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毎日新聞

東京五輪で復興した姿を世界に発信したいとの思いを描く内堀雅雄知事=福島県庁で2019年3月7日10時19分、宮崎稔樹撮影

東京・わたし

福島・内堀知事「復興の成果と課題発信したい」

 2020年東京五輪で野球・ソフトボールが行われる福島県の内堀雅雄知事(55)が毎日新聞の書面インタビューに応じました。大会の理念とする「復興五輪」を実現するため、福島が目指す取り組みやレガシー(遺産)について聞きました。【構成・村上正】

    東京五輪で野球・ソフトボールの試合が開催される福島県営あづま球場=福島市で2016年8月4日午後1時59分、曽根田和久撮影

     ――聖火リレーで福島県が出発点に決まりました。

     ◆「参加」と「発信」が重要なポイントになります。できるだけ多くの地域、県民に関わっていただくことで、五輪への関心がさらに高まり、笑顔とより力のこもった応援につながります。福島県が復興に向けて着実に前進している姿と依然としてさまざまな課題に向き合っている姿の両面を発信し、理解と、応援してくださる方々とコラボレーションする「共働」の輪を広げていきたいと考えています。

     ――知事就任直後の14年12月に福島県への競技誘致を表明されました。県営あづま球場で開催されるソフトボールは、五輪全競技で最初に始まります。

     ◆(福島第1原発事故による)根強い風評と、加速する風化の問題を抱えています。国内外の方々に現状を見ていただくため、市町村や競技団体とともに競技誘致を目指すことにしました。東京五輪全体の(競技)スタートを切ることで、聖火リレーと合わせ、復興五輪において重要な役割を担うことになり、着実に準備を進めていかなければならないと考えています。

    「農産物の安全性と魅力知って」

    2018年6月に福島県営あづま球場で行われた日米対抗ソフトボールには大勢の子供らが観戦に訪れ、東京五輪開催に期待を寄せた=福島市佐原の県営あづま球場で2018年6月23日午後2時42分、寺町六花撮影

     ――大会組織委員会は被災地の食材の積極活用を掲げています。福島県では17年に農家に労務管理から栽培過程までを記した農業生産工程管理「GAP(ギャップ)」取得の日本一を表明しました。

     ◆世界中の皆さんに福島の農産物の安全性と魅力を知っていただきたい。世界基準のGAPを念頭に置いて取り組みを進めています。選手が手軽に食べられることから、五輪では果物のニーズが高いそうです。桃や梨に加え、トマトやキュウリなど大会開催時期に旬を迎える福島自慢の農産物を味わってもらいたいと思っています。GAPの認証取得は2月末で135件、59品目で、認証予定を含めると今年度目標としている160件を超える見込みです。

     ――大会期間中に海外からの観戦客らに訪れてもらうために予定している取り組みはありますか。

     ◆福島はこれまで、大型観光キャンペーンやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を活用した情報発信、海外でのトップセールスなどにより、国内外からの誘客促進に努めてきました。新年度は新たに訪日客が多い首都圏でのPR活動や、現地で食べる本物のおいしさを体験していただくモニターツアーの実施などを考えています。

     ――大会後のレガシーとして、どのようなものを残していきたいですか。

     ◆競技開催はもとより、県産の農林水産物や豊かな自然、伝統文化、観光地など福島が誇る魅力を発信します。また、事前キャンプ誘致、ホストタウンによる地域の交流促進など次世代が誇りに思える福島県を築くための契機としたい。こうした取り組みを官民が連携して推進するため、県内の144団体で構成する「東京2020オリンピック・パラリンピック復興ふくしま推進会議」を設立しました。

    うちぼり・まさお

     1964年生まれ。長野市出身。東大卒。86年に自治省(現・総務省)入省。2001年、福島県に赴任し、06年から副知事を務めた。14年の知事選で初当選し、現在2期目。

    村上正

    毎日新聞東京本社運動部。1984年、神戸市生まれ。2007年入社。舞鶴支局、神戸支局を経て、大阪本社社会部では府警などを担当。東京運動部では17年4月から水泳やサーフィンを担当。16年リオデジャネイロ五輪を取材した感動から、長女に「リオ」と命名した。