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東京へ ともに歩む

毎日新聞

石原さとみさん=東京都目黒区で2019年5月1日、藤井太郎撮影

東京・わたし

聖火リレーアンバサダーの石原さとみさん「被災地への寄り添い方考えたい」

聖火リレーのアンバサダーに就任し、抱負を語る石原さとみさん=東京都目黒区で2019年5月1日、藤井太郎撮影

 東京五輪・パラリンピックの聖火リレーのアンバサダー(広報大使)に3月に就任した女優の石原さとみさん(32)に大会への期待や意気込みを聞きました。【聞き手・松本晃】

     ――アンバサダーとしての意気込みを。

     ◆時間の許す限り、全国を回りたいです。聖火リレーのランナーがどういう思いで走っていきたいか、お伺いしたいです。

     ――走るのは得意ですか。

     ◆マラソンより短距離の方が得意ですが、箱根駅伝は毎年見てしまいますね。選手の家族や、選手がどのように努力しているか、選手を応援している皆さんのドラマがすごく好きで、そういうお話を聞けたらいいなと思っています。

     ――東京五輪は令和になって初めての五輪となります。どんな五輪になってほしいですか。

     ◆(新元号が)令和と初めて聞いた時に、響きがすごくきれいだと思いました。(聖火リレーの)トーチを持たせていただいたんですけれど、持った時にトーチの美しさと、令和の響き(の美しさ)が似ている気がしました。令和ってこのトーチに合うなと思いながら見ていました。「和」が五輪の「輪」につながる感覚があって、令和の時代に東京五輪があるというのはすごく意味があると思います。令和は平和と韻を踏んでいる感じもしますし、輪で途切れがない感じもすごく意味があるのかなと考えています。世界中が途切れがなく、つながれるような大会になったらいいなと思います。

     ――平成はどんな時代でしたか。

     ◆喜怒哀楽、全てありました。3歳になる前から平成で、子供から大人になりました。私の人生そのものです。

     ――思い出に残っている聖火ランナーは誰ですか。

     ◆伊藤みどりさんが和装で(聖火台に)点火されたのが印象深くて、迫力があって、子供ながらにかっこいいと思いました。家族で(テレビで)見ていました。(アンバサダー就任が決まり)五輪もパラリンピックも聖火リレーのダイジェスト映像を幾つか見させていただきましたが、すごく感動的でした。泣きながら走られていたりとか、みんながサポートしながら一生懸命、後ろから追っかけられていたりとか、満面の笑みだったりだとか――。(今回の活動で)一人一人の感動を直接近くで感じられたらいいなと思います。

     ――五輪で思い出に残るシーンはありますか。

     ◆(1996年アトランタ五輪女子マラソンの)有森裕子選手の最後のインタビューです。小学生だったんですけど、「自分で自分をほめたいと思います」という言葉は我が家の合言葉になるくらいでした。いまだによくその言葉は言い合いますね。それくらい家族の中でとっても印象的なせりふで、何かよくできたりすると、自分で自分のことをほめたいと思うとか、自分から言っちゃっています。

     ――今までで一番自分で自分をほめたいことは何ですか。

     ◆この五輪・パラリンピック(のアンバサダーの活動)を走り抜いたら言いたいですね。2020年を振り返った時に、言えたらいいかなと。

     ――東京大会は復興五輪とも言われますが、被災者をどう励ましたいですか。

     ◆被災者の皆さんはさまざまな状況ですが、同じ方向を向いて(大会を)楽しめたらいいなと思います。

     ――被災地を訪問したことはありますか。

     ◆あります。私の親族も被災しているので、リアルな現状を聞いています。今まで親戚が被災したというのは公にはしていませんでしたが、アンバサダーに決まって、何か役に立つんだったら、「私たちのエピソードを伝えてもいいよ」と(親族に)言ってもらったので、いろいろ私が聞いたものも伝えていけたらいいなと思っています。

     宮城県の親族が被災して引っ越しを余儀なくされて、今はまた(自宅に)戻りました。被災者といっても、(自宅に)帰りたいと思う人も、まだ前を向けていない人も、前を向いて頑張って生活している人も、帰りたいけれど帰れる場所がない人も、あえて帰らない人も、さまざまな状況があると思います。最後の一人が前を向けるまでが復興だと思うので、すごくいろいろ考えさせられますね。まず状況を知らないと寄り添い方もわからないですし、今回のアンバサダーを通して、寄り添い方を考えて、知れたらいいと思います。

     ――東京出身ですが、どんな魅力を発信したいですか。

     ◆東京生まれ東京育ちなんですけど、(東京の隠れた名所を発信する仕事をしていて)こんなにキュンキュンする場所がこの地にあるのかと感じています。私でも知らない場所が多い中で、それを伝える作業ができたらいいと思います。ビルのコンクリートで固められたイメージだけじゃなくて、もっと温かくて、セピアっぽいものも、カラフルなものもいっぱいあります。もっとキュンキュンする、ワクワクする、ほのぼのする場所があるよと伝えていきたいです。

     ――大会で見たい競技はありますか。

     ◆全部見たいですが……。チケットをたくさん申し込んで、当選した競技を見に行きます。今回はスケートボード、サーフィン、空手の形のような、芸術性が(勝敗を)大きく左右する競技が増えていることも楽しみの一つです。美しい、心の琴線に触れる競技が増えており、感受性をお客さまに求めている感じがして、令和の時代にまた一つ文化が豊かになる、そんな大会になる気がしています。

    聖火リレーのアンバサダーに就任した石原さとみさん=東京都目黒区で2019年5月1日、藤井太郎撮影

    聖火リレーアンバサダー

     大会組織委員会主催のイベントに出演するなどし、五輪・パラリンピックの聖火リレーの盛り上げのための広報活動を担う。石原さんのほか、柔道男子60キロ級で五輪3連覇した野村忠宏さん、射撃でパラリンピックに3大会連続出場した田口亜希さん、人気お笑いコンビ「サンドウィッチマン」が務める。

    松本晃

    毎日新聞東京本社運動部。1981年、神奈川県生まれ。住宅メーカーの営業を経て、2009年入社。宇都宮支局、政治部を経て16年10月から現職。柔道、空手などを担当。文学部心理学科だった大学の卒論は「電車の座席位置と降りる早さの相関関係」。通勤に一時間半の今に生きているような、いないような。