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月28日勤務、危険な作業…五輪会場建設現場で過酷な労働環境 国際労組が公表

建設中の新国立競技場=東京都新宿区で2019年4月16日、本社ヘリから

 2020年東京五輪・パラリンピックの競技会場などの建設現場で、作業員が過酷な労働環境に置かれていると指摘する報告書が15日、労働組合の国際組織から公表された。月に最大28日間の勤務や、危険な環境下での作業が確認されたとし、大会組織委員会や東京都、日本スポーツ振興センター(JSC)に改善を求めている。

 報告書をまとめたのは、国際建設林業労働組合連盟(BWI、本部ジュネーブ)。約130カ国・地域の約330の労組が加盟するBWIは、06年から五輪やサッカーワールドカップなど大規模イベントの建設現場の労働環境を調べている。昨年9月に複数の競技会場の建設現場を視察し、今年2月にはJSCを事業主体として整備中の新国立競技場(新宿区)と、都が建設中の選手村(中央区)で働く作業員計40人から聞き取り調査した。

 報告書などによると、選手村では月に最大28日間、新国立競技場では同26日間、勤務した事例があった。また選手村ではコンクリートなどの建設資材がつるされた下を作業員が通行しており、作業員から「強風で頭上をコンクリートがプラプラしていて怖い」などの訴えがあったという。

 新国立競技場では、首都圏の労組が「薄暗い中での作業で、けが人が出る恐れがある」とJSCの通報窓口に訴え、本人でなく労組の訴えのため「当事者ではない」との理由で受理されなかった例もあったとしている。現場では実際にけが人も出たという。

 JSCは取材に「プライバシーに関わるため、通報の有無を含めて答えられない」とし、都は「関連業者が多く、現場を特定できない」などとしている。

 新国立競技場建設を巡っては、現場監督だった男性(当時23歳)が17年に自殺。長時間労働で精神疾患を発症したことが原因だったとして労災認定されている。【田原和宏】

BWIの報告書の主な指摘

・聞き取り調査した作業員のほぼ半数が雇用契約でなく、請負契約のため、法的な保護が手薄

・選手村で月28日間、新国立競技場で月26日間、勤務した作業員がいた

・作業員の中には安全器具を自腹で購入した者がいた

・薄暗い中での作業の改善を求める労組からの通報をJSCが受理しなかった

・外国人技能実習生に資材運搬など単純作業ばかりを強いる

・作業員が失職などを恐れて労働環境の改善を訴えにくい雰囲気がある

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