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自民、改憲論議停滞に焦り 他党応じる気配なく

憲法改正論議は今国会でも進んでいない

 国会で憲法改正論議が進まないことに、自民党内で焦りが広がり始めた。安倍晋三首相は自衛隊の存在を明記する改憲になお意欲的だが、他党が応じる気配はない。自民党憲法改正推進本部(下村博文本部長)では仕切り直しを促す声も出ている。

 首相は20日、東京都内で開かれた夕刊フジ主催の改憲派集会にビデオメッセージを寄せ、「憲法に自衛隊と明記し、違憲論争に終止符を打つ。その責任を果たす決意だ」と訴えた。首相が2017年5月に初めて提起したころに比べると9条改憲論の注目度は下がっているが、政権の求心力を維持するため、簡単に旗を降ろすわけにはいかない。

 自民党は国会の憲法審査会で党の改憲4項目に関する条文案をできるだけ早く説明しようとしていた。ところが、それを見透かした野党は、国民投票で改憲案への賛否を呼びかけるCMの規制強化を憲法審で議論するよう要求。予算審議が終わった4月以降も、憲法審が開かれるめどは立っていない。

 行き詰まりを打開するため、文部科学相経験者の下村氏は最近、「経済的理由にかかわらず教育を受ける機会の確保」を国に義務づける「教育充実」から議論する姿勢に転じた。周囲には「教育なら野党も応じやすいはずだ」と狙いを語る。

 自民党教育再生実行本部は下村氏に歩調を合わせ、「憲法における教育課題を考えるプロジェクトチーム」を2月に設置した。さらに下村氏は今月13日の衆院文部科学委員会で、憲法審に先駆けて「教育充実」の条文案を読み上げる奇策に打って出た。

 とはいえ、改憲論議に応じない野党を「職場放棄」と批判した過去を持つ下村氏に、野党は冷ややかだ。そもそも立憲民主党は教育充実に改憲は不要という立場で、教育は接点にはなりにくい。

 下村氏の足元の自民改憲推進本部では、顧問の船田元(はじめ)元経済企画庁長官が25日のメールマガジンで「4項目をいったん脇に置き、各党と新たな共通テーマを探し出すことは可能だ」と主張した。特別顧問の保岡興治元法相も「野党が審議に応じられるように工夫する」と、かつての与野党協調路線に戻るよう提唱する。

 衆院憲法審のある自民党委員は「こんなに早く特定の改憲項目の議論を求めたら、憲法審の運営には逆効果だ」と下村氏の手法に懸念を示した。【田中裕之】

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