メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

高校生、薄れる1票のリアリティー 政治への満足度は「プラマイゼロ」 埼玉大調査

投票=イメージ

 埼玉大学社会調査研究センターは、さいたま市内の高校生を対象に政治意識調査を続けている。18歳選挙権が導入された2016年以降、3回の国政選挙後にそれぞれ実施した調査結果を分析すると、高校生らの政治に対する不満の度合いは年を追うごとに低下する一方で、自らの1票が政治を動かすという感覚が上級生になるほど希薄になる様子が浮かんだ。【平林由梨】

 調査は、さいたま市立4高校の生徒を対象に、16年参院選、17年衆院選、19年参院選の各国政選挙後に実施し、それぞれ948人、1341人、2962人から回答を得た。

 日本の政治を実際に動かしているのは誰だと思うか尋ねたところ、19年調査では「国民一人一人」との回答は18%で、最多だった「国会議員」の22%を下回った。学年別にみると、「国民一人一人」の割合は1年生21%、2年生18%、3年生14%と、上級生になるほど低い。16、17年調査でも傾向は同じだ。

 3回の調査結果の推移をみても、16年調査で「国民一人一人」と回答した1年生は25%だったが、2年生になった17年調査では18%に低下した。16年調査で18%だった2年生は、3年生になった17年調査では12%まで落ち込んだ。17年調査で20%だった1年生は、3年生になった19年調査では14%に低下する。

 松本正生・同センター長は「せっかく18歳選挙権が実現したにもかかわらず、肝心の高校3年生に自らの投票が有効という感覚、すなわち『1票のリアリティー』が希薄だ」と指摘する。

 一方、調査では政治に対する満足度や、政治家への信頼度も尋ねた。現在の政治に「満足(大いに+だいたい)」の割合から「不満足(大いに+やや)」の割合を差し引いた「政治満足度」は16年調査でマイナス22ポイントだったが、17年調査は同10ポイントとマイナス幅が減少。19年調査ではプラスマイナス0ポイントへと変化した。

 政治家について「信頼できる(とても+ある程度)」の割合から「信頼できない(全く+あまり)」の割合を差し引いた「政治家信頼度」は16年調査でマイナス47ポイント、17年調査で同42ポイントと大幅なマイナスだったが、19年調査では同26ポイントと、こちらも3回の調査を通じてマイナス幅が大きく縮小した。

 松本センター長は「ほんの数年で、政治に対する不満も政治家に対する不信感も相当に低下している。1強多弱の安倍政権が長期間にわたって続いている影響かもしれないが、現状の肯定というより、政治を意識すること自体がなくなりつつあるのではないか」と、関心の低下を懸念している。

 19年調査では、政党の知名度についても調べた。政権与党の「自民党」以外に知っている政党名を自由にいくつでも書いてもらったところ、自民党と連立政権を組む「公明党」を挙げた生徒が全体の38%に当たる1133人にのぼり、最多となった。長年にわたる与党としての活動が高い知名度につながったようだ。

 知名度で公明党に続いたのは、19年参院選で初めて国会に議席を得た「NHKから国民を守る党」31%(930人)で、野党第1党の「立憲民主党」28%(825人)を上回った。政見放送やユーチューブ動画などを駆使したNHK批判が、多くの高校生の印象に残ったとみられる。

 その他、現存する政党でトップ10に入っ…

この記事は有料記事です。

残り595文字(全文1968文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 志村けんさん、新型コロナ肺炎で死去 感染判明から1週間 ドリフターズで活躍

  2. たばこを吸っていると新型コロナで重症化しやすいのは本当か 専門家が警告する

  3. 「みんなしゃべれます」泣き叫ぶ職員 やまゆり園での犯行詳細が明らかに 相模原殺傷

  4. 専門家、新型コロナ「第2波」懸念 「中国と比べものにならない感染者が日本に」

  5. 「どうか静かに見守って頂けますと幸いです」 志村けんさん新型コロナ感染 発表文全文

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです