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MGC STORY

前田穂南 芯の強さで台風の日も練習 補欠だった高校時代から才能大きく開花

北海道マラソンで優勝した前田穂南=札幌市中央区で2017年8月27日、梅村直承撮影

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前田穂南(23)=天満屋

 江戸後期の1829年に創業し、中国地方で百貨店を展開する天満屋は、女子マラソンの「名門」だ。2000年シドニー大会の山口衛里、04年アテネ大会の坂本直子、08年北京大会の中村友梨香、12年ロンドン大会の重友梨佐と実に4大会連続で五輪代表を輩出した。2大会ぶりの代表を送り出そうと目指すチームで、前田は期待の星だ。

北海道マラソンで優勝し、喜ぶ前田穂南=札幌市中央区で2017年8月27日、梅村直承撮影

 小学校のマラソン大会でいつも1位に輝き、担任教諭の勧めもあって中学から本格的に長距離を始めた。だが、全国的には無名の存在だった。強豪の大阪薫英女学院高に進学したものの、個人種目で全国高校総体に出られず、全国高校駅伝でも補欠ばかりだった。

 1学年上にMGCの有力候補である松田瑞生(ダイハツ)がおり、同学年や下級生も粒ぞろいで、前田が3年時の14年は全国高校駅伝で優勝している。大阪薫英女学院高の安田功監督は「前田はマイペースでおとなしい子。力はあったが、最後のところでインパクトが弱かった」と振り返る。

東京マラソンで日本人2位でフィニッシュする前田穂南=東京都千代田区で2019年3月3日午前11時41分、宮武祐希撮影

 実業団に進む際も、前田が将来マラソンをやりたいことを知っていた安田監督の方が天満屋に紹介した。天満屋の武冨豊監督は「こちらからぜひぜひ、ではなかった」と回顧し、15年に入社してきた当初も「体の線が細いので大丈夫か」と心配したという。

 だが、それはすぐに杞憂(きゆう)だと分かった。数々の五輪ランナーを育ててきた武冨監督が「こちらが逆に休ませないといけない」と舌を巻くほどタフに練習を積んだ。「マラソンを将来走りたかったので、夢に向かって頑張りたいと思っていた」と前田。自身が中学時代の09年世界選手権女子マラソンで尾崎好美さんが銀メダルを獲得した雄姿に感動したのがマラソンランナーを目指す原点となった。芯が強い性格で、台風で警報が出ている中であろうが、オフ期間の正月であろうが自主的に走り込んできた。

 眠っていた才能が大きく開花したのが、17年8月の北海道マラソンだ。2時間28分48秒で優勝し、最初のMGC進出決定選手となった。さらに、昨年の大阪国際女子マラソンで、先輩の松田に次ぐ2位に入り、2時間23分48秒に自己ベストを更新した。

 安田監督は「前田は腐らず頑張って、(大阪薫英女学院高の)現役選手のいいモチベーションになっている」と目を細める。両親がフジテレビの大ヒットドラマ「東京ラブストーリー」(1991年)が好きで、主演の鈴木保奈美さんと同じ読みの「穂南(ほなみ)」と名付けられた。補欠選手から東京五輪のヒロインへ――。シンデレラストーリーはクライマックスへ向かう。【新井隆一】

前田穂南
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