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ブタの臓器でヒトが命をつなぐ「異種移植」の時代は来るか
2023/3/22 09:00 1867文字移植治療に使う臓器の不足が世界的に深刻になっている。そうした中、米メリーランド大のチームが2022年1月、ヒトにブタの臓器を移植する「異種移植」に成功し、世界を驚かせた。なぜ種の壁を越えた移植ができるのか。 患者は米メリーランド州在住の男性(57)。重い心臓病で重体になり、人工心肺装置「ECMO(
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H3打ち上げ失敗「原因究明は年単位」 信頼の2段目「まさか」
2023/3/7 20:58深掘り 1218文字今後の宇宙開発の根幹を担うH3ロケット初号機が発射に失敗した。搭載されていた重要な観測衛星も失われ、日本のロケット技術への信頼低下は避けられない。新しい主力機で世界の宇宙ビジネスに打って出る日本の宇宙戦略は、早くも崩れ始めた。 2月17日には発射直前に着火しなかった補助の固体ロケットブースターが、
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日本で越冬期過ごす鳥、451種 30年ぶり調査で分かった変化とは
2023/3/4 09:30 1272文字凍らない湖に、積もらない雪――。日本でもこうした地球温暖化の影響が見られるが、それに伴って越冬期(12~2月)を過ごす鳥たちに変化が起きているという。約30年ぶりに実施された調査から浮かび上がった結果とは。 この調査は「全国鳥類越冬分布調査」。日本野鳥の会(東京都)などが事務局を担っている。 調査
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パンデミックの先に
新型コロナ5類移行で今後の「波」を乗り越えられるか
2023/3/1 10:30 1971文字新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが、季節性インフルエンザと同等の「5類」に移行する。1日当たりの新規感染者数が1万人を超える日が多い中、5類引き下げで今後の流行の波に対応することができるのか。国立国際医療研究センターの大曲貴夫(のりお)・国際感染症センター長に聞いた。 ◇「国家危機」
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パンデミックの先に
滑舌の衰えは万病のもと マスク着用などコロナ対策がもたらす異変
2023/2/10 15:00 2366文字口の周りの筋肉が衰えることを指す「オーラルフレイル(虚弱)」。全身の衰えにもつながるとされ、マスク着用や外出自粛など、この3年間の新型コロナウイルスの感染対策が進行を早めている可能性がある。最新の研究結果をひもとくと、オーラルフレイルかどうかを見抜くカギは「滑舌」だという。専門家に予防のポイントも
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職員が祝意、新生児健診の案内…流産・死産を経験した女性のリアル
2023/2/4 20:00 1239文字流産や死産の知られざる実態が、支援団体のアンケート結果でつまびらかになった。全国の700人超が寄せた回答からは、つらい経験をした女性らに支援が行き届かない状況が浮かぶ。文庫1冊分に相当する計11万723字にも及ぶ自由記載欄の記述の中には、悲痛な叫びがあふれていた。 ◇死産後に何度も電話 アンケート
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産声を上げない我が子 見過ごされていた母親の現実とは
2023/2/4 16:00 5150文字今から思えば、涙雨だったのかもしれない。 朝から降っていた小雨は、夕方に病院に着く頃には少し強まっていた。北寄りの強い風は、平年よりも低い気温を余計に肌寒く感じさせる。出産を2週間後に控えた奥野理恵さん(41)=和歌山市=は、足早に院内に入った。 2020年10月8日、その日に診察を受ける最後の妊
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聞こえにくいけど… 補聴器の所有率 日本は世界最低レベル
2023/1/26 13:00 1433文字日本人は、聞こえにくさをもっと気にすべきなのかもしれない。聴力に関する各国の状況が比較可能な大規模調査の結果が26日公表され、日本の補聴器の所有率が世界で最低レベルであることが明らかになった。その背景には何があるのか。1割が耳の聞こえにくさ自覚 欧州各国や中韓など世界16カ国が進める国際調査の一環
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パンデミックの先に
見えない口元、感情の機微 子どもの発達に影響するコロナ対策
2023/1/18 06:30 3049文字国内で初めて新型コロナの患者が確認されてから15日で3年が経過した。パンデミック(世界的大流行)を経て、社会はどう正常化していくのか。各分野の現状を連載しながら、ウィズコロナ時代を展望する。 連載「パンデミックの先に」は、全7回です。 このほかのラインアップは次の通りです。 第1回 感染で認知症リ
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パンデミックの先に
20代、つえなしで歩けず 1年続くコロナ後遺症の恐ろしさ
2023/1/16 06:30 2329文字国内で初めて新型コロナの患者が確認されてから15日で3年が経過した。パンデミック(世界的大流行)を経て、社会はどう正常化していくのか。各分野の現状を連載しながら、ウィズコロナ時代を展望する。 連載「パンデミックの先に」は、全7回です。 このほかのラインアップは次の通りです。 第1回 感染で認知症リ
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パンデミックの先に
自分の苦しみも忘れる?新型コロナ後遺症で認知症リスク急増の恐れ
2023/1/15 06:30 2741文字国内で初めて新型コロナの患者が確認されてから15日で3年が経過した。パンデミック(世界的大流行)を経て、社会はどう正常化していくのか。各分野の現状を連載しながら、ウィズコロナ時代を展望する。 連載「パンデミックの先に」は、全7回です。 このほかのラインアップは次の通りです。 第2回 重くのしかかる
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こんな症状に要注意 新型コロナにもある子どもの脳症リスク
2022/12/26 14:00 2012文字新型コロナウイルス感染症にかかった子どもについて、インフルエンザと同じような脳症になる例が報告されている。インフルエンザよりも発症のリスクが高い可能性があるという。どんな症状に注意すればいいのだろうか。 「けいれんが15分以上止まらない」 「けいれんを繰り返す」 「けいれんが止まった後に意識がなく
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里山のシンボル・オオタカ 希少種から外れた後の実態は
2022/12/19 11:30 1748文字里山のシンボル・オオタカ。大きな羽を広げて大空を雄大に滑空する。生息数は一時、激減したことがあり国から希少種に指定されたが、回復の兆しを見せてからは希少種から外された。それから5年。生息数は増えたのだろうか。 冬になると愛鳥家らは樹林帯を歩き、首から下げた双眼鏡をのぞく。視線の先は、アカマツやスギ
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アクセルとブレーキ、なぜ踏み間違う? 脳の「運動前野」に秘密
2022/12/13 05:30 1799文字高齢者の運転ミスによる事故が後を絶たない。中でも多いのが、ブレーキだと思ってアクセルを踏んでしまう「踏み間違い」だ。なぜわかっているのにミスをしてしまうのか。脳の「運動前野」という領域が、その謎に深く関わっていることがわかってきた。 公益財団法人・交通事故総合分析センター(東京都千代田区)のまとめ
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新型コロナ 海外とは異なる日本の特異な流行調査
2022/12/7 11:00深掘り 2393文字流行の「第8波」と言われている新型コロナウイルス感染症。今も無症状者も含めて全ての感染者の把握を目指した「全数把握」の手法で新規感染者数が毎日公表され、どれだけ増えたか気になる日々が続く。一方、海外では全数把握は重視されておらず、取材すると今や日本の特異さが浮かぶ。専門家は「感染者数だけに着目して
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子宮移植、慶応大が計画申請 承認されれば国内初の実施へ
2022/11/24 20:33 0文字 -
生まれつきや摘出で子宮のない女性 移植は希望を与えられるか
2022/11/24 19:37深掘り 2484文字生まれつきの疾患や、手術による摘出により、子宮のない女性がいる。彼女たちは友人ら周りの状況を気にしながら、思い悩んでいる。もし子宮が移植されるようになれば、彼女たちに希望を与えるのだろうか。 7年前の夏、九州地方で暮らす女性(27)は大学病院の医師の言葉に衝撃を受けた。 「ロキタンスキー症候群です
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子宮移植、慶応大が計画申請 承認されれば国内初の実施へ
2022/11/24 19:31スクープ 986文字移植により、生まれつき子宮のない女性らの出産に道を開く臨床研究が本格化する。慶応大の阪埜(ばんの)浩司准教授(産婦人科学)のチームは24日、親族からの子宮移植の計画を学内の倫理委員会に申請した。審査で承認されれば、国内初の移植手術が実施される。 子宮移植を巡っては、スウェーデンや米国など海外では2
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「どろ亀先生」の森林管理 世界の一歩先行く手法が北海道に
2022/11/18 05:30 2194文字気候変動対策で二酸化炭素(CO2)吸収源となる森林の役割に改めて注目が集まっている。エジプトで開催の国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)では、森林破壊を食い止め、持続可能な開発を進める国際協力の枠組みが発足。保全と木材生産の両立を目指す森林管理が世界の潮流だが、北海道富良野市でい
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アルツハイマー病の新薬は患者の光明になるか 気になる効果と価格
2022/10/11 05:00 2894文字アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」について、米製薬会社と共同で開発している日本の製薬大手エーザイは、最終段階の臨床試験(治験)で症状の悪化を抑える効果を確認した。2023年中の承認を目指しているが、果たして患者を救う薬になれるのか。取材すると、対象となる患者や薬価(薬の公定価格)など実用化に向け
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