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社説

日本の岐路 希望が公約を発表 「立ち止まる」余裕はない

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 希望の党が衆院選公約を発表した。重点9項目などからなり「国民ファーストな政治の実現」を掲げた。

     とりわけ目を引くのは、消費増税の凍結を公約の筆頭に掲げたことだ。小池百合子代表は記者会見で「原発ゼロ」、憲法改正を含めた3点が柱だと説明した。

     再来年秋に予定される消費税率の10%への引き上げについて公約は「一度立ち止まって考えるべきだ」と記した。小池氏は昨年の東京都知事選挙でも築地市場の豊洲移転を「一旦立ち止まる」と訴え、凍結した。それを念頭に置いた表現だろう。

     だが、国と地方の借金は1000兆円を超し、団塊の世代が全員75歳以上になる2025年も8年後だ。財政危機と社会保障財源の確保に「立ち止まる」余裕などない。

     小池氏は「立ち止まって社会保障全体を見直す」と説明した。社会保障の構想も固めず、負担から背を向けるのでは責任政党とはいえまい。

     外交、内政全体のビジョンがあいまいなまま「小池カラー」の個別政策を並べた急ごしらえ感も漂う。

     公約に盛られた各種の給付拡充策には新たな財源を要する。財源とあてこむ企業の内部留保課税は二重課税にふれるおそれもある。

     議員定数削減など身を切る改革を掲げつつ、負担先送りを説く手法はいくつかの政党が繰り返してきた。一種の大衆迎合だろう。

     経済政策は政策集で「ユリノミクス」として規制改革を強調した。成長重視の基本的方向性は「アベノミクス」とあまり変わらない。「安倍自民」への明確な対立軸が示されたとはいいがたい。

     「30年原発ゼロ」と年限つき目標を示した点には自民党との差別化への意欲がうかがえる。ただし、説得力ある工程を示すべきだろう。

     憲法改正は「自衛隊の存在を含め、時代にあった憲法のあり方を議論する」と9条も議論の対象とした。「知る権利」や地方自治の規定などを改正の目標としたが、安倍晋三首相が提起する9条加憲方式への賛否はあいまいだ。

     公約は、策定過程がほとんど明らかにされずまとまった。急な対応を迫られたとはいえ、小池氏の一存で政策まで決まるのでは政権奪取を目指す政党として大いに不安である。

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