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東京へ ともに歩む

毎日新聞

姉妹で東京五輪出場を目指すフェンシング女子フルーレの東莉央選手=東京都北区の国立スポーツ科学センターで2019年6月26日、山下浩一撮影

東京・わたし

フェンシング・東莉央 東京五輪、妹・晟良への思い語る

 フェンシング女子フルーレで2020年東京五輪を目指す姉妹がいます。東莉央(りお)選手(20)=日体大=と晟良(せら)選手(19)=同=です。2人は東京五輪の開幕1年前に合わせたイベント「JOCオリンピック教室校外編 IL DEVU&オリンピアン スポーツと音楽の祭典」(7月27日、東京・文京シビックホール大ホール)に出演します。莉央選手に東京五輪やイベントへの意気込み、妹への思いなどを語ってもらいました。【聞き手・倉沢仁志】

     ――2020年東京五輪出場をかけた代表選考レースが、4月から本格的に始まりました。ここまでの国際大会の成績について、どう受け止めていますか。

     ◆最近の国際大会は大抵ベスト64で負けていましたが、5月に中国・上海であったグランプリでは一つ上のベスト32のステージまで上がることができました(結果は24位)。でも、まだまだ足りないというのが正直なところです。

     ――足りない部分とは。

     ◆全体的に足りないと思っています。これが足りない、と一つだけではないですね。気持ちの面もそうですし、技の数も増やしていかけなればいけないと思っています。

     ――自分はどんな性格だと思いますか。

     ◆考えすぎてしまう性格です。それは試合中も同じです。緊張するタイプですね。でも、それはどうしようもないので、そのままやっています。

     ――莉央選手は、16年の全日本選手権では高校生として史上初めて決勝に進んで準優勝しました。翌年には晟良選手が優勝し、高校生女王となりました。その時は率直にどう感じましたか。

     ◆もちろん悔しさはありましたけど、他の選手に勝たれるくらいなら、妹が勝ってくれた方がうれしいと思って見ていました。

    剣を構える時の様子を見せたフェンシング女子フルーレの東莉央選手=東京都北区の国立スポーツ科学センターで2019年6月26日、山下浩一撮影

     ――昨年の全日本選手権で、晟良選手が連覇を決めると、真っ先に駆け寄って抱き合ったシーンが印象的でした。

     ◆妹は母親の元へ行こうとしていたみたいですけどね(笑い)。

     ――同じ競技をやっている以上、どうしても晟良選手と成績を比べられると思います。

     ◆昔はすごく気にしていましたけど、今は、実力的に妹が上というのは分かっているので、そこは割り切っています。そう考えるようになれたのは、大学に入学してからでしょうか。大人になったのかは分かりませんが、晟良の方が成績を残しているのは事実なので。特にライバル心がすごくあるというわけではありません。

     ――莉央選手から見て晟良選手の長所は。

     ◆すごく大きなアタックを打てるところです。あとフットワークもすごい。

     ――逆にここは負けないという点は。

     ◆強いて言うならアームワーク、剣さばきですね。

     ――当時中学生だった13年に東京五輪の開催が決まり、そこからずっと五輪を目指してきたと思います。いよいよ来年に迫りました。

     ◆先、先を見るのではなく、目の前の試合を戦っていき、各大会で上に行くことができれば、自然と五輪が見えてくると思います。下の世代でも強い人が出てきており、周囲を多少意識はしますが、焦りはありません。目の前の試合をやるだけです。

     ――リラックス方法は。

     ◆漫画を読むことや動画サイトのユーチューブをひたすら見ること。気分転換ですね。海外遠征に行ったら、試合以外はすることがないので。

     ――海外遠征ではストレスを感じませんか。

     ◆食事面は感じますね。遠征先によっては、食事が合わない時もあります。海外遠征には、梅干しなどの日本食を持っていきます。

     ――現在、晟良選手と共同生活を送っているということですが、姉妹でけんかはしますか。

     ◆殴り合いはしませんよ(笑い)。多少の言い合いはありますけど。

     ――莉央選手にとって、フェンシングの面白さとは。

     ◆思い通りのアタックが決まると面白いですよね。相手を動かしてからの攻撃とか。観戦の視点からだと剣のたたき合い、激しい攻防が魅力だと思います。

     ――道具へのこだわりはありますか。

     ◆グリップの色です。しっかりとした紫色が好きなので、グリップもその色に塗ってもらっています。

    フェンシングの魅力などを語る女子フルーレの東莉央選手=東京都北区の国立スポーツ科学センターで2019年6月26日、山下浩一撮影

     ――7月27日にイベント「JOCオリンピック教室校外編 IL DEVU&オリンピアン スポーツと音楽の祭典」に現役アスリートとして出演しますね。

     ◆姉妹での大きなイベント出演は初めてで、緊張します。わくわくもありますが、正直、トーク力には自信がないです(笑い)。

     ――ちなみにその日は莉央選手、21歳の誕生日ですね。

     ◆忘れられない誕生日になりそうです。内心は冷や汗をかいていると思いますが、精いっぱい頑張ります。

    あずま・りお

     和歌山市出身。選手だった母の影響で、妹晟良と小学生の頃から競技を始める。和歌山北高3年の2016年全国高校総体決勝で晟良との姉妹対決を制すると、同年の全日本選手権では高校生として女子3種目を通じて初の決勝に進み、準優勝した。19年ユニバーシアード日本代表。

    倉沢仁志

    毎日新聞東京本社運動部。1987年、長野県生まれ。2010年入社。高知、和歌山両支局を経て17年から東京運動部。レスリング、重量挙げなどを担当。高校時代には重量挙げで全国高校総体に出場したが、階級で10キロ以上軽い三宅宏実選手の記録には遠く及ばない。