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伊藤詩織さん敗訴 中傷投稿「いいね」が違法と認められない理由とは
2022/3/26 06:00 3174文字ツイッター上で国会議員が繰り返した「いいね」は、不法行為と認められなかった。ジャーナリストの伊藤詩織氏が自民党の杉田水脈衆院議員(比例中国ブロック選出)を相手取った損害賠償請求訴訟で、東京地裁(武藤貴明裁判長)は25日、伊藤氏側の請求を棄却する判決を言い渡した。伊藤氏は東京都内で記者会見し「こうし
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伊藤詩織さん中傷投稿、なぜ減少 荻上チキさんが考える提訴の意義
2022/3/25 16:00 3098文字ジャーナリストの伊藤詩織氏(32)は、自身が受けた性的暴行と、それを告発したことによるネット交流サービス(SNS)上での誹謗(ひぼう)中傷に対する損害賠償を求め、約4年半の間、司法の場で闘ってきた。この間、伊藤氏に言及したツイッター上の投稿を分析すると、勝訴を重ねる中で、誹謗中傷やネガティブな投稿
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ファクトチェック
「ウクライナ初の女性パイロットが戦死」は根拠不明 画像が拡散
2022/3/18 11:00 1658文字ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、ウクライナ初の女性戦闘機パイロットが戦死したという内容のツイートが複数の女性の写真とともに拡散している。しかし、ツイートで挙げられている名前は、過去に米メディアで報道された「ウクライナ初の女性戦闘機パイロット」の名前とは異なっている上、報道された名前の女性が死亡し
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声をつないで
「女性の手で女性の支援を」 100人で作った相談会の1年
2022/3/2 07:00深掘り 4259文字冷え込む公園で、女性たちが食料や心の支えを求めて列を作った。長引く新型コロナウイルス禍で、困窮する女性の問題が表面化する中、東京都内で女性のみを対象にした生活相談会が継続的に開かれてきた。相談相手を担ったのは、100人を超えるボランティアの女性たち。開催の背景には、13年前のリーマン・ショック時の
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声をつないで
66年変わらぬ「売春防止」から脱却 新たな女性支援法が必要な理由
2022/2/17 15:00深掘り 3575文字DVや性暴力、貧困などに苦しむ女性を支援する「婦人保護事業」の見直しに向け、超党派の国会議員が、今国会で新法案の提出を目指している。事業の根拠となってきたのは売春防止法(売防法)だ。新法が成立すれば、売防法による女性保護の政策が根本的に変えられる。なぜ今、新法が必要なのか。困難を抱える女性の支援を
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「吃音のことも考えて」 英語スピーキングテストに高まる懸念
2022/1/30 18:00深掘り 3253文字「もし吃音(きつおん)の症状が原因で高校入試が不利になってしまったら……」。吃音のある中学生や吃音のある子の保護者らの間で、そんな不安が広がっている。理由は、来年春の東京都立高入試に導入される英語のスピーキングテストだ。「話す」こと自体の得意不得意と、英語の能力は本来別物のはずだ。吃音の困難を抱え
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「声上げたことに後悔ない」 伊藤詩織さん2審判決までの道のり
2022/1/26 06:30深掘り 3210文字1審に続き、司法は同意なき性行為の被害を認めた――。ジャーナリストの伊藤詩織さん(32)が性的暴行を受けたとして、元TBS記者の山口敬之氏(55)に損害賠償を求めた訴訟で、東京高裁(中山孝雄裁判長)は25日、訴訟の最大の争点だった性行為の同意の有無について、「同意はなかった」と認定した。高裁はどの
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政権批判のネットメディアに立憲が資金提供 問われる中立性
2022/1/9 14:35 2565文字インターネット報道番組を制作・配信するネットメディア「Choose Life Project」(CLP)が、立憲民主党から「番組制作費」として約1500万円の資金提供を受け、その事実を伏せていた問題が発覚した。政権批判などを行う“リベラルなウェブメディア”として注目されていたが、政権与党と等しく報
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ツイッターは「良心すらのみ込む」 作家・温又柔さんの卒業理由
2021/12/15 05:00 5723文字「もう、限界だなと思ったんです」。作家の温又柔(おん・ゆうじゅう)さん(41)が10月、ツイッターでの積極発信をやめた。台湾で生まれて日本で育った自身のルーツに向き合う小説を書き、ツイッターでは、差別やジェンダー、格差などの社会問題について積極的に発信してきた。それなのに、なぜツイッターをやめたの
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安田菜津紀さん「差別は日常をねじ曲げる」 投稿者を提訴した理由
2021/12/8 15:58深掘り動画あり 3258文字フォトジャーナリストの安田菜津紀さん(34)が8日、在日コリアン2世の亡父について書いた記事を巡り、ツイッター上で差別的な投稿をされ人格権を侵害されたなどとして、匿名の投稿者2人をそれぞれ東京地裁に提訴した。「差別の問題を先送りしたくない」と思ったからだ。そこには安田さんが続ける自らのルーツをたど
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セカンドレイプは「不法行為」 伊藤詩織さんへの名誉毀損判決の意義
2021/11/30 20:25深掘り動画あり 5051文字オンライン上の「セカンドレイプ」に、司法が「ノー」を突きつけた。ジャーナリストの伊藤詩織氏(32)が、自身の性暴力被害を巡り、ツイッターで虚偽の情報を投稿され名誉を傷つけられたなどとして、漫画家のはすみとしこ氏らに慰謝料などを求めた訴訟で、東京地裁(小田正二裁判長)は30日、はすみ氏らの名誉毀損(
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「Dappi」と自民党の関係は 今、分かっていること
2021/11/13 08:00深掘り 3299文字17万人以上ものフォロワーを抱える有名な匿名ツイッターアカウント「Dappi」が「自民党によるネット世論操作の一環ではないか」などとネット上やいくつかのメディアで取り沙汰されている。Dappiの投稿で名誉を傷つけられたとして、立憲民主党の小西洋之、杉尾秀哉両参院議員が発信者情報をインターネットプロ
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女性新人候補わずか1% 衆院選でも伸びない自民党のお寒い現実
2021/10/13 08:00 3636文字女性の国会議員はなぜ増えないのか。その要因の一つが、女性新人候補の少なさだ。毎日新聞は間近に迫った衆院選(19日公示、31日投開票)の小選挙区立候補予定者について、各党の女性の割合を集計・分析した。新人女性候補の割合は自民党1・1%、公明党ゼロとごくわずかで、特に与党で新たに女性を擁立する動きがほ
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男性中心の政治は変わるのか 自民党総裁選4候補の子育て政策は
2021/9/28 08:00 3887文字男性中心の政治は変わるのか――。自民党総裁選(29日投開票)では、複数の女性議員が立候補したのは初めてで、ジェンダー問題や子育て政策などを巡る4候補の主張が注目されている。毎日新聞では4候補に、これらの政策についてアンケートを実施し、女性識者2人に分析してもらった。前後編にわたって伝えている後編で
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ジェンダー政策で目立つ及び腰 自民党総裁選4候補アンケート
2021/9/27 08:00 3335文字男性中心の政治は変わるのか――。自民党総裁選(29日投開票)では、複数の女性議員が立候補したのは初めてで、ジェンダー問題や子育て政策などを巡る4候補の主張が注目されている。毎日新聞では4候補に、これらの政策についてアンケートを実施し、女性識者2人に分析してもらった。前後編にわたって伝え、前編はジェ
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安倍・菅政権考
努力は報われる? 「自助幻想」の勘違い 退陣する菅政権の1年
2021/9/21 13:00 6218文字自民党総裁選への不出馬を表明し、退陣する菅義偉首相は、昨年9月に総裁選で選出された際などに、「目指すべき社会像」として「自助、共助、公助、そして絆」「まずは自分でやってみる」と掲げた。「自助優先」と批判され、新型コロナウイルスの感染が収束しない中、医療は逼迫(ひっぱく)し、飲食業やサービス業など苦
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「自助優先」批判は無意味 菅政権の1年 竹中平蔵氏に聞く
2021/9/17 05:00 6110文字自民党総裁選への不出馬を表明し、退陣する菅義偉首相は、1年前の総裁選などで「目指すべき社会像」として「自助、共助、公助、そして絆」と掲げた。以来、「自助」は菅政権を表す一つのキーワードとして、コロナ禍のこの1年、さまざまな場面で注目された。菅首相のブレーンと言われる竹中平蔵・慶応大名誉教授(パソナ
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女性用トイレが消える? 厚労省の議論が招いた混乱と不安
2021/8/15 11:30 3594文字小規模事業所のトイレを巡り、7月下旬からツイッターで「女性用をなくすな」と訴える投稿が増えた。厚生労働省による設置ルール変更の行方を危ぶむ声だ。その議論の様子を探ると、確かに混乱や不安につながるポイントが山積していた。女性の働きにくさや性的少数者への差別につながるような改定はすべきでないが、雲行き
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憤り、無関心、諦め……開会式その日を複雑な思いで迎えた人たち
2021/7/24 17:34 4083文字直前まですったもんだが続いた東京オリンピックが23日、ようやく開幕した。新型コロナウイルスの感染拡大は収まるどころか悪化の一途をたどり、史上初めて延期された「スポーツの祭典」のゴールを阻む恐れもある。首都で57年ぶりに聖火がともった日を、複雑な思いで迎えた人たちを追った。【木許はるみ、塩田彩、大野
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批判くすぶる酒類停止要請 騒動ににじむ菅政権の体質
2021/7/18 05:00 3327文字政府が法的根拠もなく民間事業者を使って圧力をかける――。法治国家としておよそ信じられない出来事が起きた。緊急事態宣言下で酒類提供を続ける飲食店への対応を巡る一連の騒動である。すでに撤回された現在でも批判はくすぶり続ける。この騒動ににじむ菅義偉政権の体質を、識者とともに考えた。【塩田彩/デジタル報道
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