「一日のリズムを崩さない」

歯車が回るように守っています

1/3ページ
 

 「アイフォーンは僕の第二の脳です」。5年前のインタビューのとき、「小説執筆にはスマホが不可欠です」との答えを聞いて、作家もここまで来たかと驚いた記憶がある。その発言の主である作家、貫井徳郎さん(49)に5年たった今、新機種について尋ねたら、「はい、アイフォーンⅩ(テン)は予約するつもりです」と相変わらず愛用者であることがわかった。自宅以外のどこにいても、浮かんだアイデアを手軽にメモでき、調べたい事柄もサッと検索して、原稿のチェックもできる。まずはスマホ談議からスタート。

 今もアイフォーンを活用されているんですか。

 「今持っているのはアイフォーン6Sプラスです。ほら、これが今年フィリピンに行ってダイビングした時の写真です。(と、ご自分のアイフォーン画面をこちらに見せながら)海中でジンベエザメと僕が一緒のところです」

 相変わらず、スマホをいろいろな面で活用されているようですね。私は昨年出たアイフォーン7を購入して、スマホそのものにデビューしたばかり。まだまだ使いこなすところまでは行っていませんね。この秋にも新機種が出ますね。アイフォーン8。アイフォーンⅩ(テン)も続いて発売されますが。

 「僕はアイフォーン8の方でなく、アイフォーンⅩ(テン)を11月に予約、購入するつもりです」

 今では世界的にはアンドロイド系のスマホの方が多数派になっているようですが、やはりアイフォーン命ですか。

 「僕はグーグルのポリシーが好きじゃない。どこに行ったか、何を買ったかなど、逐一自分のデータをさらさないといけないから」

 そのポリシー、というのを今日はうかがいに参りました。仕事や私生活の面で、変えずに守っているルーティン、これだけはしないぞというこだわり……そんなものについてお話しください。

 「小説を書く上では、一日のリズムをすごく大切にしています。一日の生活のサイクル、文章のリズムを崩されるのがイヤなんです。長い時間をかけて作り上げてきた今のリズムが快適な環境なので、簡単に崩されたらたまらないですね」

 と言いますと、日々の生活は大体規則的に・・・・・・。

 「はい。なるべく毎日決まった時刻に起きて、食事して、新聞読んで、フィットネスジムに行って、それから小説執筆にとりかかる。このリズムを歯車が回るように守っています」

 そういった生活はいつごろからですか。始めるきっかけは何かあったんですか。

 「もう22~23年になりますか。小説家になってからですね。デビュー当初は書き下ろし作品を中心にやっていまして、調子が乗ったらカーッといっぱい書いて、1日に400字詰め原稿用紙換算で20枚も30枚も書けました。そんな調子で突っ走って1カ月から2カ月で仕上げていました。ところが、書き上げた後、完全に燃え尽きたというのか、その後何カ月も何も書けない状態が続くんです」

 集中、高揚が続いた後の反動というか、落ち込みが激しいんですね。

 「これではいけないと思っていた頃、そうですね、デビューして5年目の頃だったか、あるベストセラー作家が『私は1日に7枚しか書かない』と話しているのを伝え聞いたんです」

戻る
  • JT
  • 日本推理作家協会