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都知事選を見に行く

新政策スラスラ語るけど「ゼロ公約」どこへ 小池百合子氏の都庁「第一声」にモヤモヤ

東京都知事選が告示され、報道陣の取材に応じる小池百合子氏=東京都新宿区で2020年6月18日午前10時10分、小川昌宏撮影

 コロナ禍が収まらない中で始まった東京都知事選。都民の苦しみを受け止め、明るい未来を築ける候補は一体誰か。記者が主な候補の動きを追い、随時リポートする。告示日の18日、東京はどんよりした曇天だったが、主役はやはり2期目を目指す現職の小池百合子氏だろう。ならば、と早速「第一声」を聞きに行ったのだけど、何かとモヤモヤ感だけが残る不思議な選挙戦初日になってしまった。【吉井理記/統合デジタル取材センター】 

 いま、話題の人である。

 小池氏の半生をジャーナリストの石井妙子さんが手厳しくつづった「女帝 小池百合子」(文芸春秋)が硬派なテーマの本にしては、15万部超の異例のヒットだ。

 その辛辣(しんらつ)な中身はお読みいただくとして、刊行は都知事選の直前である。

 これは選挙戦の逆風になるのではないか? 小池さんも第一声は銀座あたりで派手にブチ上げ、汗を流しつつ遊説に励むのだろう……と思っていたら、選挙中はコロナ対策などの公務を優先して「3密」回避のため街頭遊説はなし。告示日18日の第一声もホームページの動画上や都庁内で記者団の前で行う、とのことである。

 この「都庁内第一声」も、ナゾの紆余(うよ)曲折があったりで、記者はまず最初のモヤモヤを感じたのだが、それは後に記すとして、野党系候補が乱立する中、自民・公明両党の支持を事実上取り付けた小池氏。「小池与党」である「都民ファーストの会」の都議団を選挙戦の実動部隊に、自身は選挙カーに乗らず都庁で公務優先、というのは自信の表れでもあるだろう。

 というわけで、第一声を聞こうと早速、東京・新宿の都庁へ。恥ずかしながら都庁を訪れるのは初めてである。

 あれ? 何やら入り口に自動式のゲートがある。通るにはIDカードが必要らしいが、都庁の記者会に所属していないので持っていない。どうしよう。

 困っていると、見かねた受付の担当者が、電子端末に名前や所属会社などを入力すれば来庁者向けカードが発行される、と教えてくれた。昨年、「手書きの紙にファクス」という昭和感たっぷりの手続きで入館申し込みをした首相官邸より、だいぶ進んでいる感じ。

 で、午前10時。会場の都庁7階会議室に、イメージカラーの緑のジャケットに、同色のスカーフをチラリとのぞかせた小池氏が都職員らを引き連れて現れた。マスク姿でも一目でそれと分かる。そんなオーラがある。

 「東京都知事、現職・小池百合子、今日から始まる東京都知事選、第一声を行わせていただきます(中略)ホームページですでに第一声を録画しておりますので、(動画を)ご覧いただければと思います」と切り出し、発言は10分20秒続いた。ここで触れた「動画の第一声」、読者は後々までご記憶いただきたい。

 ともあれ、記者が驚いたのは、手元に赤字が書き入れられた原稿を用意していたのに、ただの一度も読み上げるということをしなかったことだ。胸元に抱え込んだまま、ほとんど視線すら落とさずにスラスラ。記者会見では必ず、プロンプターの原稿を読み上げ続ける安倍晋三首相の姿は、読者もよくご存じだろう。だいぶ違うなあ。

 だが、感心したのはここまで…

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吉井理記

1975年東京生まれ。西日本新聞社を経て2004年入社。憲法・平和問題、永田町の小ネタ、政治家と思想、東京の酒場に関心があります。会社では上司に、家では妻と娘と猫にしかられる毎日を、ビールとミステリ、落語、モダンジャズで癒やしています。ジャズは20代のころ「ジャズに詳しい男はモテる」と耳に挟み、聞き始めました。ジャズには少し詳しくなりましたが、モテませんでした。記者なのに人見知り。

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