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全国最多選の首長生まれるわけ 山梨・早川 人口最少の町を歩く 支持者「長すぎる」

早川沿いに建つ県営西山発電所。町はかつて発電所の建設などで人口が増え、にぎわいを見せていた=山梨県早川町で2020年10月15日午後4時33分、山本悟撮影

 全国の町で最も人口が少ない山梨県早川町で20日、町長選が告示された。だが、辻一幸町長(80)以外に立候補者はおらず、選挙戦は行われないまま無投票で町長選は終わった。辻町長は11期連続の当選で、現職首長では最多の当選回数だ。1980年に初当選した辻町長が選挙を戦ったのはこれまでに2回しかない。なぜ対立候補は現れないのか。その理由を知ろうと、町を歩いた。

発電と林業で栄えた歴史

 早川町は富士山の西部、北岳など南アルプス連山のふもとに位置する。面積は約370平方キロと広大で、JR山手線内側の5倍以上だ。町の96%を森林が占め、新緑や紅葉の美しさでも知られている。奈良田温泉や西山温泉など、古くからの湯の町としても有名だ。一方で人口は1040人(1月1日現在)と全国の町では最少で、過疎化に直面している。

 町の中央を流れるのが1級河川の早川。その川に沿って延びる県道を車で走った。点在する集落に人影は少ない。耕作放棄地とみられる田畑が目立ち、草が生い茂る。かつて発電所と林業で栄えたという町の面影は見られなかった。

 早川沿いでは50年代から、戦後復興で急増した電力需要に応えるため、水力発電所が次々に建設された。50年代後半からは高度成長期の住宅需要などを背景に、森林資源を生かした林業が全盛期を迎える。早川町の誕生は「昭和の大合併」の最盛期である56年。旧6村の合併だった。60年に人口が1万人を突破し、町はにぎわった。

 しかし、木材輸入の完全自由化(64年)で安価な外材が流入すると、林業が衰退した。林業関係者は他の仕事を求め、町を離れていく。水力発電所は今も町内11カ所で稼働しているものの、建設は60年代後半に一段落した。発電所運転が自動化した影響もあり、発電所の関係者も姿を消していった。

 過疎化が進む中、登場したのが辻町長だった。木材運搬業…

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