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沖縄知事選

基地問題に苦しむ県民 移設問題争点化6回目

土砂の投入に向けて埋め立て予定区域の護岸工事が進む辺野古の沿岸部=沖縄県名護市で2018年4月19日、本社機「希望」から徳野仁子撮影

 沖縄県知事選が13日告示された。日米両政府による米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還合意から22年。安倍政権は、移設先の名護市辺野古の海に埋め立て用の土砂を投入する直前まで工事を進めたが、県民の反発は根強く、知事選で移設問題が争点になるのは6回目だ。事実上の一騎打ちとみられる2人の候補は早速名護市に入り、対照的な演説を展開。基地問題に苦しみ続ける県民が訴えに耳を傾けた。

 安倍政権が全面支援する前宜野湾市長の佐喜真淳(さきま・あつし)氏(54)は大票田の那覇市の選挙事務所前で出陣式を終えると北へ向かった。移設計画で揺れる名護市中心部近くでマイクを握ったが、基地問題には一切触れずに「ヤンバル(沖縄本島北部)の中心地、名護市をスピードアップして発展させると約束する」と、過疎に悩む北部地域の振興を訴えた。

 佐喜真氏は、2月の名護市長選で政権側の支援を受けて初当選した保守系の現市長と連携する姿勢もアピール。移設反対派による2期8年の前市政を「市民不在のイデオロギー満載の市政運営のおかげで中心地はシャッターが下り、子育て世代から高齢者まで厳しい環境に置かれた」と批判する場面もあった。

 演説を聴いた地元の会社員男性(45)は「辺野古の基地建設は現実的に工事が進み、止めることができないのでは。それよりも新知事には名護市内に観光施設の整備などを期待している」と話した。

 移設阻止に力を尽くして先月急逝した翁長雄志(おなが・たけし)知事の後継候補、元衆院議員の玉城(たまき)デニー氏(58)も、母親の出身地である本島北部の離島、伊江島で第一声を終えた後に名護市に入った。反対派の市民が座り込みを続ける辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前を訪れ「辺野古の新基地建設は認めない。子どもたちに再び過重な基地の負担を押しつけるわけにはいかない」と基地問題に正面から向き合った。

 玉城氏は、現市長が移設への協力を前提にした政府からの米軍再編交付金を財源に保育料の無償化を実現したことも意識し、福祉や経済政策も強調。「沖縄の自立型経済を確立し、そこで得られた収入を県民の笑顔と暮らしのために還元したい」と声を振り絞った。

 本島中部の読谷村から駆けつけた主婦の富樫純子さん(64)は「お金をもらって基地とともに生きていかなければいけない沖縄を、子どもたちに残したくない」と語った。【比嘉洋、佐野格】

フランス留学7年間滞在 空手指導も

 佐喜真氏は1964年、沖縄県宜野湾市生まれ。千葉商科大では空手部に所属。卒業後にフランスに留学して約7年間滞在し、空手の指導もした。2001年、急逝した父の跡を継いで宜野湾市議に。県議を経て、12年に宜野湾市長に就任。過去6回の選挙では負け知らずだ。空手は黒帯の有段者で、10日の総決起大会では演武を披露した。憲法改正を目指す保守系団体「日本会議」によると、09~12年に正会員だった。

DJから沖縄市議へ デニーは愛称

 玉城氏は1959年、現在の沖縄県うるま市生まれ。父は沖縄に駐留していた米海兵隊員、母は日本人。父は玉城氏が生まれる前に帰国し、母の知人女性に育てられた。東京都内の専門学校を経て、沖縄で福祉施設の臨時職員に。その後、ラジオのパーソナリティーとして活躍した。沖縄市議を務めた後、2009年の衆院選沖縄3区で民主党公認で初当選し、4期務める。本名は康裕(やすひろ)で、「デニー」は愛称。

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