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職員の訪問で孤立を防ぐ 更生保護の現場で進む息の長い支援
2023/3/17 08:34 1585文字政府は17日、2023年度からの5年間を実施期間とする「第2次再犯防止推進計画」を閣議決定した。2次計画では、罪を犯した人の立ち直りを支えるため「地域による包摂の推進」が新たに重点課題として掲げられた。更生を目指したものの、戻った地域で孤立し、再犯に走る人も少なくない。更生保護の現場では、出所者や
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入管法改正の狙いは送還忌避、長期収容解消 人権軽視の批判も
2023/3/7 08:38 956文字不法滞在中の外国人が入管施設で長期収容されている問題の解消を図るため、政府は7日、入管法改正案を閣議決定した。政府が入管法の改正にこだわるのは、不法滞在中で国外退去に応じない「送還忌避者」が約3200人(2021年末現在)に上る状態が、入管行政上の課題になっているからだ。 きっかけは04年にさかの
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言葉の壁に心の傷も… 日本に来たウクライナ避難民の今
2023/2/27 05:00深掘り 3753文字ロシアによるウクライナ侵攻で、これまで約2300人の避難民が日本に来た。それ以前から日本で暮らしていた在日ウクライナ人の数(約1900人)を超える。受け入れ当初から避難民には経済面を中心に、国や民間による支援がされてきた。しかし戦争は終結の気配すら見えない。家族の喪失や、戦地にいた経験で受けた「心
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被害者の声で社会認識に変化 性犯罪要件見直し、短期間で再改正へ
2023/2/17 16:53 1938文字性暴力被害の実態に応じた法制度の見直しを議論してきた法制審議会(法相の諮問機関)は17日の総会で性犯罪の成立要件の見直しや公訴時効の延長などを盛り込んだ刑法改正要綱を採択し、斎藤健法相に答申した。要綱に基づく刑法改正案が今国会に提出される見通し。性犯罪規定を巡っては2017年に大幅な改正が行われた
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じゃあ源頼朝は…? キラキラネーム議論は白熱した 法制審議会
2023/2/2 15:00 1264文字戸籍に記す氏名の読み仮名は、漢字の読みや意味からどこまで離れていいのか――。こんな議論を進めてきた法制審議会の部会が2日、戸籍法の改正要綱案をまとめた。奇抜な「キラキラネーム」への懸念から漢字本来の読みや意味に忠実であるべきだとの意見もあった中、通常と異なる読み方も許容してきた日本独自の「命名文化
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離婚後の共同親権 「名ばかり」の懸念も 実現は未知数
2022/11/15 16:59深掘り 2795文字「離婚後の共同親権」の導入を盛り込んだ民法改正の中間試案が15日、有識者で構成する法制審議会の部会で取りまとめられた。男性の育児参加や共働き家庭の増加といった社会的背景が議論を後押しするが、家族のあり方は多様で、制度設計は容易ではない。「離婚後の単独親権」という現行制度の維持を望む声も根強く、共同
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「このタイミングは痛い」 法務官僚、行政の停滞を懸念 葉梨氏更迭
2022/11/11 19:51深掘り 706文字葉梨康弘法相は11日夕に辞表を提出した後、報道陣に「法務省でいろいろと実現したい政策課題があった」と無念さをにじませた。法相就任前には、副法相や衆院法務委員長を務め、法務行政の政策通として知られていた。法務省は現在、重要法案をいくつも抱えており、法務官僚が葉梨氏に寄せた期待は大きく、今回の更迭を「
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性交同意年齢を16歳に引き上げ 公訴時効も延長 法務省、改正試案
2022/10/24 15:00 945文字法務省は24日、性暴力被害の実態に応じた法制度の見直しを議論している法制審議会(法相の諮問機関)の部会に対して、これまでの議論に基づいた法改正試案を示した。性的行為に同意する能力があるとみなす「性交同意年齢」を13歳から16歳に条件付きで引き上げ、性犯罪の公訴時効を原則5年延ばすなどの案を盛り込ん
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「救われない」被害者への配慮にじむも…潜む危険性 性犯罪規定試案
2022/10/24 13:10深掘り 2958文字刑法の性犯罪規定の見直しに向け、法改正の土台となる試案が24日、法制審議会の部会に示された。被害者側が特に求めてきた「不同意性交罪」は採用されなかったが、性犯罪の成立要件を明確化しており、被害者側への配慮がにじむ。ただ、法改正を求める被害者側と、慎重な立場の法律家の双方がいずれも試案に異論を示して
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「日本は楽園ではない」 技能実習生最多のベトナムで起きた変化
2022/10/14 06:00 3857文字外国人が日本で技術を学ぶ技能実習制度は、技術移転を通じて途上国の発展を担う人材をつくるという理念の一方、低賃金で働く労働者として農業や建設業などの現場で重宝されてきた側面がある。だが今、最大の送り出し国ベトナムで、日本を回避する動きが生まれている。日本の産業を支える国で何が起きているのか、現場で探
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悪質宗教対策、骨抜きの懸念 「法人規制は守備範囲外」消費者庁
2022/9/8 21:08深掘り 1082文字党所属国会議員と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係について、調査結果を公表した自民党。教団と接点を持つ議員は計179人に上った。党所属議員の半数近くが関係していたことになり、問題の根深さが浮き彫りになった。自民党は今回の公表で幕引きを図りたい考えだが、事態の収束は見通せない。 政府は今回の
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離婚後の共同親権を提案へ 法務省、法制審部会に 8月にも試案
2022/6/20 07:05 0文字 -
離婚後の共同親権を提案へ 法務省、法制審部会に 8月にも試案
2022/6/20 05:00スクープ 943文字法務省は、家族法制の見直しを議論している法制審議会(法相の諮問機関)の部会に、離婚した父母双方を親権者にできる「離婚後の共同親権」の導入を提案する方針を固めた。現行民法は離婚後の単独親権を定めており、部会は民法改正の中間試案を8月をめどに取りまとめる。その上で意見を公募するパブリックコメントを実施
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教育重視、変わる刑務所 「再犯する懲らしめでは意味がない」
2022/5/19 19:08深掘り 2360文字現行制度の懲役刑と禁錮刑を一本化して「拘禁刑」を創設することなどを盛り込んだ刑法改正案が19日、衆院本会議で可決された。今後、参院で審議される。刑罰の種類が見直されるのは明治期に現行刑法が制定されてから初めて。今回の改正内容は、罪を犯した人(受刑者)を“懲らしめ”るという刑罰の軸足を、新たな被害者
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スマホに「判決が届きました」… 民事裁判、IT化でどう変わる
2022/4/22 20:00深掘り 2524文字民事裁判の手続きをIT化する民事訴訟法改正案が21日、衆院本会議で賛成多数で可決された。今後、参院で審議される。改正案が成立した場合、これまで対面主義・書面主義を原則としてきた民事裁判はどう変わるのか。シミュレーションしてみた。【山本将克、遠山和宏】 ◇日本は「途上国」 米韓など先行 2025年秋
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受け入れ先とマッチ未知数 求められる個別支援 ウクライナ避難民
2022/4/5 21:29深掘り 1941文字ウクライナからの避難民20人が5日、政府専用機で来日した。このうち日本に身寄りがない避難民は、今後政府が借り上げたホテルに移り、住まいや仕事を探していく流れとなる。政府はこの間、多面的な支援メニューを用意しているが、個々の避難民に合わせた細やかな対応が不可欠となる。 今回の避難民は自ら来日を希望し
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養育費、子の自立まで支払いたい 「18歳成人」が問う支援の意味
2022/3/24 06:00 1187文字夫婦の別れが、親子の別れになってはならない。関東地方に住む50代の男性会社員には、離婚した40代の元妻との間に2人の子がいる。長女とは6年間も会えていないが、養育費は欠かさず支払い続けている。子が「20歳」になるまでの取り決めだった。 離婚の原因は性格の不一致。元妻から「上から目線だ」「お金に細か
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構成要件、時効…性犯罪厳罰化で賛否鋭く対立 法制審議論
2021/12/6 19:26深掘り 3213文字性犯罪を被害の実態に応じて厳罰化する法制度の見直しが法制審議会(法相の諮問機関)に諮問され、部会での議論が行われている。刑法の規定の大改正につながる可能性があるが、議論は賛否が鋭く対立している。着地点は見いだせるか。【山本将克】 「対等ではない立場でノーを言えない状態に追い込んで、同意のない性行為
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ネット中傷「厳罰化なら大きな一歩、でも窃盗より軽い」花さん母
2021/11/18 18:17深掘り 2950文字侮辱罪を厳罰化する刑法改正が法制審議会(法相の諮問機関)から答申され、政府は早期に改正法案を国会に提出する方針だ。SNS(ネット交流サービス)をはじめとしたネット社会に横行する中傷を抑止する狙いがあるが、社会はどこまで変わるのか。 ◇「さらなる法整備が必要」 「本当に大きな一歩で感謝の気持ち。しか
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#MeToo、フラワーデモ…性暴力厳罰化求める世論 法制審で激論か
2021/9/10 21:14 985文字上川陽子法相は10日の閣議後の記者会見で、性暴力被害の実態に応じた法制度の見直しを、16日の法制審議会(法相の諮問機関)の総会で諮問する方針を明らかにした。 ◇ 刑法の性犯罪規定は2017年、110年ぶりの法改正で厳罰化された。それでも、さらなる厳罰化を求める世論の高まりは収まらず、
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