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衆院選

元議員の妻 一騎打ち「女性目線で」「実績見て」

街頭演説で「生活者目線」を強調する石川香織氏(右)と実績をアピールする中川郁子氏=北海道上士幌町で

 北海道11区は全国有数の農業地帯として知られる十勝地方が選挙区だ。中心地である帯広市のスーパー跡を利用した立憲民主新人、石川香織氏(33)の選挙事務所には「選挙活動を支える同世代の女性のために」と託児スペースが設けられている。滑り台に興じ、三輪車を走らせる子供たち。候補の3歳と1歳の子供が姿を見せることもある。選挙中、夫の知裕氏が子供の世話をすることになった。

 もともと知裕氏が出馬するはずだった。自由党の小沢一郎共同代表の秘書出身。政治資金規正法違反事件で、2013年5月に議員辞職し、有罪確定。公民権回復を今月24日に控え、民進党からの政界復帰を目指していたさなかの解散だった。

 民進党は夫に代わり支持者回りを重ねてきた香織氏の擁立を急きょ決めた。直後、希望の党との合流問題が起き、香織氏は立憲民主入りを決断。激動の日々が続く。

 公示後、初の週末となった14日、香織氏は各地で個人演説会を開いた。選挙戦では「家族に支えられてこういう立場になったが、私は夫の身代わりではない」と強調してきた。野党共闘で候補を取り下げた共産党の支援も受けている。「女性、母親、生活者目線で政策を訴えたい」。そう力を込めた。

 一方、自民党からは前職の中川郁子(ゆうこ)氏(58)が立候補した。夫昭一・元財務相は09年の衆院選で知裕氏に競り負けた約1カ月後に急逝。郁子氏はその2年後に出馬を決意し、12年の初選挙で知裕氏を破り、議席を獲得した。両候補とも東京の聖心女子大卒で、夫同士は1勝1敗。「元衆議院議員の妻」の一騎打ちとなった。

 選挙戦で農水政務官の経験もある郁子氏は、地元の台風被害への迅速対応など地道な実績をアピールし、「混乱や停滞ではなく、未来の扉を開き続ける政権の継続を」と訴える。陣営関係者は「女性対決ではなく、政治家個人の対決として見てもらいたい」と話す。

 また、今回の選挙では、元衆院議員の鈴木宗男氏が代表の新党大地が郁子氏に初めて推薦を出し、注目されている。鈴木氏は昭一氏の父で自民党の派閥を率いた一郎氏の元秘書。35年前の一郎氏死去後、昭一氏と後継者を激しく争った因縁がある。郁子氏が鈴木氏支援者の票をまとめきれるかも、選挙戦のカギとなりそうだ。

 郁子氏は13日夕、二階俊博幹事長を招いた集会を開き、陣営の引き締めをはかった。「夫が亡くなったときは高校2年生だった」。壇上に上げた長男を紹介しつつ、訴えた。「私たち家族を助けていただいた十勝の皆さんのため、これからも仕事をさせていただきたい」【鈴木斉】

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