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全国唯一の“女性議員ゼロ”市 「ガラスの天井」破れるか

出発式で候補にエールを送る支持者ら=鹿児島県垂水市で2019年4月14日午前9時20分、田中韻撮影

 統一地方選後半戦の一般市長、市議選が14日告示された。全国の792市で唯一、これまでに一度も女性議員が誕生したことのない鹿児島県垂水(たるみず)市議選では、無所属新人の女性2人が立候補した。「ガラスの天井」は破られるのか。全国注視の選挙戦が始まった。

 「女性だからできること、女性でなくてはできないことを今こそ政治に反映させましょう」。告示日の14日、女性候補の1人が出発式で熱弁を振るうと、支持者の女性ら約20人が「議会に女性の力を」「私たちはできる」と気勢を上げた。

 垂水市はブリなどの養殖漁業や果実、野菜栽培が盛んな、鹿児島湾に面した人口約1万5000人の風光明媚(めいび)なまちだ。ただ住民たちによると、「出るくいは打たれる」「男性を立てる」といった慣習や気質があるといい、「女だてらに選挙に出るなんて、という意識がいまだ根強い」と話す住民も多い。

 市の記録では女性は1963、67、99年に各1人が立候補したのみで全員落選し、58年の市制施行以来、60年余り「女性議員ゼロ」が続いている。今回の女性の立候補は実に20年ぶりだ。

 今回は政治分野の男女共同参画推進法の施行後、初の統一選ということもあり、県内の女性議員グループ「鹿児島県内の女性議員を100人にする会」が候補者発掘に力を入れ、会の支援を受けた2人が手を挙げた。

 垂水市議選には、定数14に対し17人が立候補した。女性候補2人は「男性ばかりの議会では生活者目線の政治にならない」などと主張し、産前産後ケアや細やかな財政チェックなどを訴える。有権者の男性も「男女が一緒に考えてこそ本当の意味の政策ができる」と好意的だ。

 ただ、性別ばかりに注目が集まることには、男性候補の陣営から戸惑いの声も上がる。ある陣営の関係者は「女性の政治参加は必要だが、選挙が『男対女』の構図になったら政策論争にならない」と話した。【田中韻、新開良一】

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