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社説

日本の岐路 首相の討論会発言 これが丁寧な説明なのか

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 選挙構図が二転三転する中、各党の立場や争点がようやく見えてきたのは確かだろう。衆院選の公示(10日)を前に日本記者クラブが主催する党首討論会がきのう開かれた。

     しかし唐突に衆院解散に踏み切った安倍晋三首相の説明は相変わらず説得力を欠いた。

     臨時国会での質疑を封じて解散を表明した際、首相は国会など必要ないといわんばかりに「選挙は民主主義における最大の論戦の場だ」と言い切り、加計学園や森友学園問題の「疑惑隠し」ではないと力説した。

     それでは討論会での説明が国会に代わるものだったろうか。

     加計問題に関して首相は「私が影響力を行使したわけではない」と、これまでの国会答弁を繰り返した。加えて、首相寄りの関係者の証言がもっと報じられていれば国民の理解は進んだ--とマスコミに責任を転嫁するような反論も展開した。

     また森友問題では、首相の妻・昭恵氏の国会招致について「私が代わって十分に説明している」と引き続き拒否する考えを示した。

     「丁寧に説明する努力を積み重ねたい」という首相の約束はどこへ行ってしまったのか。これでは国民の不信感が消えるはずがない。こうした首相の姿勢も含め、引き続き衆院選の焦点となるだろう。

     首相は北朝鮮問題を挙げて「国難突破解散」だと言う。討論会では今後、北朝鮮情勢はさらに緊迫するとの見方を示した。今のうちに衆院選を行い、国民の信を得て乗り切りたいとの考えかもしれない。

     だが、そうした情勢分析をしているのなら、まず国会できちんと説明するのが筋だ。説明もなく「国難」と不安をあおって選挙に臨むというのは、やはり順番が逆だ。

     一方、希望の党の小池百合子代表は、選挙後の首相指名で党として誰に投票するか、「選挙の結果も見ながら進めていく」と重ねて語った。

     小池氏は選挙後、仮に安倍首相が退陣する事態となったら、自民党、もしくは自民党の一部と連携する可能性も否定していないようだ。

     ただし、こうしたあいまいな姿勢は有権者には分かりにくい。小池氏自身が出馬せず、しかも政権選択選挙だと言う以上、首相候補は衆院選投票前に決めておくべきである。

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