腰痛に悩むすべての人の疑問にお答え!/教えて!腰・腰痛のこと/野中腰痛クリニックの石田貴樹副院長が指南!
日々の暮らしや仕事などにも影響が出る辛い腰痛。その痛みはどんな原因で起き、どんな対処法があるのだろうか。今回は、腰痛治療に多くの実績があり、最新の治療法でも注目を集めている「野中腰痛クリニック」の石田貴樹副院長にさまざまな質問を投げかけ、皆さんの悩みの改善につながるとっておきの情報をお届けする。
原因も症状もさまざま そもそも腰痛とは?
- Q
- どうして腰痛が起こるの?
- A
- 急な動作や長年の負担蓄積などさまざまです。
腰痛の原因は多岐にわたりますが、原因として多いケースを見ていくと、まず急な動作で腰の周りにある筋肉の膜に負担がかかって痛みが出るケースがあります。また、腰の関節が捻挫をしたような状態になった場合も痛みが出ます。さらに、長年の負担が蓄積し、腰の骨と骨の間にある椎間板(ついかんばん)が傷むことで痛みが出ることも多いです。

- Q
- 腰痛にはどんな種類があるの?
- A
- 大きく分けて急性と慢性の2つがあります。
急性の腰痛には、重い物を持ったときなどに腰に力が加わって傷める、いわゆる〝ぎっくり腰〟や、同じ姿勢をずっと取っていることで起こる腰痛などがあります。一方慢性の腰痛は、普段の生活や仕事、スポーツなどで長年腰に負担が蓄積し、椎間板が傷んでしまうケースが多くあります。そのほか、遺伝的な要因も50%程度関与しています。

腰の構造を見てみよう 腰痛のメカニズムは?
- Q
- 何が痛みの原因になるの?
- A
- 腰にある神経の圧迫や炎症が主な原因です。
私たちの背骨は小さな骨が連なっており、それらの骨と骨の間には椎間板があります。この椎間板の損傷や老化などで神経に圧迫や炎症が生じると腰痛の原因になります。この神経は背骨の中の脊柱管(せきちゅうかん)というトンネルを通っており、さまざまな原因で脊柱管が狭くなった場合も、神経の圧迫や炎症が生じて腰痛になるケースが多くあります。
- Q
- 椎間板についても詳しく教えて?
- A
- 骨と骨の間でクッションの役割をしています。
椎間板は2層構造になっており、中央には水分を含んだゼラチン状の髄核(ずいかく)があり、その周りを年輪状の線維輪(せんいりん)が取り囲んでいます。損傷や老化などでこの線維輪に亀裂が生じ、変形した椎間板や髄核が外に漏れ出すことで炎症を引き起こして痛みが出るのが「椎間板ヘルニア」です。また、加齢などで脊柱管が狭くなり、椎間板や靭帯(じんたい)に圧迫されたり椎間板の炎症により痛みが出るのが「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」です。特に、炎症は痛みに大きく関係しています。


症状や状況に合わせて 腰痛はどう治療する?
- Q
- 腰痛にはどんな治療がありますか?
- A
- まず「保存的治療」があります。
保存的治療は、薬や湿布を使ったり、コルセットを巻いたり、リハビリや温熱療法などをする、年齢に関係なく行えてリスクの少ない治療です。痛む部分の神経に麻酔薬を注射するブロック注射なども行います。ただ、痛みの根本原因を取り除く治療ではないので、改善しない方もいらっしゃいます。

- Q
- ほかにはどんな治療がありますか?
- A
- 手術を行う「外科的治療」があります。
椎間板ヘルニアの外科的治療では、神経を圧迫している部分を切除する手術が多く行われています。一方、脊柱管狭窄症では、脊柱管の狭くなっているところを切除して広げたり、厚くなって神経を圧迫している靭帯を切除したりします。また、椎間板が変形して上下の骨が狭くなったり、前後にずれて脊柱管を狭くしている場合は、ボルトを使って脊椎を固定する手術も行われています。こうした外科的治療は1週間から2カ月程度の入院が必要となります。

- Q
- 年々増えている「椎間板治療」とは?
- A
- 傷んだ椎間板の修復・再生を促す治療です。
手術を行う外科的治療と異なり、背中から「穿刺針(せんししん)」という注射針のような長い針を挿入し、それを経由して薬剤やレーザー、オゾンなどを用いる治療です。短時間で行うことができるので、入院の必要もありません。中でも近年注目されているのが米国で開発されたDST法(ディスクシール治療)で、主に損傷した椎間板を修復・再生するための先進的な治療法です。

日帰り可能な腰痛治療! 注目のDST法とは?
- Q
- 最新の「DST法」ってどんな治療?
- A
- 椎間板に薬剤を注入して再生を促す治療です。
DST法(ディスクシール治療)は、椎間板の線維輪に注射針のような長い針(穿刺針)を刺して、フィブリンという薬剤を注入して損傷した椎間板の修復を促し、人が持つ自己再生能力によって腰痛を改善させる治療法です。線維輪が修復されることで髄核の漏れを防ぎ、椎間板を弾力性のある状態に戻して再びクッションの役割を果たすことを目指します。治療におけるリスクが少ないなど、安全性の高さも特徴といえます。
主に腰痛や坐骨神経痛の原因となる椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・すべり症等に適応があります。




- Q
- 治療費用の目安を教えて?
- A
- 自由診療です。下表を参照ください。
外科手術に代わる新たな腰痛治療の選択肢となるDST法は、保険適用外の自由診療となり、1箇所132万円(税込)、2箇所143万円(税込)で、1箇所追加ごとに11万円加算されます。金額には、診察・診断費用、MRI等の検査費用もすべて含まれます。

- Q
- 患者さんにとってのメリットは?
- A
- 体に負担が少なく日帰り治療が可能です。
体にメスを入れる手術ではないので、患者さんに負担が少ないのが大きな特徴です。このため、高齢で外科的治療が難しい方や、一度外科的治療をして再発した方にも良い選択肢になると考えています。また、局所麻酔を使ったり、鎮静剤で眠っていただいている間に短時間で治療が完結しますので、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が日帰りで治療可能となっています。

石田副院長からアドバイス

日常的には身体の使い方がとても大事で、床にあるものを取るときなども、腰だけでなく膝も曲げることで腰への負担が減らせます。歯を磨くときなども体を真っ直ぐにした姿勢が、椎間板への負担軽減につながります。
また、腰痛になり、長くその痛みが続くような場合は早めに医師に診ていただくことをおすすめします。当院で行っているDST法による腰痛治療も、椎間板の修復・再生を促す治療ですので、線維輪の損傷が進まないよう、できるだけ早く来院いただいて治療するのが望ましいです。
さらに、治療後に再発を予防するという観点では、体幹を鍛える運動を実践するといいでしょう。腰は文字通り体を支える「要」です。痛みなどの悩みがあれば、ぜひより良い治療を選択して大切にしていただきたいと思います。
- 脊柱管狭窄症
- 椎間板ヘルニア
- すべり症
- 椎間板変性症
- 腰椎不安定症
- 坐骨神経痛
- 間欠性跛行
- 腰痛
- お尻の痛み
- 足の痛み・痺れ
- に対応
- 2009年
- 高知大学卒業 医師免許取得
- 2012年
- 神戸市立医療センター西市民病院勤務
- 2013年
- 兵庫県立尼崎病院勤務
- 2014年
- 関西労災病院勤務
- 2015年
- 神戸大学医学部附属病院勤務
- 2018年
- 神戸大学医学部附属病院 助教
- 2019年
- ILC国際腰痛クリニック勤務
- 2021年
- NLC野中腰痛クリニック勤務
2年間の研修を経て2022年10月に
ライセンスを獲得
- 2023年
- 医療法人蒼優会理事就任
NLC野中腰痛クリニック副院長就任
