毎日新聞 終活・シニアライフ特集

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葬儀

実践編

「直葬」〜その葬儀スタイルが招くトラブル

最も簡易な葬儀スタイル

近年、葬儀のシーンで多く見受けられるようになった葬儀スタイルがあります。それは直葬(ちょくそう・じきそう)というもので、葬儀や告別式などの一般的な葬儀の儀式を執り行わずに火葬してしまうというスタイルです。この直葬は火葬式とも呼ばれ、数多ある我が国の葬儀スタイルのなかでは最も簡易なものとされています。

増え続ける直葬

この直葬ですが、実際に行われている葬儀の中ではどのくらいの割合を占めているのでしょうか。全国でお葬式やお墓などの情報サービスを手掛けている鎌倉新書が独自に行ったアンケートによりますと、葬儀全体の約16%(2014年現在)を直葬が占めるというのです。約6件に1件の割合で直葬が営まれているということになります。

直葬が選ばれる理由とは

シンプルなスタイルで経済的な負担も少ないということから年々増加傾向にある直葬ですが、直葬が選ばれる理由はそれだけではありません。核家族化による親族数の減少や希薄な近所づきあいなどで会葬者がほとんど集まらないという理由から、簡単に済ませられる葬儀として受け入れられてもいるのです。
直葬は費用も安く済む、会葬者もほとんど呼ばないなど、一見すると現代の葬儀事情にとてもマッチしているように思えます。ですが、直葬はそのスタイルゆえのトラブルも抱えています。

直葬におけるトラブル

直葬を行うこと決める際に真っ先に注意していただきたいのが、菩提寺とのトラブルです。お寺によっては、直葬などの略式な葬儀を嫌う方々も大勢います。葬儀は故人を送る厳粛な儀式ですから、それらを省く直葬は故人をないがしろにしているとなるわけです。

次に気を付けていただきたいのが、親族間のトラブルです。故人の親族や会葬者が少ないとはいえ、誰かしら血縁者がいる場合がほとんどです。そういう血縁者に断わりもなく勝手に直葬を行うと、最後のお別れの機会を取り上げられた、もっときちんと弔ってほしかったというような、いわゆる不義理にあたるとしてトラブルを生むことになります。

三つめは葬儀後のトラブルです。これは実際にお客様からお伺いした話ですが、身内や親族とも十分に相談したうえで親族数名だけで直葬を行ったご家族がいらっしゃいました。直葬は経済的負担も軽く、シンプルで非常に満足したというのですが、その後がたいへんだったとのこと。後から訃報を聞きつけた故人の友人知人が、葬儀後2週間くらいの間ひっきりなしに弔問に訪れたのです。ご家族は弔問客があるたびに、お茶を出し、お話しを繰り返し、精神的にかなり参ってしまったということでした。

トラブルを招かないために

このようにみていくと、シンプルなスタイルの直葬にもトラブルの種があるのがわかります。これを回避するには、やはり事前に周囲の関係者と相談しておくことが重要です。菩提寺や血縁者、他にも故人と繋がりのある方々などに相談し、了解を得ておくことがトラブルを回避する手段になります。
また、直葬後のトラブルを招かないためには、後日、偲ぶ会などを設ける旨を事前に告知しておくのもよいでしょう。

直葬は見方によってはとてもシンプルで魅力的な葬儀スタイルです。ですが、それゆえにトラブルに発展することも少なくありません。葬儀スタイルを決める際は、安易に直葬を選択せず、十分に検討し、関係者に相談をしてから決定するのが最もよいようです。

<執筆者>鈴木健久(株式会社日比谷花壇 フューネラルプロデューサー)
「人と人とのつながりや想いを形にしたい」と日比谷花壇の葬儀サービス「フラワリーフューネラル」に携わる。店頭でのフラワーコーディネートをはじめとして、法人営業や装飾事業など多岐にわたる経験を活かし、葬儀シーンで活躍。

【関連終活情報サイト】
日比谷花壇のお葬式 
http://www.hibiya-lsp.com

ライフサポートプラス
(日比谷花壇運営)
http://life-support-plus.com/
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