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毎日新聞

毎日新聞の取材に応じ、東京五輪への思いを語った宮城県の村井嘉浩知事=宮城県庁で2019年2月18日午後2時26分、村上正撮影

東京・わたし

宮城県・村井嘉浩知事「大震災からの復興、アピールしたい」

 2020年東京五輪でサッカー競技が行われる宮城県の村井嘉浩知事(58)が毎日新聞の取材に応じました。東日本大震災発生後、東京都が開催都市に立候補した当時の思いや、大会の理念とする「復興五輪」へ期待することについて聞きました。【聞き手・村上正】

    毎日新聞の取材に応じ、東京五輪への思いを語った宮城県の村井嘉浩知事=宮城県庁で2019年2月18日午後2時2分、村上正撮影

     ――11年6月に日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が東京五輪の立候補に向けて宮城県庁を訪問し、協力を要請しました。

     ◆五輪はまさに世界的なイベント。国を挙げてのもの。世界中の方に復興した姿を見てもらい、感謝の思いを伝える絶好の場だと思いました。ただ正直、エネルギーを被災地の復興に注いでもらいたいという気持ちはありました。五輪となれば、そちらにいくんじゃないかと。(1995年の)阪神大震災ではあれだけ大きな被害があったにもかかわらず、(同じ年の)オウム真理教の事件があり、国民の目はそちらに向きました。我々のことを見守っていてほしいという被災地としての思いはありました。

     ――賛同に至った経緯を教えてください。

     ◆当時は震災後の不眠不休のさなかでした。議論をする余裕はありませんでした。サッカー競技についても財源をどうするか、裏付けをとらないといけませんが、それを言っている時間はありませんでした。

     ――その2年後にはブエノスアイレスで東京都が開催都市に決定しました。

     ◆決まると思っていました。気仙沼市出身の佐藤(現姓・谷)真海さんが行ったプレゼンテーションは世界中の方の心に響いたすばらしいものでした。佐藤さんが心の支えにした「神様は乗り越えられない試練を与えない」というご家族の言葉に感動しました。一方で、人手や資材が足りないという状況が続き、(五輪準備でその状況が)加速しないかなという不安は頭をよぎりました。

     ――ギリシャで採火された聖火は東松島市の航空自衛隊松島基地で、まず「復興の火」として展示されることが決まりました。どう受け止めていますか。

     ◆復興の意義をとらえてくれたと思っています。まさに復興五輪を体現する象徴的なイベントであり、その後に行われる聖火リレーを含め、多くの県民の記憶に残ると確信しています。できるだけ多くの人に見てもらえるよう組織委員会と連携していきたいと思います。

     ――大会中、震災から10年に向かう宮城の姿をどうアピールしていきたいですか。

     ◆一番は宮城が安全だということです。あの大震災からここまで戻ってきたことを知ってもらいたい。そのためには訪れてもらわないといけません。日本をPRする絶好の機会であり、その仕掛けは一生懸命考えていきたいと思っています。

    むらい・よしひろ

     1960年生まれ。防衛大卒。ヘリコプターパイロットとして陸上自衛隊東北方面航空隊に勤務。松下政経塾、宮城県議を経て2005年の知事選に立候補し、初当選した。現在4期目。

    村上正

    毎日新聞東京本社運動部。1984年、神戸市生まれ。2007年入社。舞鶴支局、神戸支局を経て、大阪本社社会部では府警などを担当。東京運動部では17年4月から水泳やサーフィンを担当。16年リオデジャネイロ五輪を取材した感動から、長女に「リオ」と命名した。