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東京へ ともに歩む

毎日新聞

アジア大会のバドミントン女子団体決勝で中国と対戦し、シングルスに出場した奥原希望=ジャカルタで2018年8月22日、宮間俊樹撮影

アスリート交差点2020

バドミントン・奥原 東京五輪の出場権争い、自分らしく思い切り楽しみたい

 今月末から東京五輪の出場権を懸けた五輪レースが始まります。1年間のワールドツアーなど国際大会の獲得ポイントで争う長丁場です。1勝や1点で人生が変わることもある過酷な戦いに覚悟を持って挑みます。今回は大会で対戦する女子シングルスのライバルたちを紹介します。

     2016年末からほぼ世界ランキング1位を維持しているのが台湾の戴資穎です。163センチで日本選手の体形に近く、技術の高さが特長です。打つタイミングが多彩で、何を打ってくるのかギリギリまで分かりません。一発で相手を崩すショットを持っていて、予測しないと取れません。

     対策は、こちらの意図通りに打たせるような配球をしていくことです。一見すると相手が攻めているようで、実は自分が主導権を握っているという展開に持ち込みたいです。

     世界選手権2大会連続銀メダルのインドのシンドゥ・プサルラは、16年リオデジャネイロ五輪準決勝で敗れ、17年の世界選手権決勝で雪辱した印象深い相手です。179センチと長身でリーチが長いのが特長です。スマッシュへの返球が甘ければ速いテンポで前に詰めてくるので、レシーブの質が大切になります。

     以前は攻撃力だけでしたが、最近はレシーブも良くなってきました。まだ伸びしろがあるように感じる怖い存在です。また、シンドゥのお父さんはワールドツアーに同行していて、とてもフレンドリーです。実は海外の人で最もよく話すのは、シンドゥのお父さんなんです。

     世界ランキング2位の中国の陳雨菲は、男子シングルスの桃田賢斗選手に似ている感じです。派手さはありませんが、オールラウンドで簡単に崩れません。先に仕掛けると逆に厳しくなります。こちらからは仕掛けず、しぶとく長いラリーに付き合わないといけません。

     昨春に一時世界ランキング1位になった(山口)茜ちゃんは、私の中ではライバルというより友達という感覚で、3歳年下ですが、先輩、後輩という感じもないです。試合では、悪い体勢からも攻めてきて、予測しにくいショットを打ってきます。試合をしていてとても楽しいです。

     茜ちゃんとは日本代表のチームメートとして一緒に遠征、練習をしていますし、雑談をし出すと止まらなくなります。ただ、バドミントンの話はそこまでしないです。私には私、茜ちゃんには茜ちゃんの考え方があり、そこを2人で確認しあう必要はないと思っています。互いに「自分」をしっかりと持っていて、芯の部分は非常に似ていると思います。

     東京五輪本番へ向け、ライバル選手の情報を集めることは大事です。実際に対戦することで、相手の打つリズムや球種、仕掛けどころに慣れることができます。多くの大会でできるだけ勝ち続けることで、いろいろな選手と対戦できれば、私のように駆け引きで勝負するタイプにはプラスになります。

     出場権争いは、目標に掲げる東京五輪の金メダルにたどり着くため、通らないといけない道。厳しい道だからこそ、自分らしく思い切り楽しみたいです。


     Q 印象に残る門出や人生の転機は何ですか?

     いろいろな人生の転機がありましたが、何が一番かは選べないです。高校から長野を離れて埼玉の高校に行ったことも、膝の手術をしたことも、全ての選択があったから、今の自分があると思っています。転機でいつも思うことは、どちらの選択肢を取るかではなく、選んでからの行動が大事だということです。自分の行動次第で、選択を正解にすることができます。だから、自分が覚悟を決めて突き進んだ道で、後悔したことはありません。今年からプロに転向しました。今回の転機も、将来の自分が「正解」と思えるように取り組んでいきます。

    おくはら・のぞみ

     長野県大町市出身。2011年の全日本総合女子シングルスで史上最年少(16歳8カ月)優勝。16年リオデジャネイロ五輪銅メダル、17年世界選手権優勝は同種目で日本初。19年1月からプロに転向。太陽ホールディングス所属。24歳。