ市民
2023/2/25 19:31 1670文字こらえきれずに流れた涙を拭った女性の指には、ウクライナのシンボルカラーである黄色いマニキュアが塗られていた。「特別軍事作戦」を批判できない今のロシアで、隣国への精いっぱいの連帯を示しているように見えた。ウクライナへの軍事作戦開始から1年を迎えた24日、首都モスクワを歩き、市民の思いを聞いた。 今年
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ウクライナ侵攻、調査で「6割支持」 モスクワ市民に直接聞くと
2023/2/24 19:52 1818文字ロシアが2022年2月にウクライナに対する「特別軍事作戦」を始めてから24日で1年。前線のロシア軍は苦戦が続くが、国内の世論調査を見る限り、国民の大半が「支持する」と回答している。これらの調査は社会の現状を適切に映し出しているのか。首都モスクワの市民に尋ねた。 ◇侵攻は批判しない 矛先は軍に 「多
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立て直し図るロシア軍、強気と裏腹の実情も ウクライナ侵攻1年
2023/2/24 04:50 2526文字2022年2月24日にウクライナに対する「特別軍事作戦」を始めたロシアのプーチン政権は、短期間での制圧をもくろんだ。だがウクライナ軍の粘り強い反撃に遭い、1年後の今も苦戦を続けている。今後、いずれかが勝利したり、停戦で合意したりする展開は起こり得るのか。 ◇立て直しを図るロシア軍 「我々にとっての
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ウクライナ侵攻1年・混迷の先を問う
「ソ連という帝国の解体で起きた」 英ケンブリッジ大名誉フェロー
2023/2/22 06:00 1796文字ロシアによるウクライナ侵攻からまもなく1年。国際秩序はどのように変わり、混迷の先には何が待ち受けているのか。国内外の識者に問う。英ケンブリッジ大名誉フェロー、ドミニク・リーベン氏の分析を聞いた。 ◇帝国の崩壊後、紛争避けられず ソ連建国の指導者だったレーニンが唱えた定義には当てはまらないが、この連
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にぎわう飲食店、目立つ空き店舗 対露経済制裁、果たして効果は?
2023/2/21 05:30深掘り 3438文字米欧日など西側諸国はこの1年、ウクライナに侵攻したロシアに対し経済制裁を強化してきた。ただ、ロシアが経済的に大きく追い込まれている様子は今のところ見えない。果たして、経済制裁は効果を上げているのか。実情を探った。 ◇侵攻後も「客の入り変わらず」 ロシアの首都モスクワ中心部にある日本食レストラン。3
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モルドバ、ロシアが「政権転覆意図」と非難 危機“飛び火”懸念
2023/2/15 22:34 1056文字旧ソ連構成国モルドバの親欧米政権は、ロシアが政権転覆を企てていると非難し、警戒を強めている。関連を疑われた近隣国のサッカーチームとの試合や運動選手の入国に次々と制限がかけられる事態に発展。ロシアが侵攻したウクライナに隣接するモルドバでは、危機が「飛び火」する恐れがあるとして懸念を強めている。 「ク
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米、ロシアからの退避勧告 自国民に「予測できぬ事態起こる恐れ」
2023/2/14 17:12 1009文字ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、ロシア国内でも米露間の緊張が高まっている。米政府は13日、自国民にロシアからの退避を勧告し、渡航も禁止した。一方、露政府は1月に着任した米国の駐露大使に行動の自制を要求するなど、異例の事態が続く。 米国の在ロシア大使館と領事館が発令した勧告は、予測しがたい事態が
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「10秒の慰霊」モスクワ、静かな抗議 苦しさ増す生活、国に別れ
2023/2/14 05:00 4017文字それは10秒余りの素早い動きだった。 1月末、ロシアの首都モスクワの中心部にある公園。女性がウクライナの詩人の碑に歩み寄り、赤いバラの花を手向けた。数歩下がると、ちょっとの間、祈りをささげたように見えた。きびすを返した後、一瞬立ち止まって携帯電話で碑の写真を撮影。その後、足早に最寄りの地下鉄駅の方
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ウクライナ東部前線 ロシア軍「一部地域で前進も大損失」
2023/2/11 17:01動画あり 1288文字ウクライナ侵攻で苦戦を強いられてきたロシア軍だが、2月上旬からウクライナ東部で攻勢に出ている模様だ。一部地域で前進に成功する一方で、激しい戦闘に伴い大きな損失を出したとも伝えられている。侵攻開始から1年となる2月24日を控え、大規模な攻勢を仕掛けるのかどうかも注目されている。 英国防省が10日に発
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スターリン再評価で旧市名復活の動き 世論「過去にこだわりすぎ」
2023/2/8 17:55 964文字ウクライナ侵攻が続く中、ロシア南部の都市ボルゴグラードで、市名を旧称スターリングラードに戻そうとする動きが活発化している。旧称はソ連時代の独裁者スターリンにちなんだという「いわくつきの歴史」がある。だが侵攻に絡んでロシアで愛国主義が強まり、スターリンの再評価へと進んでいる模様だ。 第二次大戦中のソ
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