大学の理念・研究内容の比較を
受験勉強とともに進めたいのが、大学について調べたり、自分の興味関心を掘り下げ、これから何をどう学んでいきたいかを考えたりすることだ。どういう観点で調べればいいか、駿台予備学校の水原誉仁・上本町校進路アドバイザーにインタビューした。

今は「大学は入学しさえすればいい」という時代ではなく、大学で何をどう学ぶかが重要になっています。そのため、どんな研究をしているか、学んだことを将来どう生かせるかを考えた上で入学しないと、いざ大学生活が始まっても勉強が面白くない、環境が合わないといったミスマッチが起きてしまいます。全国には796の大学があるので、志望校を絞る上でも大学について知り、比較することは重要です。
手軽に調べられるのは、ホームページやパンフレットですね。まず注目してほしいのが、教育理念や各大学のアドミッションポリシー(求める学生像)です。現在の自分や、将来なりたい姿がこれらに合っているのか考えてみてください。ほかにも学生の就職先や、大学院への進学率も数値で比較できるので、参考になるポイントです。さらに、研究内容や研究室の様子がホームページなどで公開されています。関心を持てるものがあるか、一度見てみましょう。最近は大学の紹介動画もあるので、文章で読むより理解しやすいかもしれません。
建物や施設はもちろん、模擬授業などで教授と大学生のやりとりを見てみてください。どんな距離感か、大学生が生き生きと楽しそうにしているか。「在学生が前向きで楽しそうだったので、ここの学校に決めました」という声もよく聞きます。在学生と話せるブースでは、進学理由やカリキュラムなど、生の声を聞けます。さらに、今はウェブ上でオープンキャンパスを開催している大学もあります。新型コロナウイルス感染症がきっかけで始まった取り組みですが、特に地方の受験生からは効率的だと好評です。
まず高校での文理選択の時に「どうしたらいいか分からない」と、壁に当たる生徒が多いです。数学や理科が苦手だから文系を選ぶという人もいますが、「現状の得意・不得意ではなく、関心を優先して選択しよう」とアドバイスします。「好きな科目は」「身近な大人が就いている職業で、面白そうと思うものは」などと質問を繰り返し、興味を掘り下げていきます。

それも分からないという場合は、偏差値などの客観的なデータをもとに「この学部ではこういう勉強ができて、将来こういう職業が選択できるよ」と、複数の選択肢を提示します。その上で大学についての調べ方を教え、次回の面談までに「面白そうなことをしている大学や学部を探してみて」と約束します。生徒自身が納得していないと、モチベーションが上がらない。なので本当は何がしたいか、興味がある分野は何かといった潜在的な憧れや夢を引き出せるように心がけています。
駿台予備学校のアンケートでも、「保護者のサポートが必要」「進学先は保護者と相談して決める」という割合が増えています。だからこそ、保護者の方も大学について知っていただきたく、オープンキャンパスなどへの同行を勧めています。大学のリサーチや、会話をすることで興味ややりたいことを引き出すなど、ご協力いただければと思います。
- ※
- 本文は毎日新聞本紙特集(2024年9月25日付)を編集、引用しています。
大学情報
創価大学では2026年4月に既存の「情報システム工学科」に加え、「グリーンテクノロジー学科」「生命理工学科」(※)を開設し、3学科体制になります。新2学科開設を通じて、理学・工学の基礎知識を超えた応用力や実践力を備えた専門家の育成を目指します。
- (※)
- 仮称・設置構想中。設置計画は予定であり、内容は変更となる可能性がございます。

令和6年度「大学・高専機能強化支援事業」に選定された「グリーンテクノロジー学科(仮称)」ではSDGs達成に貢献する国際的な人材育成のため、気候変動や地球科学、地球観測技術、安定した食糧生産に必要な生物生産工学、環境にやさしい各種低炭素技術を学び、これらを社会に還元するための環境マネジメントや国際ビジネス法などを学びます。また、企業と連携した授業や海外交流校との共同授業、英語での専門科目の授業、海外短期研修など実践的かつグローバルな学びの場を用意しています。
「生命理工学科(仮称)」では、健康と福祉、安心安全な社会の構築に貢献する技術者・研究者を育成するため、生命科学を中心に、最先端分野である糖鎖科学(糖鎖生命システム学)や医療や介護分野で応用可能な光ファイバセンサなどの最新テクノロジーを融合的に学びます。そのために1年次から研究室の実験などに参加する少人数での教育、企業・研究所と連携した実践的な学修を提供します。また、中高理科の教職課程を設け、理科教員養成に特化した特別プログラムを用意しています。