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社説

視点・総選挙 北朝鮮の脅威 「国難」と言うのならば=論説委員・布施広

 北朝鮮の核・ミサイルの脅威が増大し、安倍晋三首相が「国難」と言う中での選挙である。

     が、その割にミサイル防衛(MD)をめぐる論議が熱を帯びないのはなぜだろう。万々が一、日本にミサイルが飛来した時の命綱のはずなのだが。

     各党の公約を見ると、自民党は「陸上配備型弾道ミサイル防衛システム(イージス・アショア)」の導入に前向きで希望の党もMDに言及している。

     だが、米軍と米防衛産業が開発を競うMDはどこまでミサイル迎撃に有効なのか、国民の判断材料はあまりに少ない。

     実は政治家もよく分かっていないのではないか。たとえば2007年に久間章生防衛相(当時)は講演で、敵ミサイルはMDシステムで「99%は排除できる」との認識を示した。

     ところが09年には鴻池祥肇官房副長官(同)が国会で「ピストルの弾同士が当たるのは、なかなか難しい」と述べた。迎撃はほぼ不可能との見方だろう。

     政権与党(自民)の要人が正反対のことを言うようでは納税者の立場がない。MDの有効性を日本側が主体的に評価・判断し、日米合同の迎撃実験の結果などを踏まえて国民的な議論を深める必要があるはずだ。

     思い出すのは00年、ノーベル賞を受けた米国の科学者50人が、米国のミサイル防衛システム(当時の呼称はNMD)の配備に反対する書簡をクリントン大統領に提出したことだ。

     その根底には技術的可能性への疑問がある。半面、MDの技術は進歩している。問題なのは、その辺を踏まえた議論が、MDのお得意様の日本ではほとんどなされてこなかったことだ。

     米国の実験を何度も見学した私は、MDには限界があり過信すれば外交を誤りかねないと考える。ミサイルの脅威を取り除く上で米国の科学者たちが重視したのはやはり外交だった。

     首相の言う「国難」は一日にして生じたわけではない。1998年に日本を飛び越えるミサイルを発射して以来、北朝鮮が目指すところは明白だった。

     では日本政府は危機を未然に防ぐ外交を強力に展開してきただろうか。高価なMDは国民の安全を確かに守れるのか。為政者が「国難」と言う時はそれらの点も問われるはずだ。

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