共通テスト どう対策?
共通テストに対して不安を抱える受験生も多いが、どう対策を進めていけばいいのか。
駿台予備学校入試情報室の塩俵正敬さんに聞いた。

24年度の共通テストの出願者数は49万1914人だった。前身の大学入試センター試験を含めると、出願者は6年連続で減少しており、32年ぶりに50万人を割った。18歳人口の減少や、総合型選抜・学校推薦型選抜による進学者の増加といった要因があるが、塩俵さんは「共通テストはセンター試験に比べると対策がしづらく、志望校を私立大専願に変えたり、総合型選抜などの『年内入試』を選んだりする生徒が増えていることも影響しています」と分析する。国公立大志望から私立大志望に変更し、入試科目を絞る生徒が多くなるのが、出願を間近に控えた夏休み後だという。
しかし、塩俵さんは「科目を絞ったり、共通テストを諦めたりしてしまうのは、もったいない」と力を込める。現役生は2学期以降、部活動や課外活動などが落ち着き、これからが勉強に集中できる時期になるからだ。さらに現役生は、特に地理歴史・公民や理科で未習の分野がある。今は模擬試験(模試)で思うように点数が取れなくても「未習分野の学習や対策をすれば、伸びしろはまだまだあります」と話す。
25年度からは「新課程入試」となるが、「共通テスト移行時のような大幅な出題形式の変更はないと考えています。過去問やサンプル問題の研究をしっかりやっていれば、十分対策できます。あまり不安に思わないでください」と塩俵さん。新たに追加される「情報」はどうか。駿台予備学校は昨年度、高校2年生(現在の高3)を対象に行った「情報」の模試の結果を分析。得点分布グラフを見ると、約76%の生徒が50点以上(100点満点)得点できている。「本格的な共通テスト対策をしていないであろう高2秋の時点でもある程度解けており、そこまで対策しづらい科目ではないと言えます。学校の教科書や模試を活用すれば、十分対策できます」という。

今後の学習のポイントについて、塩俵さんは①インプットとアウトプットのバランス②全教科で基礎力を上げるためのスケジューリング③模試の活用――を挙げてくれた。
まず、地歴公民や理科で未習分野がある場合は、急いでインプットを行う。10月後半ごろからは、習熟度が進んだ科目については、過去問や予想問題集などでアウトプットを進める。ただし、まだ過去問を一度も見ていない人は、できるだけ早く目を通しておいた方がいいという。ゴールが分かった上で、学習を進めた方が効率的だからだ。
アウトプットをするときは時間に注意する。共通テストは、国公立大の2次試験より難易度は高くないものの、試験時間内に膨大な量の問題文を読んだり、複数の資料を比較したりしなければならないので、時間との闘いだ。そこで、塩俵さんのお勧めは「過去問を、本来の試験時間より5分短く設定して解く」ことだ。「少し負荷をかけることがトレーニングになります」
続いて、スケジューリング。全科目を1週間に1度は触れるようにするなど、得意科目も苦手科目も満遍なく勉強できるスケジュール設計が大切だ。「どの科目のどの分野で差がついて、合否を分けるか分かりません。全科目、基礎的な問題は解けるようにしておく。その後、得意科目を得点源にできるよう、深めていくのがいいでしょう」と話す。
最後に模試の活用について「模試で出題されたものに似た問題が、本番の試験で出題されることもあります。経験を積むためにも積極的に受けてほしいです」と呼びかける。その際気を付けたいのが、志望校判定を過度に気にしてしまうことだ。「『現時点』で入試を受けた時の合格可能性」程度にとらえ、それよりも苦手な分野を見つけ、改善策を考えるためのきっかけとして活用したい。
今後の共通テストの出題傾向について聞くと、「全体として思考力や判断力、問題解決能力を問う傾向が一層強まっていくでしょう。個別の設問で言えば、連動型問題が出題される可能性があります」と教えてくれた。連動型問題とは、正解となる選択肢が複数あり、どれを選ぶかによって次の設問の正解が変わる形式で、24年度の「世界史B」で初めて出題された。とはいえ、特別な対策は必要なく「出題される可能性があると知っておくだけで、落ち着いて解答できます」という。
受験生へのエールをお願いした。「最後まで第1志望を諦めないでほしい。これからの時期、自分の実力が合格レベルに到達していないと感じる機会が多くなると思います。つらい時期ですが、なんとか耐えられれば、合格が近づくと思います」

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- 本文は毎日新聞本紙特集(2024年9月25日付)を編集、引用しています。
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