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いびつ、恨み…大阪ダブル選「ネーミング」を考えた

記者会見をする松井一郎・大阪府知事(左)と吉村洋文・大阪市長=大阪市中央区で2019年3月8日午後6時23分、山崎一輝撮影

 「公明に合意をほごにされた」「都構想がつぶされかけている。状況を打破するため、もう一度世の中の皆さんに問いたい」。大阪府の松井一郎知事(大阪維新の会代表)と大阪市の吉村洋文市長(同政調会長)が8日、そろって辞職を表明した。維新が命運をかける「大阪都構想」を巡り、協力関係にあった公明党との協議が決裂したためだ。知事と市長が入れ替わって出馬する前代未聞のダブル選は、4月の統一地方選と同日で実施される。松井知事らは「クロス選」と呼び、統一地方選と合わせることで長期的には選挙費用を抑えられるとも主張している。この選挙をどうみるのか――。4人の著名人にふさわしいネーミングを考えてもらった。

ジャーナリストの大谷昭宏氏

「どの面下げて選挙」 ジャーナリストの大谷昭宏さん

 一度決着が付いているのに、また住民投票をやるための選挙だ。大阪都構想を実現させないと、維新としての政治的存在意義が薄れてしまうというのは分かるが、いいかげんにしてくれと言いたい。

 松井知事と吉村市長は、公明党との合意文書を暴露したり、どう喝したり、およそ政治とはかけ離れた駆け引きばかりで非常に不愉快な思いで見ていた。府と市を二重行政だと言いながら、入れ替わることで任期を丸々4年間やろうというのは狡猾(こうかつ)な手口だ。

 生粋の大阪人は一度済んだことをうだうだ言わないところがスマートだなと感じている。いつまでも結果をほじくり返しクレームを付けていたらきりがないし、大阪的な“面”でない。

大阪国際大准教授で「全日本おばちゃん党」代表代行の谷口真由美さん=所属事務所「三桂」提供

「恨みつらみ選挙」 「全日本おばちゃん党」代表代行で大阪国際大学准教授の谷口真由美さん

 維新は住民投票で僅差で負けたことに恨みつらみがあるように思えるんですわ。でも当時、住民投票は「ワンチャンス」って言うてましたよね、私は覚えているよ。大見え切ったのに、また選挙だなんて、どのお口が言うてはんのやろ。一生に一度のお願いは二度も三度もあるんかと。住民投票はワンイシューですが、選挙にはいろんな公約がありますよね。都構想は反対でも維新を支持した人もいると思うんです。改革してほしいことは他にもあるのに辞めるなんて無責任ちゃいます? 大阪のおばちゃんとしては「お金がそんなにあるんやったら他にもやることあるんちゃうの」って言いたい。大阪って、のんきでお金があって幸せで平和な街なんですね。私の目にはそう映ってないんですけどね。

お笑い芸人・メッセンジャーの黒田有さん(49)=大阪市中央区で2018年10月30日、大西達也撮影

「映えれるか選挙」 お笑い芸人のメッセンジャー黒田さん

 2015年の住民投票は、若者の投票率が低かった。「インスタ映え」する選挙にして、若者に興味を持ってもらわないと。府議選・市議選だけでは地味だが、ダブル選を同時にすることで盛り上がる。今回の決断は、メディア戦略の側面もあると思う。

 知事と市長が入れ替わるのは、珍しい。僕は漫才師だけど芝居も書くし、相方は落語もする。決して無駄にならないし、武器になる。知事を経験したからこそ市長としてできることがあり、府市統合の理念にもつながる。

 維新は公明党への恨み節ばかり言わず、都構想で大阪がどう変わるかを分かりやすく発信してほしい。橋下徹前市長の引退後、議論の盛り上がりに欠けているんじゃないか。

作家の若一光司氏

「いびつな自治軽視選挙」 作家の若一光司さん

 広域構想として出発したはずの都構想は、今やメリットの乏しい大阪市解体構想でしかない。その実現を左右する有権者の民意は、4月の統一地方選で大阪府・市両議会の獲得議席数に反映されるのだから、松井知事と吉村市長は選挙応援で最善を尽くせばいい。

 自分で辞任時期を決められる首長の“出直し選”は圧倒的に現職有利で、その勢いで議会の議席増を後押ししようとするのは、自治行政軽視のいびつな選挙戦術だ。

 状況がここまで複雑化した責任の一端は、公明党にもある。表向きは厳しく都構想を批判しながら、その内実を議論し合う前に住民投票の実施を密約していたこの党のどこが「公明正大」なのか。住民不在の裏取引などで、大阪の未来がゆがめられてはならない。 

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