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社説

首相が「冒頭解散」を検討 国民が見くびられている

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 主権者たる国民への畏れなど、みじんも感じられない政治がまかり通ろうとしている。

 安倍晋三首相が28日召集予定の臨時国会冒頭にも衆院を解散する方針を固めた。総選挙は「10月22日投開票」の日程を軸に政府・与党は調整に入っているという。

 北朝鮮情勢の緊迫が続く中での選挙となる可能性が高い。にもかかわらず解散に踏み切るのは、今、選挙をした方が自民党はそんなに議席を減らさないだろうという首相の打算以外に考えられない。

 民進党は前原誠司代表に交代した後ももたついている。小池百合子東京都知事と連携して結成を目指すという新党も、今なら準備が間に合わないだろうというわけだ。

 さらに首相の魂胆が透けて見えるのは、首相の所信表明演説や各党代表質問も行わずに解散する案が検討されていることだ。

 首相自身が渦中にある加計学園や森友学園問題は何も解明されておらず、引き続き国会の焦点だ。首相も先の通常国会終了直後は「今後、真摯(しんし)に説明する」と約束していた。

 ところが、それを避けて解散に持ち込むのは、よほど疑惑を隠しておきたいからだろう。首相がそれでこの問題は忘れ去られると考えているのなら国民はなめられたものだ。

 解散・総選挙によって政治空白が生まれ、「北朝鮮問題への対応は大丈夫なのか」との不安もある。

 自民党からは「北朝鮮問題は長期化するから、いつ解散しても同じ」との声を聞く。ならば、なぜそう判断するのか、そして、この問題をどう解決しようと考えているのか、説明すべきだ。

 確かに内閣支持率は一時と比べて回復している。しかし、それは北朝鮮問題という対外的な危機感が現内閣への期待を生んでいるからに過ぎない。首相の努力の結果ではない。

 首相は先月、改造内閣を「仕事人内閣」と自賛した。成果どころか、仕事の中身さえ国会で示す前に解散するということでもある。

 2014年11月、消費増税先送りを理由に衆院を解散した時以上に大義はないと言うべきである。

 首相は米国から帰国後に最終決断するという。冒頭解散は国民不在の選択である。

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