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衆院選 利用進む期日前投票 公示後5日で前回の1.5倍

イオンモール春日部店に設置された期日前投票所。買い物に訪れた地元の有権者が午前10時から午後8時まで利用できる=埼玉県春日部市で12日午後7時ごろ

 22日に投開票される衆院選で、全投票に占める期日前投票の利用が増えている。公示後5日間の期日前投票者数は410万7108人で前回(2014年)の同期間の1.52倍に達した。期日前投票所として店舗のスペースを提供したり、期日前投票のための半日休暇制度をつくったりと、企業も活用を後押ししている。

     人材コンサルティングサービスのサイエスト(東京都港区)は投開票日が22日になったことで急きょ、社内規則に投票休暇を新設した。全社員を対象とした海外研修が19日から4日間の日程で予定されていたため、期日前投票を活用するしか投票の機会を確保できなかったためだ。通常の出社は午前10時までだが、期日前投票に行く社員の出社は正午まで猶予することにした。

     同社の担当者によると、社員の3割が保育園などに子供を預けて働く女性で、退社後は期日前投票所に立ち寄る余裕がない。だが、投票休暇を利用すれば、子供を預けてから出社までの合間に投票する時間ができる。「選挙に参加することは社会人の務め。休暇制度で社員の投票率は100%になるはずだ」(担当者)という。

     期日前投票は03年施行の改正公職選挙法で創設された。衆院選では過去4回実施されており、小選挙区の投票者に占める期日前投票者の割合は05年(12.89%)から14年(24.03%)まで右肩上がりだ。ショッピングセンターのような場所で投票できるようになり、全投票者の4人に1人が活用するまでに増加した。

     総務省によると、催事場などに期日前投票所を設けたショッピングセンターや複合商業施設は09年の衆院選で11カ所だったが、14年は44カ所になった。期日前投票所の数の増加率(1.1倍)を上回る4.0倍のペースで増えている。16年7月の参院選では162カ所だった。

     イオングループは07年の地方選で初めて店舗の一部を期日前投票所として提供。昨年の参院選も全国で55カ所の店舗に期日前投票所を設置した。今回の衆院選では52カ所。広報担当者は「解散が急で催事場のイベントとの調整が難しかったため、昨年の参院選で設置した店舗で使えないところもあった」と説明した。

     期日前投票者数が増加する一方で、投票率は下降傾向にある。こうした現状について、選挙制度に詳しい社会学者の西田亮介・東京工業大准教授は「有権者にとって選挙の重要度は低くなっている。ライフスタイルの多様化で投票日の日曜に出勤するケースもあり、『あえて行く』のではなく『ついでに行く』ことができるショッピングセンターなどへの期日前投票所設置は、投票率低下の歯止めに効果的ではないか」と話している。【水戸健一】

    鹿児島では行列「こんなのは初めて」

     22日投開票の衆院選は、商業施設に投票箱が設けられるなど利便性が向上したこともあり、期日前投票をする有権者が増えている。各選管は前回(2014年)戦後最低の52.66%だった投票率のアップに期待する。

     各地の選管によると、公示翌日の11~19日までの期日前投票数は、前回の同期間と比べ鹿児島市で1.64倍▽熊本市で1.48倍▽福岡市で1.47倍--だった。台風が接近する鹿児島市では20日、期日前投票所に最大10分の待ち時間ができ、市の担当者は「こんな行列ができたのは初めて」と驚いた。

     利便性向上のため商業施設で期日前投票所を設ける取り組みも進み、宮崎市は「宮交シティ」に、大分県別府市は「ゆめタウン別府」に21日まで設置。福岡県古賀市も20、21日、JR古賀駅前のスーパー「サンリブ古賀」に投票箱を置いた。パート女性(63)は「買い物ついでに来た。突然の解散で始まった選挙だったが投票は大事だと思う」と話した。【下原知広、青木絵美】

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