放送局のインタビューに答える公明党の山口那津男代表=東京都新宿区で2017年10月22日午後10時23分、太田康男撮影

 公明党は小選挙区、比例代表合わせて公示前勢力の35議席の確保を目指したが、神奈川6区を落とすなど厳しい戦いを強いられた。公明党の小選挙区候補が落選するのは、政権を奪還した12年衆院選以降で初めての事態。比例代表の東北、北関東、近畿、九州の4ブロックで定数が削減された影響にも苦しんだ。

 公明党の山口那津男代表は23日未明の記者会見で「神奈川6区は立憲民主党に共産党が連携する形で、野党の分裂した支持が集約されていった」と小選挙区の敗因を分析した。自民党が堅調に議席を確保する中、躍進した立憲民主党に中道層を取り込まれる傾向は比例代表の苦戦にもつながった。安全保障関連法や「共謀罪」法の制定で自民党に協力したことが中道層の「公明離れ」につながったとの見方もある。

 「中道政党で一貫している。公明党が連立にいることで自民党には拾えない中道の意見を政権運営に反映し、政治の安定をもたらしている」。公明党の井上義久幹事長は22日夜、テレビ東京の番組で中道政党としての存在意義を強調したが、選挙後は「勝利」の勢いに乗る安倍首相が改憲論議を加速させるとみられる。改憲に協力する右寄りのスタンスを取るのか、慎重姿勢を続けて中道層の支持回復を図るのか、公明党は難しい対応を迫られる。

 憲法が衆院選の争点となったかを会見で問われた山口氏は「あまりそうは思わない。選択肢が示されていない。それぞれの党が違った主張をし、自民党自身も党の中で一つにまとめ切れていない」と指摘。希望の党などと連携して拙速に改憲論議を進めないよう首相をけん制した。

 公明党は「野党第1党を巻き込んだ憲法論議」を主張してきた経緯があり、9条改正に反対する立憲民主党の躍進が「安倍改憲」への抵抗材料になる可能性もある。山口氏は22日夜のNHK番組で「憲法改正は国会が発議する。与党の枠組みがそのまま持ち込まれるわけではない。幅広い合意形成が大切だ」と述べ、改憲論議への難しい立場をにじませた。【木下訓明】