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地方再生の手法問う ふるさと納税で国と対立の大阪・泉佐野市長選

りんくうタウン周辺。中央はりんくうゲートタワービル、奥は関西国際空港=大阪府泉佐野市で2014年9月2日、本社ヘリから久保玲撮影

 財政悪化に苦しんできた大阪府泉佐野市は、返礼品を航空会社のポイントにするなどして2017年度に全国1位の約135億円、18年度には市の財政規模に匹敵する約500億円もの寄付を得た。一方、国は返礼品競争を問題視して法改正し、市は6月以降、制度に参加できない可能性が浮上。統一地方選の後半戦が始まった14日告示の市長選では、国と地方の対立、東京一極集中への反発もテーマになりそうだ。

 「総務省に負けるな」「国と地方が対等に話し合うための大きな戦いだ」――。現職の千代松大耕(ひろやす)氏(45)は14日、市内の事務所で出陣式を開催。来賓が次々に気勢を上げた。同氏は寄付額の最新の見通しまで披露し、「日本一のまちにしたい」と訴えた。一方、新人の竹崎博一氏(66)は南海泉佐野駅前で福祉や教育の充実を目指すとアピールした。陣営は「過去の経緯からふるさと納税の取り組みを全否定はできないが、過当競争の先頭を切り、法律改正を招くまでのめり込んだ」と批判している。

 同市は1994年の関西国際空港の開港に伴う巨額のインフラ整備などがたたり、08年度決算で財政健全化団体に。職員数や給与削減、事業見直しで13年度に脱却したが、収入確保のため、ふるさと納税に力を入れてきた。返礼率を3割以下とする国の方針に「対応は自治体の判断に委ねられている」とし、約1000種類以上の返礼品を用意。08年度に約700万円だった寄付額は爆発的に増加した。6月からの新制度では寄付額の3割以下の地場産品に限られる。市は国の方針に再三、異を唱え、ネット通販大手のギフト券を返礼品に付ける「閉店」キャンペーンなどを展開。そうした工夫で増収に成功したが、新制度の下で参加できても「寄付額は100分の1以下に減る」という。市幹部は「関空連絡橋の国有化で固定資産税を失うなど国の方針に翻弄(ほんろう)された。財政危機に陥っても国は何もしてくれなかった」と話す。

 東京一極集中が進む中で始まったふるさと納税。総務省が今月公表した18年10月時点での人口推計によると、前年より増えたのは東京や埼玉、千葉、神奈川など7都県のみで、大阪の人口減少率は前年よりもわずかだが拡大した。東京圏への一極集中には歯止めがかからず、地方都市は危機感を募らせているのが実情だ。【矢追健介】

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