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20年東京五輪・パラリンピック

福島から聖火 「浜通りを元気に」 64年ランナーの矢吹さん

白河市内を走る聖火ランナーの矢吹正男さん。沿道には大勢が詰めかけた=福島県白河市で1964年9月30日(矢吹さん提供)
1964年大会で使用したトーチを手にする矢吹正男さん。「大切な宝物」は今も自宅玄関に飾られている=福島県矢吹町大久保で2018年7月、尾崎修二撮影

 2020年東京五輪の聖火リレーの出発地に東日本大震災の被災地である福島県が選ばれた。12日に発表した大会組織委員会は復興の後押しとなることを望んでいる。1964年東京五輪で聖火ランナーだった福島県矢吹町の元JA職員、矢吹正男さん(71)は「被災した人たちが少しでも元気になるような聖火リレーになってほしい」と、次世代を担う福島の若者が走る姿を楽しみにしている。【尾崎修二】

     県南部の白河市にある県立白河農工高校(現白河実業高校)の陸上部員で、当時3年生だった矢吹さんは、同級生部員2人と共に、市内を走る聖火ランナーに選ばれた。「たまたまあの時、3年生だったから選ばれたんでしょう。運がよかった」と振り返る。

     担当区間は市街地の入り口から市役所前まで城下町をジグザグに駆け抜ける約2キロ。金属バットをトーチに見立て、トーチを持つ右腕を高い位置に保って走る練習を積んだ。

     本番は64年9月30日。沿道には約10万人が殺到した。矢吹さんは「頭の中は真っ白。夢中で声援も聞こえなかった」と迫力に足がすくんだという。

     7年前の震災では震度6弱の揺れで自宅が半壊した。矢吹町には福島第1原発事故からの避難者用の仮設住宅が建設された。今もふるさとへ帰還できていない人たちが暮らす。昨年、車で太平洋沿岸部を見て回った。避難指示が解除されても荒れたままの田畑、人影まばらな街並み。避難指示が続くまちには草木がうっそうと生い茂っていた。胸が痛んだ。

     聖火リレーのルートは今後、県が実行委員会を設立して選ぶ。津波で被災した沿岸部と原発事故で避難指示の出た地域を合わせた15市町村は、ルートに選ぶことを求めている。

     100メートルでいいから、また聖火を持って走りたい--。矢吹さんは、そんな気持ちの一方で「今回は復興五輪。矢吹町がある中通り地方ではなく、浜通り地方をくまなく回って現地の状況を全国に発信し、住民の元気につながるのが一番」と思っている。

    富士山も入れて/連休中は沖縄へ

     47都道府県を巡る日程も発表され、各地では「地域の魅力を世界に伝える絶好のチャンスになる」との期待が膨らんだ。

    静岡・山梨

     聖火は静岡県を6月24~26日、続いて山梨県を27~28日に通過する。2013年に富士山が世界文化遺産に登録された6月26日前後のタイミングで「富士山をリレーのルートに取り込めないか」との声も上がる。

     富士五湖の河口湖畔にある山梨県富士河口湖町の「オルゴールの森美術館」の担当者は「日本の象徴である富士山の山頂で、静岡から山梨に聖火をリレーしてほしい」。五輪の自転車ロードレース競技が行われる同県山中湖村の小林正宏オリンピック推進室長は「富士山と山中湖の組み合わせは絵になる。ロードレースのコースも走ってほしい」と期待を寄せる。

     両県はそれぞれコースを検討する委員会を設置し、どの自治体を通るかを決める。静岡県の担当者は「国内外に誇れる場所というのが、ルート選定の考え方の一つ。実行委で協議したい」と話した。【小田切敏雄、加古ななみ、島田信幸】

    沖縄

     沖縄県は大型連休中の5月2、3日に聖火リレーがやってくることになり、関係者らは「観光振興につながる」と歓迎している。

     沖縄は1964年東京五輪の聖火リレーの出発地で、今回も出発地になるよう大会組織委員会などに求めてきた。その願いはかなわず、県スポーツ振興課の担当者は「残念だ」と落胆しつつも「多くの観光客が来ている中で開催できるのはうれしい。どう盛り上げていくか、これから検討したい」と意欲を見せた。【遠藤孝康】

    広島

     1964年東京五輪の聖火リレーで最終走者を務めた坂井義則さん(故人)の出身地の広島県三次市も聖火リレーのコースに手を挙げている。妻朗子さん(71)も「三次を走ってほしい気持ちがあります。主人も生まれ故郷で聖火リレーが行われている光景を見たかったと思います」と思いを巡らせた。三次市では、聖火リレー誘致の機運を高めるため、今夏に坂井さんの当時の写真や実際に使ったトーチの展示を行う予定にしている。【円谷美晶】

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