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JOC会長の五輪招致不正疑惑 IOC内にも懸念広がる 昨秋から捜査本格化の情報

IOCのロゲ会長(左)から証書を受け取る竹田恒和東京招致委理事長(右、肩書はいずれも当時)=ブエノスアイレスで2013年9月7日、梅村直承撮影

 2020年東京五輪・パラリンピック招致を巡る不正疑惑で、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)は11日、フランス司法当局から聴取を受けたことを認めた上で「不正はなかった」と改めて疑惑を否定した。JOC関係者によると、国際オリンピック委員会(IOC)も懸念しているといい、IOCは同日、「仏司法当局と緊密に連絡を取りながら状況を注視している」とコメントした。

 当時、招致委員会の理事長を務めた竹田会長はJOCを通じて「ヒアリングで新しい事実が判明したというようなことはない。国民の皆様に大変心配をかけているが、疑念を払拭(ふっしょく)するために今後とも調査に協力する」などとコメントを発表した。

 JOC関係者によると、昨秋ごろから、IOC内では仏司法当局が捜査を本格化しているとの情報が広がっていたという。竹田会長はフランスの代理人と契約し、昨年末にはJOC顧問弁護士とともにパリを訪れており、この時に聴取が行われたとみられる。

 不正疑惑はロシアの組織的なドーピング疑惑が端緒だった。仏司法当局は15年にセネガル人で国際陸上競技連盟前会長のラミン・ディアク氏がドーピングを黙認する代わりに現金を受け取っていた疑いで捜査を始め、東京五輪の招致疑惑も浮上した。ディアク氏は招致活動時、IOCの有力委員だった。

 JOCは弁護士ら第三者を交えた調査チームを設けた。16年9月の報告書で、招致委がディアク氏の息子パパマッサタ氏と親しいイアン・タン氏が経営するシンガポールの「ブラックタイディングス社」にコンサルタント料として約2億3000万円(当時のレート)を振り込んでいたことを公表したが、「違法性はなく、フランスの刑法上犯罪を構成するものでもない。IOC倫理規定への違反も見いだすことはできない」と結論づけた。

 竹田会長は16年5月、国会から参考人招致され「情報収集などの正式な業務契約に基づく対価」と一貫して主張した。竹田会長は17年にも任意で仏司法当局の聴取に応じ、容疑を否定しており、疑惑は収束したとみられていた。しかし、IOCは11日、バッハ会長がディアク氏の母国であるセネガル政府に協力を求める文書を送付したことも明らかにしており、JOC関係者は「IOC内でも捜査の行方を深刻に受け止めていると聞く」と指摘した。

 フランスでは民間同士の賄賂のやりとりでも贈収賄罪が成立する。招致委側が、五輪招致を共謀したと認められれば罪に問われる可能性もあり、当局は集票を目的とした民間人同士の贈収賄容疑で調べているとみられる。【田原和宏、浅妻博之】

東京五輪招致の不正疑惑を巡る経緯

<2016年>

1月14日 国際陸上競技連盟前会長のラミン・ディアク氏の汚職疑惑を調査する世界反ドーピング機関(WADA)の第三者委員会が公表した報告書で、2020年東京五輪招致を巡り「日本側が国際陸連に協賛金を支払った」と指摘。

5月11日 東京五輪招致委員会がディアク氏の息子パパマッサタ氏に関係する口座に多額の送金をしたと、英紙ガーディアンが報道。

 同12日 フランス検察当局が送金に関して汚職や資金洗浄などの疑いで捜査を行っていることが判明。

 同13日 招致委理事長だった日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が、イアン・タン氏が代表を務めるシンガポールのコンサルタント会社「ブラックタイディングス社」と契約して、2億3000万円を送金したことを認める。

 同16日 竹田会長が、衆院予算委員会に参考人として出席。「海外コンサルタントとの契約は一般的」と正当性を強調する。

 同18日 竹田会長が第三者を交えた調査チームをJOC内に設置する考えを表明。

9月1日 調査チームが報告書を公表してブ社との契約に違法性はないと結論付ける。

<2017年>

2月8日 東京地検特捜部がフランス検察当局からの捜査共助要請を受けて竹田会長から任意で事情聴取をしていたことが判明。

<2019年>

1月11日 フランス検察当局が竹田会長の刑事訴訟手続きを開始したことが判明。

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